商品力とは何か?毎月2000ケースを完売させるスーパー苺農家の事例から学ぶ
どうも!ブランドコンサルタントの中江です。
今日のテーマは「商品力」です
「商品力が高い」ことは、商品・サービスが続々と売れていくために必須のポイントというよりも、事業を継続的に成立させるためには外せないポイントです。
例えば、小顔矯正サロンと謳っているのに、お客様を小顔に導くことができなかったり、ラーメン屋と謳っているのに、ラーメンが不味かったりするお店にお客さんが入らないのは誰もが理解できると思います。
宣伝広告の技術が高ければ、商品力が低くても、商品・サービスを新規で購入してもらうことはできますが、商品・サービスの質が低いので、二度とリピートされませんし、悪い口コミすら広がっていく可能性すらあります。
だからこそ、商品力というのは、どんな事業をするにせよ、磨き続ける必要があります。
ですが、この記事をご覧の方の中には
という人もいると思います。
一体、それはなぜなのか?
その原因は何なのか?
について、今回の記事では解説していきたいと思います。
1.商品力とは何か?
これまで何度も「商品力」「商品力」という言葉を使ってきましたが、一度立ち止まって、
をまずは考えてみる必要があります。
この理解なしに、本当の意味で、商品力を高めていくことはできません。
商品力とは、商品・サービスの価値のことです。
そして、この価値というのは、商品力においては
✅基礎価値
✅付加価値
の2つに分けられ、この2つの要素の掛け算によって、商品力というのは決定されます。
2.基礎価値について
まず、基礎価値について。
基礎価値というのは、その商品・サービスが持つ本質的・基本的な価値のことです。
どんな商品・サービスであれ、本来果たすべき役割を持っています。
例えば、小顔矯正サロンであれば、顔が歪んでいたり、顔が大きくて悩んでいる人を施術し、小顔に導けるかどうかが、基礎価値です。
ラーメン屋であれば、素人では作れないレベルの美味しいラーメンが作れるかどうかが、基礎価値です。
のことですね
これは製品にも当てはまって、例えば、スマートフォンであれば、電話ができるとか、インターネットを閲覧できるとか、アプリをダウンロードできて、使えるとか。
スマホなら持っていて当たり前の機能です。
当然ですが、まず、大前提として、この基礎価値が欠落している、商品・サービスを扱っている場合は、事業として致命的です。
例えば、Youtubeコンサルタントと名乗っていて
と言っておいて、実際そのコンサルタントは自分自身でYoutubeを運営した経験もなく、そもそもYoutubeに関する知識も素人と変わらないとすれば、これは基礎価値が低いという状態です。
基礎価値が低ければ、当然選ばれる可能性は低くなりますし、偶然に選ばれたとしても、継続されないため、この基礎価値はその道のプロとして、誰もが高めていくべきです。
ただ、重要なのは、この基礎価値を高めていくだけでは、今の時代、選ばれにくいということです。
というのも、今の時代、どんな業種業界も、この基礎価値のレベルが高いからです。
例えば、「小顔になりたい」という悩みがあったとして、その悩みを解決してくれる技術を持ち、実際に小顔にしてきたという実績を持つ小顔矯正サロンは、ネットで探せばいくらでも見つかります。
これはその市場に参入するプレイヤーが増え、業界全体の技術力が底上げされていけば、いずれ起こることです。
そんな時代に「小顔にする技術」だけを磨き続けても、競合サロンも同じように磨き続けているので、市場の中で埋もれてしまいます。
市場の中に埋もれてしまえば、選ばれないか、価格競争に巻き込まれてしまいます。
例えば、他にもホームページ制作の業界とかもそうです。
WEBデザインの技術を学べるスクールが乱立し、お手本となる素晴らしいホームページが世の中に溢れ出していった結果、業界全体の技術は底上げされました。
5年前・10年前に制作されたホームページと、今のホームページは明らかにデザインのレベルが違います。
ですが、その結果として起こったのが、価格競争です。
今や
というのは、どこもが当たり前にできるようになり、かつて簡単なデザインでも「100万円」もかかっていたホームページ制作は、今や「5万円以下」でも制作できるようになりました。
こういったことは今やどの業界でも起こっています。
だからこそ、考えないといけないのは、商品力のもう一つの要素「付加価値」です。
3.付加価値について
付加価値というのは、文字通り、基礎価値の上に付加される価値のことで、市場における「希少価値」を表す概念です。
基礎価値はどんな事業をやるにせよ、必要ですが、どんなプレイヤーでも持っているものなので、これだけでは市場の中では埋もれてしまいます。
だからこそ、必要なのは
を見つけて、形にしていく力です。
当然ですが、まだ誰も形にしていないものを形にしていけば、そこに希少価値が生まれるため、商品力はぐんと上がります。
少しイメージがつきにくいと思うので、まずは、具体的に付加価値が高い商品についての事例を1つ紹介します。
それが、福岡のいちご農園・楽農ファームたけしたという苺農家の方が販売されている「苺ケース」です。
