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ナカさんの寄席日記 聖徳大学オープンアカデミー 雷門小助六

落語会ではありませんがちょっと変わった所で落語聴いてきました。
「SOA寄席~松戸出身の噺家による落語の楽しみ方~」という聖徳大学の公開講座です。松戸にある大学です。直前でしたがギリギリ申し込めました。

毎回テーマが決まっているようで今回は「原話は昔話・民話/『ぞろぞろ』ほか」。備考に「※千葉県をテーマとする講座です。」とありますが、講師の小助六師匠は千葉県松戸市出身ですからバッチリでしょう。

会場はビルの最上階でどうやらパーティーするような大広間、そうとうの間隔を開けて椅子を並べ、前方に講義台と高座がしつらえてありました。がしかし・・・ちょっと難ありで。飛沫防止対策が透明アクリルボードとかではなくビニールシート、しかも透明度が低く講師がよく見えない!さらにそのシートを前にしてマスクも付けて講義するようにとの事。それはさすがにやり過ぎではないかぇ~?!とも思うけど、大きな大学ですし感染者が出たりすると大変、念には念を入れての対策ということでしょうけど。。。ボンヤリシートの向こうにマスク+メガネの小助六師匠、「実は小助六によく似た別人かもしれません」とジョークが出るほど見ずらかったです。落語実演の時はマスクなしでしたが、今度は照明が反射して影が出来てしまい見づらい。せめてシートをクリアなものに交換して欲しいですし、シートあればマスクは不要ではないかと思う。。。聖徳大学さん、お願いしますm(__)m

前半30分で落語の解説。「ぞろぞろ」は天井から足がぞろぞろ出てくる昔話は各地にあって本所七不思議の「置行堀」とも通じるところがあるそう。また、ぞろぞろは元々上方の落語でお参りするのが赤手拭稲荷神社、東京に噺を移して、後に林家彦六師匠が浅草の太郎稲荷大明神としてやっていたそうです。もちろん「とあるところのお稲荷様」でやる人もいます。
お稲荷さんつながりで「紋三郎稲荷」。これは松戸が舞台の噺で、小助六さんも良く演じる噺。松戸の本陣と言うのはどこそこにあって、脇本陣は郵便局の・・・などと地理を説明すると、やはり地元の受講生が多いのか皆さんとても熱心に聞いていらっしゃいました。こういう雰囲気は寄席や落語会と違っていかにも「お勉強」だなぁといった感じ。メモとったり。私はつい公開講座ということを忘れて筆記用具も持たずに行ってしまった(笑)

ぞろぞろも紋三郎稲荷も短めの噺なのでもう一席やりましょう、ということで選んだのが「へっつい幽霊」。なぜかというと、封切られたばかりの映画「鬼滅の刃」の主人公が竈門炭治郎(かまどたんじろう)だったから。小助六師匠もさっそく見に行ってきたそう。へっついというのは昔のかまどですが、よく時代劇なんかで見る土間にドカっと据え付けてあるものと、移動出来るタイプのへっついもあったんだそうで、落語のへっついは後者の方ですね。いままでその辺が「??」って思ってたの。落語も古い言葉や昔の風俗を知らないで聴いても面白いけど、知っているともう少し楽しめますね。こういう講義も受けてみるといいかもしれません。

小助六師匠の入門の頃の話なども聴けました。17歳で入門というのは超早い!31歳で真打もスゴイ。いま38歳ですからあと30年以上は寄席のトリを取れる噺家として活躍できるわけです。明治大正の落語の知識も豊富、珍しい噺の掘り起こしなどもやられる学究肌の噺家さん。若いけれど落ち着いた雰囲気でスーツもスリーピースが良く似合い、着物も地味ながら粋な着こなし。知的な雰囲気がありますが決して気取ったところがない。「松戸の師匠」って呼ばれるんでしょうかね、小助六さん、年取ったら。
1時間半の高座、いや講義はとても有意義な時間でした。その時までに飛沫防止シート、マイナーチェンジされていますように・・・(祈)

2020.10.19
SOA寄席A~松戸出身の噺家による落語の楽しみ方~
雷門小助六
ぞろぞろ
紋三郎稲荷
へっつい幽霊

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