ひまそらあかねから逃れられない者がいる。俺である。

東京都知事選に立候補している、とある人物がいる。
ひまそらあかね氏である。

日本のオタク文化を攻撃する者への反撃として相手の腹を探るような陰湿な男である。

探り過ぎて何やらバカデカい公金の不正疑惑問題を見付けるに至ってしまった偏執的な男である。

そこからズルズルと国全体をも巻き込みかねない戦いに身を投じる羽目になってしまった当世随一の奇人である。

氏の都知事選立候補の理由・公約などは本人がnoteに纏めている。

ところでこのひまそらあかねという男、信用に足る人間であろうか。


この男、味方も多いが敵もアホほど多いのである。
なにも実際に裁判などで争っている相手だけではない。

VOICEROIDの琴葉茜を模したアバターを使用していてキャラクターのイメージを毀損しているのではないか。
著作権的にグレーなのではないか。
相手を糾弾する際の苛烈さ、執拗さ、粘着質。
すぐに汚い言葉で罵倒する言葉遣いの荒さ。
仲良さそうに話していたかと思えば次の瞬間には相手をブロックしているような猜疑心の強さ。
笑い方が邪悪。
料理の写真が無惨。
etc。

あらゆる「極端さ」によって彼のことを快く思わない人は少なくないのであろう。
実際に、俺のフォロワーにも氏を嫌っている、快く思っていない人はいる。
都知事選の選挙運動に眉を顰めている状況も何度か見掛けている。

だが、そんなフォロワーよりも俺の方がひまそらあかね氏に対して反感を抱いた数は多い自信がある。

そもそも作品に点数を付けてるのがうっすら嫌だ。
好きな作品をボロクソ言ってる時にはブン殴りたくなる。
ゴジラ-1.0の実況は奴の家に熱線でも飛んでいけば良いのにとすら思った。

他人に噛み付いてる様を見て「お前それは流石に穿ちすぎちゃうか!?」と何故こちらがハラハラしなければならんのだ。

言いたいことはいくらでも出てくるが、当たり障りの無い例だけにしておく。
ひまそらあかね氏と俺の間には絶対に相容れない価値観の相違が存在している。
そこには明確な地雷もあり、気軽に流せないものだってある。

それでも俺は、少なくともこの都知事選においては、ひまそらあかね氏を応援している
都民ではないため都知事選においては選挙権が無いのも口惜しく感じる程度には。

何故か。単純である。

「面白い」のだ。


性格に難があって?
一方でとんでもない能力と実績があって?
良識ある一般人からは眉を顰められて?
誰が相手でも病的なまでに軸がブレなくて?
限られたごく少数の仲間以外は信用せず?
弱者を食い物にする連中を相手に単独で立ち回り?
結果的に誰よりもそういう連中にダメージを与えている?

もしかして俺こういうキャラの出る作品見たことあったりする?
要素てんこ盛りで漫画やアニメのような癖の強すぎる存在が、現実の根深い問題に切り込む特異点となっているのである。

そんな特異点的存在が、この都知事選において俺達モブに助けを求めたのだ。

一人ではどうにもならないからと。
皆の投票と呼び掛けが必要なのだと。
ずっと一人で戦い続けてきた者が、である。

そしてその声に、彼が愛し守ろうとしている文化の世界から応援の声を上げるものが出てきたのだ。

「アンタにゃあ借りがある。ここで返さずして何が漢か」

そんなまるで漫画やアニメのような展開に、いちオタクの俺が喰らわない訳がなかった
男の子ってこういうの大好きなんでしょう? はい。

「ひまそらあかね」という存在が、関わる出来事が、その不愉快さも悪辣さも引っくるめて「なんて面白いキャラクターと展開だ」と俺のオタク琴線をビンビンに鳴り響かせているのだ。

どうしようもなく、俺はただのオタクである。
一度「面白い」と思ってしまったらもうおしまいである。
俺はもう「ひまそらあかね」というコンテンツから逃れられなくなってしまったのだ。

ちなみに、こんな異常個体だが、手放しで評価できる点もある。
口調は強く、決め付けてかかる節はあるが、ひまそらあかね氏は自身が間違っていると分かればレスバ中の相手だろうと即座に訂正して謝罪するのである。
謝ると死んじゃう病の罹患者が多いSNSにおいて、誠実な態度であると俺は思う。

後はシンプルに公約・政策に説得力がある
そしてこれまでのひまそらあかね氏の行動から、当選後に掲げた公約・政策は必ずやり通すだろうという信頼が支持の理由である。

ひまそらあかね氏に限っては「結局途中で日和っちゃうんでしょ?」ということが絶対に無いと断言できる
氏の執拗さはそれぐらい異常なのである。

まあ、なんだ。
自分にとって好きな所しか無い人間なんておらんのだ。
俺にとってはひまそらあかね氏の美点と汚点の合計がプラスに傾いた
長々と書いてしまったが、結局の所はそれだけの話である。
他の人にとってはマイナスに傾く結果でも、それは仕方あるまい。


