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特許ってなんだろう

「この機能、特許出願できるんじゃないですか?」
ある日のミーティングで上司からこう言われた。
これまでの人生で特許の出願なんてしたことはないし、自分とは程遠い一部の天才向けの制度だと思っていた。

もちろん上司に言われたからといって「わかりました!今週中に出願します!」というわけにはいかない。
そう簡単に出せるものではないということくらいは知っている。
まずは特許ってなんなのか調べてみよう。

特許とは

特許(とっきょ、英: Patent)とは、法令の定める手続により、国が発明者またはその承継人に対し、特許権を付与する行政行為である。

特許-Wikipedia (https://ja.wikipedia.org/wiki/特許)

とのことだ。
ある発明をした人が、その発明を世の中に公開する代わりに一定期間その発明を独占できるということらしい。

例えば僕がどこでもドアみたいにどこにでも一瞬でテレポートできる技術を発明したとする。
歴史に残る大発明で、移動手段の新たなスタンダードになるかもしれない。
商品化すればとんでもなく莫大な利益になるだろうし、テレポート使用に関する法整備で国会が紛糾するかもしれない。

もちろんこの技術を公開してしまえば他社に真似されるかもしれないし、商品化して販売しても分解したりして構造を解析されてしまうかもしれない。
そこで僕がテレポート技術の特許を出願する。

すると、発明自体は公開されるが、この発明を利用できるのは僕だけになる。
どこでもドアを製造して販売できるのは僕だけになるし、もし他社が同じ技術を使った商品を販売していれば「僕の発明だぞ!!!」とブチギレて賠償を請求することもできる。
どうしても他社が僕の技術を使って商売をしたいとなった場合、ライセンス料を払えばこの技術を使わせてあげるよ、ということもできるみたいだ。

調べれば調べるほど、僕ごときが特許なんて出していいのか、という気になってくる。

どうやって出願するの?

特許を出願するにはいろいろやることがあるらしい。

先行技術の調査

当然、同じような特許がすでに出願されていたらアウトだ。
自分は二番煎じということになる。
まずは類似の特許がないか調査するところから始まる。

特許願の作成・提出

どうやら類似特許はなさそうだとなれば次に特許願を作成し、特許庁へ提出する。
発明者と出願人の情報、出願する技術に関する説明とかを書くみたいだ。
僕の場合は業務の中で発明した技術(職務発明というらしい)なので、発明人は僕で出願人は会社となる。
ちなみに特許願を出すだけで14,000円かかるらしい。

方式審査

出願書類が法律で定められた要件を満たすかチェックされ、不備があれば直せと言われるらしい。

出願審査請求

出願書類に不備がないと判断されれば、次に特許として認められるか審査してくれ〜!とお願いするターンに入る。
審査請求料として約14万円かかるようだ。たけぇ。

実体審査

いよいよ特許庁の審査官によって、出願した技術が特許に値するか審査が行われる。
具体的には以下の点を審査されるらしい。
・新規性:世の中にない発明であること
・進歩性:従来の技術から容易に思いつくものではないこと
新規性はともかく、進歩性って審査しづらそうだな……。

ちなみにここで拒否されることも当然ある。
その場合は出願書類を見直すか、諦めるか、「いやいやちょっと待て」と反論するか、いろいろあるらしい。

特許登録

実体審査が通れば、いよいよ特許として登録される。
登録料として3年分を一括で13,000円程度支払うらしい。

結論

特許出願って大変だなぁ。
今回発明した技術は、確かに面白い技術ではあると思うが、正直特許出願ほどのものなのか……と少し考えてしまう。
どんな技術なのかはあまりにも機密すぎるので当然ここには書かないが。

まあでもせっかく出させてくれるというなら出してみたいという気持ちはある。
もしかしたら来年くらいには僕の発明が本当に特許出願されて、「特許を出願する」という人生の実績を解除しているかもしれない。
人生のトロフィーコンプ勢として是非とも頑張ってみたい。


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