大体、苺のケース・パックとなると、スーパーでは、安いもので300円から、高いもので700円ほどで販売されていると思います。
そんな苺が市場の多くを占める中、楽農ファームたけしたで出している「苺」は単価5000円で販売しています。
と思われる方もいるかもしれませんが、これが飛ぶように売れており、月に2000ケースも売れるのです。
月商で1000万円、年商で1億2000万円です。
これは苺農家として、本当に驚異的な数字です。
楽農ファームたけしたがある、福岡県の大川市では、1000平方メートルあたりの年間の収穫量は平均4500kgで、1kgあたりの平均単価は1400円程度なので、年間の売上は630万円が限度です。
ですが、そこからビニール代金、暖房の重油代、出荷資材代金、肥料代、農薬代、機械の購入代金、ハウスの設備投資をすると、年間300万円以上の経費がかかるので、手元に残るのは、200万円しかありません。
また、夫婦でやっても栽培できる最大は約2500平方メートルほどなので、どれだけ頑張っても、年間売上は1600万円ほどが限界だと言われています。
そんな業界で、1億2000万円の売上ですから、まさにスーパー苺農家です。
楽農ファームたけしたが、業界の常識を覆すような売上をあげることができているのは、単純に「苺」の商品単価が他の農家よりも高く、かつそれだけ高い価格でも欲しくなるほどの商品力があるからです。
楽農ファームたけしたは、元々はJAの苺部会に所属する、普通の苺農家でした。
JA苺部会は安定的な販売力を持っているので、所属していれば「売れるかどうか」という心配をする必要はありませんが、買取りの単価は一律でした。
たけしたさんは、当時4000平方メートルの土地で苺を育て、年商は2000万円でしたが、手元に残るお金は少なく、このままだと、3人の子どもたちの将来の学費が賄えないことに危機感を覚え、JA苺部会を抜け出し、独立した苺農家への道を歩み始めます。
というのも、JA苺部会に所属している限り、商品単価は一律なので、これ以上所得を増やすことはできないからです。
経費を増やさずに、同じ面積、設備で同じ労力で同じ出荷量で、単価だけを上げていく方法はないのか?
そんな問いを立てながら、たけしたさんは
ということで、SNSを始めます。
たけしたさんは、SNSで人生や生き方についての発信をしていく中で、さまざまな人の人生相談を受けるようになります。
そして、その相談の多くが、夫婦、親子、恋人、職場、友人など、身近な人間関係の悩みでした。
たけしたさんは、そんなお悩みを親身になって聞くうちに、相談者の根底には、
という気持ちがあることに気づきます。
そして、相手に喜んでもらうために、何よりもうってつけなのが「贈り物」です。
相手がより笑顔になるものは何か…そう考えているうちに竹下さんがイチゴ農家だったことを思い出して、
という依頼を受けるようになったそうです。
これは武下さんが「イチゴ送ったら喜ぶよ!」と誘導した訳ではなく、相談者の方から自発的に声がかかるようになったそうです。
SNSを通じて、何千・何百という人が人間関係を良くするためのギフトとして、苺を買ってくれるようになりました。
そんな延長線上に生まれたのが楽農ファームたけしたの「完熟あまおうプレミアムギフトシリーズ」です。
苺といえば、スーパーなどで自分用に買って、食べるというのが一般的ですが、恋人、友人、取引先、イベントなどのギフトで贈りましょうというのが、このシリーズのコンセプトです。
贈り物として届けるものなので、苺も「完熟あまおう」という特別仕様のものです。
通常、いちごは、流通や配送の問題から、完熟ではなく、早熟で出荷されます。
ですが、いちごが最も美味しいのは「完熟」の状態です。
たけしたさんは、10年間、この「完熟あまおう」を無事に届けるための流通や配送の仕組みを改善し続け、ついに完成させました。
具体的には、午前中の収穫分を18時までに発送して、鮮度の高さを保つという方法です。
なので、この苺というのは、市場においても希少価値が高いのです。
もらったら相手が絶対に喜ぶ、高級感のあるパッケージデザイン
送り手に対するメッセージを筆文字で代筆したカードを送付できるサービス
などもあり、貰えば、間違いなく喜ばれるギフト商品となっています。
これだけ商品力が高いものは、恐らくデパートでもほとんどありません。
これがまさに付加価値が高い商品です。
ポイントは「希少性」です。
相手が喜ぶ「贈り物」は誰もが求めていますが、「贈り物として送れる苺」というのは誰もまだ形にしていなかったのです。
だからこそ、楽農ファームたけしたの「完熟あまおう」は単価が相場より高くても、売れているのです。
では、この付加価値を高めるにはどうすればいいのか?
この辺りのことは、次回の記事で詳しく解説していきたいと思います。
最後に
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます。
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