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愛知県の皇室伝承

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・壬申の乱の敗者、弘文天皇の生存伝説(岡崎市) ・文武天皇が「三河行幸」中に儲けた皇子「竹内王子」(豊橋市) ・なぜか渥美半島に渡った後小松天皇の皇女「松代姫」(田原市) ・うつ…
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#愛知県田原市

【愛知県の皇室伝承】3.なぜか渥美半島に渡った後小松天皇の幼い皇女「松代姫」(田原市)

壽命殿長仙寺の皇女伝説 愛知県田原市の壽命殿長仙寺。永禄八(一五六五)年の五月、岡崎の戦国大名・松平家康――のちに「徳川」に改姓して江戸幕府を開く――が田原城を攻めるに際して本陣を置き、前厄祈祷と戦勝祈願を奉修させたという由緒ある寺である。  その参道では「御大典記念」と刻まれた寺号標を見ることができる。皇室の慶事に際して建てられた碑は、神社であれば珍しくもないが、寺院においてはあまり見られるものではない。  寺院であるにもかかわらず「御大典記念」の碑があるのは、皇室にゆ

【愛知県の皇室伝承】9.見れば神罰が… 謎の南朝皇族「久丸王」に由来するらしい極秘の神事「寝祭」(田原市)

極秘の神事「寝祭」 毎年、旧正月が迫ってくると、愛知県田原市の神戸地区の辻々で「寝祭」の実施日を知らせるための看板が見られるようになる。  寝祭とは、地元の久丸神社から神戸大宮神明社までの三百メートルほどの間を神職たちの行列が渡り歩くという伝統的な神事である。旧正月を迎えて最初の巳の日を過ぎてから初めの申と酉(※巳の日を待たずに催行するとよくないらしい)の二日間にかけておこなわれる。  さて、この行例は昔から、誰も見てはならないとされてきた。もしもこれを目にしたならば、恐