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夏が始まる

7月23日、日本クラブユースサッカー選手権は開幕を迎える。

今大会には全国の予選を勝ち抜いた32チームが出場。AからHまでの8グループ、4チームずつに分かれ、リーグ戦(グループステージ)を行い、各グループの上位2チーム、計16チームが決勝トーナメントへ進出。試合時間は、通常より短い35分で行われる。

川崎フロンターレU-18はHグループ、ヴィッセル神戸U-18、ヴァンフォーレ甲府U-18、V・ファーレン長崎U-18と同組に入った。


【川崎フロンターレU-18 日本クラブユースサッカー選手権大会グループステージ第1節 vs ヴィッセル神戸】
7月23日(日) 午前8時45分キックオフ  Gスポーツ富士見総合グランド

グループステージ第1節で対戦するのは、ヴィッセル神戸U-18。

・プレミアリーグWESTでは、5勝3分け3敗、勝ち点18、得点15、失点12、得失点差+3、4位。

・関西の予選は最後のラウンドが、リーグ戦形式で行われており、2勝1敗、勝ち点6、得点10、失点7、得失点差は+3。

京都サンガFC.U-18、セレッソ大阪U-18とともに勝ち点6で並び、(ガンバ大阪ユースが3敗)、対戦成績の結果、第2代表で日本クラブユース選手権出場を決めた。

サンガやセレッソ、ガンバとは多くの試合を行ってきたフロンターレU-18だが、ヴィッセルとは近年公式戦をやったことがなく、対戦するのは2011年の日本クラブユース選手権以来。

その時のグループリーグでは、相馬健一朗、三好康児のゴールで2-0でフロンターレが勝利。
準々決勝では0-2。ヴィッセル神戸が勝利。ヴィッセルは決勝まで勝ち進み、東京ヴェルディユースに敗れ、準優勝という結果だった。



U-18よりも下のカテゴリーでもフロンターレはヴィッセルとの対戦経験は少なく、川崎そだちが始まった2015年以降でも、2015年のダノンネーションズカップ in Japanくらいしか見当たらない。


注目の選手を上げるとすれば、DFの本間ジャスティン。

年代別代表に選ばれている右SBであり、GK濱﨑知康、MF由井航太、FW岡崎寅太郎が参加したU-18日本代表候補のトレーニングマッチでも、タイミング良く、スピード感のあるオーバーラップからのクロス、守備でも1対1で粘り強さを見せ、存在感があった選手だ。

もともとは、CBだったとのことで、セットプレーから決定的なヘディングシュートを打っていたことも印象的だった。

本間と対峙するフロンターレの左サイド。MF7志村海里やDF17柴田翔太郎は攻撃でのストロングポイント。また、DF4元木湊大が先発するとすれば、志村を前で気持ちよくプレーさせるために腐心しながら、粘り強い守りを見せてくれるはずだ。彼らの攻防が、この試合の大きな焦点になるのではないだろうか?



【川崎フロンターレU-18 日本クラブユースサッカー選手権大会グループステージ第2節 vs ヴァンフォーレ甲府U-18】

7月24日(月) 午前8時45分キックオフ コーエィ前橋フットボールセンターD

第2節の対戦相手となるのはヴァンフォーレ甲府U-18。
・プリンスリーグ関東1部では、2勝2分け5敗、勝ち点8、得点12、失点18、得失点差-6。

・日本クラブユース選手権大会関東大会では、2回戦で浦和レッズユースに0-3で敗れ、敗者復活戦に回り、敗者復活戦の2回戦ではSC栃木U-18に1-5で敗戦。最後の1枠を懸けた三菱養和SCユースとの決定戦を、1-1、PK7-6で制し、全国大会の切符をつかみ取った。

フロンターレU-18は、2016年には、プリンスリーグ関東と日本クラブユース選手権関東大会で3回にわたって対戦。そのときはフロンターレの3勝。


2017年以降も、U-15以下のカテゴリーでは、対戦する機会が多く、なじみ深い相手。対戦する3チームの中では、もっともフロンターレのサッカーを知っているのがヴァンフォーレかもしれない。



【川崎フロンターレU-18 日本クラブユースサッカー選手権大会グループステージ第3節 vs V・ファーレン長崎U-18】

7月26日(火) 午前8時45分キックオフ ロード宮城総合運動場 陸上競技場

最終節の相手となるのはV・ファーレン長崎U-18。

・プリンスリーグ九州1部では、7勝1敗、勝ち点21、得点21、失点5、首位。

・九州クラブユースサッカー選手権大会を優勝。第1代表として、大会出場を決めた。

FW七牟禮蒼杜は、ここまで8ゴールでプリンスリーグ九州1部の得点ランクトップに立つ。

フロンターレU-18と長崎は、2018年のJユースカップ2回戦で、長崎と対戦。その際は1-2。長崎の好守の切り替えの良さの前に、フロンターレは苦しみ、0-2と追いかける展開に。FW山田新のゴールで1点を返すも、長崎が勝利している。

ここ数年、クラブユース選手権の常連ともなりつつある長崎だが、新型コロナウイルス禍の影響でグループステージが行われなかった2020年をのぞき、決勝トーナメント進出の経験はない。

しかし、今季の戦績から見ても、手ごわい相手であることは間違いない。今大会のダークホースのひとつなのではないだろうか。

さらに昨年は新型コロナウイルスの影響で、グループステージの第3節以降を出場辞退するという悔しい思いもしている。再び戻ってきた全国大会にかける強い思いもあるはずだ。

さらに最終節ということで、お互いにとってノックアウトステージ進出を懸けた試合になる、という可能性もある。


「厳しい」ということはないかもしれないが、「一筋縄ではいかない」というグループに、フロンターレU-18は入ったのかもしれない。



しかし、今季の川崎フロンターレU-18は、時につまずきながらも、時に悩みながらも、青森山田など素晴らしい対戦相手との試合を通して、自信をつけ、仲間への信頼を深め、ピッチの上では勇気を持ってプレー。フロンターレらしいサッカーをするために歩みを進めてきた。

クラブユース選手権のグループステージを突破し、去年悔しい思いをした
決勝トーナメントへ進むための準備はできているように思える。

GK1濱﨑知康、GK16菊池悠斗、DF2江原叡志、DF4元木湊大、DF17柴田翔太郎、MF10尾川丈、MF6由井航太、MF7志村海里と、昨年もこの大会を経験した選手たちが残るという、強みがある。

昨年、直前での怪我で悔しい思いをしたFW9岡崎寅太郎や、長いけがから戻ってきたMF11岡野一恭平といった選手のこの大会にかける想いは、大きな力になる。

MF22加治佐海やFW28香取武、MF25矢越幹都、DF5土屋櫂大、DF20山中大輝、DF30林駿佑ら、この1年で大きく力をのばしてきた選手もいるのも大きなアドバンテージだ。

MF8名賀海月やMF14岡田泰輝、FW13髙橋宗杜、DF15中原章雅、DF3髙橋悠斗といった3年生たちが、短期決戦を勝ち抜くために必要な日替わりヒーローになるかもしれない。

4日間で3試合という短期決戦となるグループステージを通して、きっとさらに成長し、今後のサッカー人生にもつなげてくる選手もいるはずだ。

楽しみな、夏が始まる。


(文中敬称略)



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