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ナカさんの寄席日記 37 浅草演芸ホール7月下席夜席

元々のトリが柳家権太楼師匠でしたが代演で柳家小里ん師匠がお出になるというので浅草に出かけました。雨だし夜席だし代演だし、きっと空いているだろう。予想は当たってソーシャルディスタンス十分な客席でした。
私が大好きな噺家さんばっかりの顔付け!こんなこと滅多にない!

開口一番は元気の良い柳家り助さん。小里ん師匠の孫弟子です。はみ出るくらいの元気の良さです。このくらい粗削りな前座さんの方が期待できる。

こみち師匠の猿後家。女のしたたかさとかやっぱり巧い。女性の噺家さんがやる猿後家、いいかもしれないですね。

甚語楼師匠のお菊の皿。この師匠の軽妙さが好きです!
見た目もコロっとしてチャーミングだし、寄席の番組に甚語楼師匠入ってたらちょっと落ち着きますね。。。

雲助師匠の強情灸。完成度高すぎる。どこを切り取っても粋だし型が決まっている。もちろん面白い。雲助師匠の落語は絵画的でもあるかなと思う。

しん平師匠が珍しく(笑)落語。豆や、相変わらずの喧しさとテンションの高さ。それでも落語の世界が浮かんでくる不思議さ。

トリの小里ん師匠は「青菜」でした。小里ん師匠の青菜は絶品なのです。
「菜はお好きかな」「大嫌いだよ」という掛け合いの間が絶妙で大爆笑してしまった。。。お屋敷の主人がうちわで扇ぐ様子が何とも優雅で。
押入におし込められていた植木屋の女房が汗みどろになって転げ出してくる様も可笑しい。小里ん師匠の青菜は何度聞いても良いですな。(←師匠の口真似)

落語協会も若手真打がたくさんいても中々寄席の出番が増えないのがもどかしいですね。寄席と協会の関係もあるし難しい問題なのかもしれないけど。
私の場合、寄席でお見掛けして気になる噺家さんがいたら落語会にも行ってみようかなと思うので、寄席はいわばショーケースのような感じなのでもっと色々な若手真打を見てみたいです。たとえばトリに師匠がでるとお弟子さんも顔付けされますが、大所帯の一門だと数日しか出られないですしね。二つ目さんの方がむしろ連雀亭などもあるので拝見するチャンスは多いかもしれない。かといって寄席を増やせばいいという問題でも無いし。。

東京にとどまらず色々な土地に活躍の場を広げる噺家さんもいます。
二つ目なりたての橘家文太さんは活動拠点を北九州に移すことにしたそう。けっこうビックリしたけど、新幹線や飛行機なら東京なんてすぐだし、ネット配信もできるし、落語は座布団一枚でどこでもできますしね。

古今亭駿菊師匠は落語協会を離れフリーで活躍しているし、柳家東三楼師匠もアーティストVISAを取得し、ニューヨークへ移住し活動している。
もともと定席をもたない立川流の噺家、こしら師匠は日本のみならず世界を飛び回って活動していらっしゃるし。
落語を取り巻く環境もコロナをきっかけに変わっていくのかもしれません。

2020.7.25

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