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東海岸に引っ越した話

サンフランシスコ・ベイエリアといわれる地域に住んでいた自分ですが、この夏、東海岸コネチカット州に引っ越しました。自分がアメリカの中で「住んだ」と言えるのはカリフォルニア州(通算 11 年ほど)とインディアナ州(交換留学していた 1 年弱)のみで、東海岸は初体験。その雑感を書き留めておきたいと思います。

アジア人はマイノリティだったと実感

改めて、アメリカにおいてアジア人はマイノリティだったんだな、と噛み締めています。ベイエリアには中国人、インド人が本当に多かったので、アジア人だとジロジロ見られるといったこともないし、中国系・韓国系・日系のスーパーも充実していたので不便な感じはほとんどありませんでした。(もちろん日本で買うのと比べたら高い、という不便さはありましたけれども。)

一方、今住んでいるところ。ジロジロ見られることこそありませんが、レストランに入ったらアジア人は自分一人、なんてことも普通。たまにアジア系の人を見つけると、あ、この街にもアジア人いた!とちょっとホっとしてしまうくらい。

日系のスーパーは車で 1 時間弱のウェスト・ハートフォードにあるやつが一番近いかな。昔のように「今日の夕飯で使いたかった XX が切れてたから、ランチ時間のうちに買い物行っておこう」みたいな気軽な感じで買い物にいったりはできません。とはいえ、Weee! というオンラインアジア系スーパーマーケットサービスの配達地域なので、これを大いに活用しています。値段で言ったら、ベイエリアのスーパーよりも安いくらい。これはありがたい。

謎日本食のレストランは自分の街にもあるので、2 件くらい安全そう(笑)なところは行ったことありますが、それ以外も徐々にチャレンジしていきたいと思っています。でも、車で 15 分くらい離れたニュー・ヘイブンは Yale 大学がある大学街ということもあり、なかなかバラエティに富んだレストランが充実していて、日本食レストランもあります。自分が行った Hachiroku Shokudo & Sake Bar は伝統的な日本食というより、今っぽいアレンジがされた現代の居酒屋という感じで、とてもいいです。実はサンフランシスコあたりでは日本食のレストランにほとんど行っていなかったので(理由は、高いし、だったら自分で作ればいいや、と思っていたから)、これは意外な発見。

生活費の差は大きい

これはやはり積み重ねたらすごい差になります。例えば、ガソリン。住んでいるエリアによってだいぶ差はありますが、ベイエリアで自分が住んでいたエリアだったら、1 ガロンで現在 5.50 ドルほど。そして今住んでいるところだと、1 ガロンで 3.50 ドルほど。3 割以上の差です。外食も、スーパーでの買い物も、ざっくりの肌感覚ではありますが、3 割安という感じ。

ただし、この辺りはもうちょっと長いスパンで、実際どれくらい生活費が下がったのか、を見ていく必要があると思っています。

というのも、東海岸、さすがに気温の差はすごいです。夏は日本のように蒸し暑いし、冬は寒い。要は、冷房費・暖房費はそれなりにかかるはず。ベイエリアではエアコンをつけることもありましたが、小さなアパートだったし、なによりも、実は家賃に込み込みになっていたのです。さて、このあたりがどれくらいの出費になるか。

とはいえ、とんでもなく高かった家賃がなくなっただけで、心の負担は大きく下がりました(笑)。

コミュニティ感

ベイエリアに住んでいる時は、ご近所づきあいはほぼありませんでした。名前は知っていて、会ったら挨拶する人はいましたけれど、その程度。ですが、ここでは隣の人、裏の家の人と、よく話しますし、お互いの家の世話(旅行中のペットの世話とか)もするし、なにより鍵を預かりあっていて、さらに言うと一緒にご飯をすることなんかも。

よく行く店の人なんかも、名前を覚えてくれるし、この人は「よく会う人」というレベルではなく「知り合い」のレベルになることが多いイメージ。人口密度が低いからなせるわざなのかもしれません。これを心地良いと感じるか、めんどくさいと感じるかは人それぞれでしょうね。

でも、全体的に感じるのは、チップ目当てで「その場限りの」サービスというよりは、長く続く関係性を見据えたサービスをしている人が多いのかな、という感じ。気持ち良い、パーソナルなサービスをされたら、やっぱりその店にまた来たいと思うものです。

いろいろな意味で選択肢が少ないからこそ、ちゃんとした関係性、コミュニティ感が必要になってくるのかもな、と思いました。

直行便がないという精神的距離感とニューヨークがあるという安心感

ベイエリアにはサンフランシスコとサンノゼという、東京に直行便が飛んでいる 2 つの空港がありました。自分の住むところから一番近い大きい空港はハートフォード・ブラッドレー空港ですが、東京への直行便など当然ありません。単純に西海岸より東海岸のほうが東京から遠いよね、という物理的距離感より、乗り継ぎ便でしか日本に行けないという精神的距離感のほうがインパクトがある感じがします。

一方で、車で 1 時間半くらい行けば、あの大都市ニューヨークがあります。東京の近くで長年暮らしてきた人間からすれば、サンフランシスコって、こじんまりとしていていいサイズ感の都市なんですが、大都市ではないんですよね。それにひきかえ、やっぱりニューヨークって本当に大都市。もちろん東京への直行便もたくさん飛んでいます。(車で 1 時間半って遠いじゃん!とお思いかもしれませんが、ベイエリアでも南の方に住んでいた自分の家からサンフランシスコまでは、車で 1 時間ほどかかりました…。ということで、そんなに変わらないのです。)

いつでもなにか新しいこと、面白いことがある大都市にアクセスしやすいというのは、ワクワクします。ちなみに、ボストンも車で 2 時間ほど。全く毛色の違うこの 2 都市にアクセス可能なのは魅力です。カリフォルニアの大都市といったらロサンゼルスですが、車で 6 時間近くかかりますからね。カリフォルニアって本当に巨大。

東海岸の州は小さめのところが多いので、別の州に行くのも簡単。ロードアイランド、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、メイン、ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルバニア…。そしてカナダにも車で行けてしまう!週末小旅行の行き先が広がったな、という感じ。

そういえば「天気」があったなという気づき

日本のような四季があることもそうですが、雨の日が普通にあるのも、懐かしい感覚。今年はカリフォルニアも、普通の雨季が終わった後にたまに雨が降ったりしてびっくりしましたが、普段は雨は冬にしか降らず、夏の間に雨が降るなんて、本当に珍しいこと。

日本だと天気予報を気にして、今日は傘を持って行くかどうかを確認していたものですが、そういう感覚ってカリフォルニアに住んでいるとちょっと忘れてしまうんですよね。どうせ車だから雨降ってもドアから車まで走ればいいや、とか思ってしまいますし(笑)。

でも当地では傘ささないとちょっとビショビショになるよね、というレベルで雨が降ることもあるので(と書いている今も外で雨がけっこう激し目に降っていたりします…)、天気予報を気にしなくてはなりません。そうだ、天気というものがあったな、という気づき(笑)。


というわけで、まだまだ東海岸初心者な私ですが、この初めての体験を楽しんでいきたいと思っています!

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