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よりぬき1

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しばらく数えていないので正確な文字数は不明ですが、10万字を超えていることはまず間違いありません。
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2020年4月の記事一覧

現代スペインの「対立教皇」:ヒトラー列聖の噂もある、カトリックの今日的「異端」

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Pope_Peter_III_of_Palmar.jpg©Idzhu573(CC BY-SA 4.0)を改変して作成 はじめに 20世紀後半に入り、ローマ・カトリック教会は歴史的な転換点を迎えた。1962年から1965年にかけて開催された第二バチカン公会議の結果、共産主義や無神論の脅威に対抗すべく、現代化を図っていくことになったのである。  しかし――伝統からの逸脱は、時として深刻な分裂を引き

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【DNA鑑定】ナポレオン3世、あの伯父とY染色体が不一致の怪

ナポレオン3世、その出生の疑惑 フランスは、今も昔も不倫大国である。2018年に発刊されたジャニーヌ・モシュ=ラヴォ『フランスの性生活』によると、フランスでは「不倫よりもセックスレスのほうがタブー」であるという。  現代のフランスでは、不倫は特にモラルに反するとはいえないから、不倫の噂を立てられても名誉毀損にはならないのだとか。2015年12月17日、同国の最高裁判所がそのように判例を示した。  ところで日本には、フランス書院という官能小説を得意とする出版社がある。この社

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ナポレオン、古代ローマに影響されて:近代の危険な「フィリピン皇帝」たち

はじめに  歴史上、フィリピンの政体が帝国だったことは一度もない。したがって、「フィリピン皇帝」という国家元首の称号が存在したことはない。しかし、それはけっして「フィリピン皇帝」という称号を名乗った人物がこれまでに誰一人としていなかったことを意味するものではない。  近代に限定しても、少なくとも二名のフィリピン帝位僭称者の存在が確認できる。両者ともかの「合衆国皇帝にしてメキシコの保護者ノートン1世」のような政治的に無害な存在ではなく、武力による政府転覆を企図した危険人物で

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