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スタートライン

「うれしいですけど、やっぱり自分が絡めなかあったのが悔しい。悔しいっていうことが一番です」

「今日の自分のプレーにあんまり満足していないので。特長のところだったり、もっとできたかな、という感じです」

長いリハビリを経て、9月3日の大宮アルディージャU-18戦で、ついにプレミアリーグEASTの舞台に帰ってきたMF11岡野一恭平。

選手やスタッフ、サポーターにとっては、待望の復帰。

この日、Anker フロンタウン生田に集まった何人かの取材者にも、また、No.11の復帰への祝福の雰囲気があったように思う。しかし、試合後、その言葉からにじんできたのは、悔しさだった。

昨年10月22日、桐生第一戦で負った左ひざ十字靭帯の断裂という重傷からの復帰初戦で、81分にわたって出場。

8月の和倉ユースで多くの試合を経験して、満を持しての復帰ということもあり、怪我前からの定位置だった左MFでのそのプレーは、ブランクを感じさせないものだった。

それでも、チームを勝たせるために必要な得点やアシストで、貢献できなかったことが悔しい。
守備を固めてきた大宮に対しても、「それでも、やれなきゃいけなかった」「あんまり何もやらせてもらえなかった」。

こんなものではない。もっともっと、できなければいけないー。自身のプレーに対する反省の言葉からは、1年生のときから多くの試合に出て、この世代を引っ張り、そのドリブルでチームに貢献してきたことへの自負があったように思う。

7月のクラブユース選手権前の練習試合で、実戦に復帰するまで、約8カ月。

プレミアリーグ参戦初年度で優勝を成し遂げたチームメートたちに、頼もしさを感じながらリハビリに専念してきた。
リハビリの途中の難しい時期を乗り越え、またサッカーができるようになった裏には、池田善憲トレーナーをはじめとしたスタッフ、チームメートたちの励ましもあった。

「チームにずっと助けられていたんで、チームの結果につながるようなプレーを、得点もアシストもそうですし。それ以外のところも出して」

夏の試走期間を経て、プレーすることに、もう不安はない。「もう、思いっきりやるだけです」。残り10試合となったプレミアリーグEAST。怪我前よりも、もっとドリブルで、自分の良さを出していく。

今はスタートラインに立っただけ。ゴールやアシストで、チームに勝利をもたらしていくために。支えてきた人々に、待っていた人々に歓喜をもたらすために。きっと、もっともっと加速していく。





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