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私の履歴書: ロジクール編 (その 1)

知り合いの紹介から面接を受けて働くことになったロジクール。2003 年 1 月のことです。そのポジションはウェブマスター的な仕事をしつつ、リージョナルプロダクトマーケティングをやらせてもらう、というもの。もちろん自分はプロダクトマーケのほうにメインで興味があったわけですが、これまでの自分の経験から考えればまだまだ勉強が必要なところで、とりあえずやらせてみて様子を見るという感じだったのかな、と思います。

そんな中担当を任されたのが、マウスとキーボード。正直、えっ?と思いました。なにしろロジクールといえばマウスとキーボードの会社、というイメージが強かったですから、そんな主力製品をいきなり担当で大丈夫なんでしょうか?と思ったわけです。なんですが、当時はウェブカメラの売り上げがすごい勢いで上がっており、マウス・キーボードはある意味安定市場。そういう意味ではリスクが低い、という判断だったのでしょう。

ところで、マウスの会社に入っておいてなんですが、それまでマウスを買ったことなどほとんどありませんでした(汗)。基本 Mac な人で、アップルのマウスに特に不自由を感じていなかったからだと思います。が、British Airways に入った時、仕事では Windows を使わざるを得ない状況になり、マウスポインタの動きがどうもしっくり来ず、気持ち悪い感じはありました…。

ロジクールでも仕事では Windows マシンでしたが、いいマウスを使うと操作感が全く別物になる!!これはびっくりしました。1 万円もするマウスなんて一体誰が買うんだろう、とか思っていたのですが、いいマウスを使うとパソコンの操作環境がこんなにも向上するのか、と衝撃を受けましたね。

仕事としては、マーケットの分析をして、売上を上げるための施策もろもろを考え、それを達成するための情報をグローバルプロダクトマーケティングに逐次提供する、製品情報をメディアに提供する、といったリージョナル・フィールドプロダクトマーケな仕事はもちろんですが、日本は色の品揃えがとても重要ということで、他の国にはないカラーバリエーションを用意するとか、はたまた、日本だけ小さなパッケージを採用していたのでそれの開発など、グローバルの人がやるような仕事があったりしてとても刺激的でした。POP の開発なんかもしました、そういえば…。一番上の写真、ちょっと粗いですが、ある新製品の発売時に店頭を回って展示状況を確認したときのもの。この製品はパッケージも日本だけ完全にオリジナルだったし、カラバリも日本だけだったし、POP もふくめてかなり力を入れたので懐かしいです…。

ところでロジクールという社名は日本だけで使われているもので、世界的には Logitech という名で知られている会社です。なぜこうなったかというと、日本にはロジテック(Logitec)という会社があって、ロジテックの名前を使えなかったんですね…。ところで、Logitec は PC 周辺機器の会社ではあるものの取り扱い製品は若干違っていたのですが、私がまだロジクールに在籍中だった 2004 年にエレコムに買収されました。エレコムはマウスやキーボードも含むガチンコ競合であって、これはやられた!と思いましたね…。

Logitech はスイスで設立され、本社はシリコンバレー(の外れ)にあるというちょっとユニークな会社で、社内も真にグローバルな会社でした。スイスのロマネル(牧場の真ん中みたいな超のどかなところでした…懐かしい!)、台湾の新竹、アイルランドのコーク、そして工場が中国の蘇州と、ポインティングデバイス・ビジネスユニット(マウスだけでなくトラックボール、プレゼンターなども作っていたBU)が絡む拠点も世界中にあり、かなり頻繁に出張させてもらいました。そしてこうして世界中にオフィスがあり、また、オフィス間での異動もけっこうあるため、英語が若干不自由でもみんなちゃんと聞いてくれるという本当に優しい環境にあったと思います。

そして、そういう環境にあったので、自分にとっては千載一遇のラッキーなチャンスが巡ってきたんですねぇ。ということで、それはまた次回


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