専修大 – 中央大 / 関東大学サッカーリーグ1部2013第19節
6月9日、日本クラブユースサッカー連盟は、日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会の開催中止を発表した。半ば覚悟していたことではあるけれど、いざ決まると、残念でならない。高校野球の夏の甲子園ではないけれど、もしも状況が許すのなら代替大会を開催することなどはできないのだろうか、とか、いろいろと考えさせられる。
http://www.jcy.jp/archives/13909
昔のノートからフロンターレアカデミーを振り返る。第47回目は、フロンターレの試合ではなく、2013年11月2日の関東大学サッカーリーグ1部第19節、専修大 vs 中央大。専修大は仲川輝人、小口大貴、中央大は大和田達、川越勇治とフロンターレU-18出身の選手が先発に名前をつらねた。
【関東大学サッカーリーグ1部第19節 専修大 vs 中央大】
2013年11月2日(土)午後1時50分キックオフ 駒沢オリンピック公園陸上競技場 くもりのち雨
専修大は前節0-2で筑波大に敗れたものの2位早稲田大に勝ち点差7をつけ、勝ち点41の首位。
先発は、GK1福島春樹、最終ラインは右から2北爪健吾、15篠崎拓也、6河津良一、12小口大貴、ボランチは14星野有亮、8下田北斗、前線は右に10仲川輝人、左に11前澤甲気、前に22山川翔也。
3萩間大樹はベンチ外だったが、控えにはこちらもフロンターレU-18出身のGK16奥山陸が入った。
勝ち点26、得失点差+9で5位の中央大。先発は、GK1シュミット・ダニエル、最終ラインは右から31高橋龍之介、3大和田達、12小出啓太、6高瀬優孝、ボランチはキャプテンの4細見諒、8田辺圭佑、前線は右に7砂川優太郎、左に10澤田崇、前には11川越勇治。
この日は雨が次第に降り始めるあいにくのお天気。駒沢オリンピック公園陸上競技場はメインスタンドの上の方に屋根がかかる構造で、試合が進むにつれ、観客たちは次第に上の方へ席を移していった。
試合は立ち上がりからともにゴールの前に迫る展開に。4分には専修が仲川のパスに抜け出した長澤がシュートを打つが、シュミットの好守でしのいでいく。
中央は切れのある仕掛けを何度も見せる澤田が起点となり、専修のゴール前に。7分にはその澤田がエリア左へ。シュートはポストを叩くが、渋谷が押し込んで先制点は中央へ。0-1。
さらに9分には、正面の渋谷のスルーパスに今度はエリア左へ抜け出した澤田がシュート。これも決まり、0-2。たたみかけるようにして、中央が突き放していく。
2点を追う展開となった専修は、14分には前澤のパスに山川が抜け出すが、シュートは右へ。ここから構える中央に対して、専修が長澤や下田、星野らがパスを回しながら、北爪、小口の両サイドも機を見て前に上がり、押し込んでいく。
しかし、何度も得たコーナーキックはなかなか決定的なシュートにはつながらず。シュミットがしっかりとした対応を見せ、北爪の精度の高いクロスも大和田が跳ね返すなど、中央は落ち着いた守りを見せていく。
22分には右から持ち込んだ仲川がシュートを打つが、中央の体を張った守備に遭い、23分には長澤のパスに抜け出した山川がシュートを打つが、シュミットがセーブ。
25分にはコーナーキックをしのいだ中央。カウンターに持ち込むと、澤田が仕掛けて最後は小出がシュートを打つが、右へそれていく。
30分には、さらに中央。正面やや右でフリーキックを得ると、田辺が左足で直接狙うが、枠はとらえられず。
さらに35分には砂川が右から仕掛けてシュートを打つと、福島が弾いたところに渋谷が詰めるがこれはファールに。ここから中央が両サイドを生かした攻めで迫り、44分には砂川の折り返しに、高瀬がエリア左へ。シュートを打つがサイドネット。前半は0-2。中央がリードしてハーフタイムとなる。
後半、立ち上がりには専修。長澤が正面へ。シュートを打つが、ここでもシュミットの好セーブ。こぼれ球に仲川が詰めるが、シュートはポスト。さらに下田がミドルシュートを打つが、枠外。厚みのある攻めを見せていく。
中央も直後には、川越がうまく専修の守備を剝がして、シュートに持ち込むが、福島がセーブしていく。
10分には、さらに澤田と同様にコンディションの良さを感じさせる砂川の仕掛けから右コーナーキックを得ると、田辺が左足で入れたボール、川越がシュートを打つが、専修も体を張ってしのいでいく。
専修に対して、中央は高い位置でのプレーを重ね、ときには田辺が左サイドの高い位置で粘り、砂川も右サイドの高い位置でキープ力を発揮。ともにコーナーキックを得るなどしていく。
しかし、21分、専修は長澤が正面へうまく持ち出し、そのパスに抜け出したのは前澤。シュートを打つとこれが決まり、1-2。専修が1点差に。
専修は24分、星野に代わり34沓掛元気。中央は28分、澤田に代わり14古橋匡梧。29分にはさらに専修に交代。山川に代わり17佐藤遵樹。佐藤が左、前澤が前線へ。30分には中央、渋谷に代わり20鳥波将斗。
それぞれ交代を重ねていくなかで、33分、専修はPKを得る。キッカーは仲川。これを決めて2-2。専修が同点に。
ここから勢いに乗るように専修がゴールの前に。中央はなかなか前に行けずに押し込まれる時間が続いていく。39分には長澤から受けた前澤がミドルシュートで狙うが、シュミットがセーブ。さらに右コーナーキック、長澤が入れたボール、河津が合わせるが枠はとらえられず。
42分には、下田のスルーパスに佐藤が抜け出すも、中央の守備の粘り強さの前に決定機とはならない。44分には、さらに下田のスルーパスに前澤が抜け出すが、これも決めることはできない。
45分には中央、右コーナーキックから迫るが、こぼれ球は専修がクリアしていく。
ロスタイムの4分を経て試合はタイムアップとなり、2-2。
澤田や砂川を中心に大いに中央が良さを見せ、シュミットも何度も好セーブを見せていったが、専修も首位を走る底力を見せるような試合になったように感じさせられた。
なお、この試合に出場していた中央大の大和田達、川越勇治、控えだった専修大の奥山陸は「LB-BRB TOKYO」でチームメートになっている。
現在は東京ユナイテッドFCと名前を変え、関東社会人サッカーリーグ1部に所属するチームのなかに残っているのは川越のみとなったが、東京都文京区をホームタウンにJリーグ加盟を目指すチームの歴史に、フロンターレU-18出身の選手たちがかかわっているのは、とても嬉しいことだと思う。
前半0-2 後半2-0 計2-2
得点:前澤甲気、仲川輝人=PK(専修) 渋谷亮、澤田崇(中央)
専修の先発:1福島春樹、2北爪健吾、15篠崎拓也、6河津良一、12小口大貴、14星野有亮、8下田北斗、10仲川輝人、11前澤甲気、22山川翔也
交代:山川→17佐藤遵樹 星野→35沓掛元気
控え:16奥山陸 54玉田道歩 38飯田貴敬 26野田卓宏 18東大樹
中央の先発:1シュミット・ダニエル、31高橋龍之介、3大和田達、12小出啓太、6高瀬優孝、4細見諒(c)、8田辺圭佑、7砂川優太郎、10澤田崇、11川越勇治
交代:澤田→14古橋匡梧 渋谷→20鳥波将斗
控え:21置田竣也 13鈴木悠太 5木村圭佑 33橋本龍馬 9木村陽一郎
(文中敬称略)
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