さて、現在のひまそらあかね氏の選挙戦略は、連日の口コミによる自身への投票の呼びかけである。

氏はTwitter(現:X)やYouTubeにおいて大量のフォロワーがいる。
常時バズっていると言える。

だがそれが都知事選の行方を決める程の力にはならないことを知っているのだ。
所謂「誰……? その界隈では持ち上げられてるけど『その界隈』が狭すぎて世間に通用しない感じの人……?」状態だということを知っているのである。

更に言えば、ひまそらあかね氏はオールドメディアからはシカトを決め込まれている。
氏に関する殆どの事柄が報道されないのである。
都を相手に個人で国家賠償請求を起こして一審で勝訴した、などといううっかり歴史にでも残りそうな事案まで、である。

故に、ひまそらあかね氏は人間が生来持ち合わせている拡散能力に託したのだ。

「ひまそらあかねって知ってる?」
「なんか都知事選に面白い人が出てるらしいね」
「東京で税金の変な流れがあるらしいんだよね」

様々なフックから、ひまそらあかね氏という情報を現実で広めていく。
どんなにマスコミが黙殺しようと、人の口に戸は立てられないのである。

その作戦は実際に効果を上げている。
Twitter(現:X)では期日前投票でひまそらあかね氏に投票した旨の投稿なども目立つようになってきている。
前述のように、著名なクリエイターや経営者などからも応援の声が上がり、より拡散力は高まっている。

ついには、都知事選のニュースそのもの不自然な程に報道されなくなりつつある。
この記事を書いているのは投票の三日前であるにも関わらず、だ。
これは都知事選の特集を組もうとすればひまそらあかね氏の存在を報道しない訳にはいかない状況になっているからではないか、という推測も出ている。

もう一つ、ひまそらあかね氏は対立候補者の公選法違反疑惑発言・人柄に対する難点などをあげつらうことも頻繁に行っている。
これは相手を下げて自分を上げようとする手法として、オタク的には好ましくないやり口である。

だが、難しいことに、ひまそらあかね氏の場合はこれ自体が氏の能力と実績のアピールにもなっているのである。

前述の通り、ひまそらあかね氏は国や都の不正を暴く戦いをしてきた。
その中で遺憾なく発揮してきたのが調査能力プロファイリング能力である。

合法的に入手できる範囲での資料・情報を徹底的に精査し、不審な点を洗い出す。
調査対象のこれまでの言動や経歴などから、人物像と思考を分析する。

ひまそらあかね氏は、こういった作業の精度と練度が異様に高いのである。
当然、選挙における強力な対立候補者にもその能力は存分に振るわれ、結果として上述のやり口に繋がっているのだ。
なんと凶悪な能力だろうか。絶対お近付きになりたくない


応援の声が増え、事ここまで至っても、依然厳しい状況には変わりない。
中には、岩下の新生姜で有名な岩下食品の社長がひまそらあかね氏を応援したというだけで誹謗中傷不買運動などの攻撃を受けている。
それどころか、会社の製品を使用した飲食店まで攻撃の標的にされている。

だが、攻撃を受けた岩下食品の社長や、大阪 たこ焼きたこばの店主はそれに屈することなくひまそらあかね氏の支持を表明し続けている。
会社や店を背負いながらこの判断は、本当に覚悟が必要だっただろう。

一店舗といえど、たこ焼き店への攻撃は大阪の食文化への攻撃でもある。
しかも手前勝手な都合による攻撃だ。
正しくひまそらあかね氏が戦っている文化の敵だ。
大阪の人間としても、そんな連中がのさばるような国になってほしくはない。

ひまそらあかね氏が勝利する可能性は正しく奇跡の域であろう。
それでも氏は最後まで戦い抜くと宣言している。
ならば支持者が奇跡を諦める道理は無い

恥ずかしながら、自分には口コミで東京まで届かせられるような人脈はほぼ無い。
それでも、「もしかしたら東京の人と連絡を取ることがあるかも」程度でも、可能性のある相手には都知事選やひまそらあかね氏のことを伝えている。

この記事で投票してくれる人が増えるならありがたいが、正直難しい。
というか急に政治の話とかしちゃったしフォロワーからも引かれるだろう。
だが、今の状況で自分にできそうなことをやらずにはいられなかった。
結果がどう転ぶにせよ、この事態から目を逸らしていてはきっと後悔するだろうと、俺の頭の中にいる悪い虫が喚き立てるのだ。

これはもうひまそらあかね氏の魅力だか猛毒だかにあてられた自分が悪い
合わない人が無理に付き合う必要は無い。

民衆一人ひとりが決めるべきを決め、できることをやる。
それが民主主義の基本である。

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