見出し画像

ナカさんの寄席日記 林家楽一 紙切りの世界

なんと寄席の芸「紙切り」をフューチャーした会が開催されるとのこと!こりゃ珍しい。林家楽一さん初の独演会なのかなぁ。素晴らしいです!楽一さんは私が寄席に通い始めたころに落語協会の準会員になって、それ以来ずっと応援しています。楽一さんが主役の会ならぜひ見ないと!横浜にぎわい座は二回目の訪問です。遠いようでいて乗り換えないから便は良いです。

のげシャーレ(にぎわい座の地下)にて客席数半分での開催。キャパの7割くらいは埋まってました。客席は都内の寄席とはちょっと違う雰囲気が漂っていました。地元感?楽一さんの出身地だからご贔屓さんが多いのかも。
まずは鋏試し。馬と鶴を切りました。切りながらのお喋りはいつもの寄席の定番に加えコロナがらみのトークもありました。紙切りはお客さんに切り抜いた紙を手渡ししますからねぇ。その辺りの苦心を面白可笑しく。

お客様のリクエストにお応えして、横綱、赤とんぼ、桃太郎、森のお月見、とここまでは順調に来ましたが、秋の七草!というリクエストが。
「えーっと、七草って七つ、何でしたっけねぇ。。。教えていただけますか?」お客さんがてんでバラバラに言う(笑)楽一さんが指を折り考えながら紙を切る。「えーっと、どんな形の花でしたっけ?」お客さんスマホでググる(笑)こんな感じの黄色いのー、と完全に客席フリーダム状態に(笑) かなりの時間を要しましたが、最終的にはとても素晴らしい作品が出来上がりました!!楽一さんのセンスとか、機転の利かせ方が素晴らしかったです!

ゲストに漫才の青空一風千風。千風さん、めちゃくちゃ痩せててビックリ!コロナ自粛期間中に痩せたんだそうです。もう今までのデブネタが出来ないじゃないですか(笑) なので芸風もちょっと変わったかなと思いました。落語の洒落番頭みたいなボケにツッコんでいく漫才で面白かったです。

投影機を使って「楽一 紙切りの世界」と題したスライドショー。
最初は初代林家正楽師匠の写真や作品、昔の寄席の楽屋の写真、天覧紙切りの写真が紹介されて、真面目に紙切りの歴史を紹介するのかなーと思いきや、途中からトンでもなく面白い展開になっていきました!今後のネタバレになるかもしれないので詳しくは書きませんが、楽一さんの内面にある毒気っぽさとかシニカルさ、訥々とした喋りと独特の間合い、楽一さんの笑いのセンス最高でした!普段の寄席だと15分しかないので限られたトークしか聴けないですが、今回は楽一さんトークを満喫できて楽しかったです!

紙切りのリクエストのお作法について。もちろん好きなもの注文しても良いんですよ。でも季節感や場の流れを感じてリクエストすると紙切り芸人喜びますよ、と。逆にこういうリクエスト来たら内心キレてます、と実例をあげながら説明(笑) 毎日寄席で色んなリクエストで紙切りしているのでエピソードには事欠きませんね。ほんと、面白いお客さんいるんだろうなー。

次に国語辞書をお客さんに渡して、パッと開いたページからパッと選んだ言葉で紙を切るコーナー。船員、猫かぶり、命の三題。見事に切り抜きました。楽一さん、最近切り抜くスピードがとても速くなりましたよね。今回は生のお囃子でなくCD音源を使用していたようですが、しょっぱな操作もたついてて音が鳴らないうちに最初の一枚切り終わってしまいました。そう考えると寄席の下座のお三味線はスゴイですよね、紙切りのお題に関連した曲をさっと弾いちゃうんだから。ライブの醍醐味ですね。

最後に紙切りワークショップ。半数くらいのお客さんが鋏と紙を持って紙切りにチャレンジ。で、楽一さんいきなり「馬を切ってください」。えー!下書きも見本もないのにどうやって??「好きなように切ればいいんですよー、首を長くすると馬っぽく見えますよ」「大きく鋏と紙を動かした方が上手く切れますよ」だいの大人が黙々と紙と鋏を動かします。「出来上がったら高く掲げてください」おー!上手な人がいる!、と思ったら、今日の公演のチラシを参考にして切ったそうです。頭良いわー。二枚目は自由題で。「出来上がったらコチラに渡してください」と楽一さんの光るパネルに入れてみんなで鑑賞。小学校の図画工作の授業のようでとても楽しかったです。

普段の物静かな楽一さんのイメージからどんな公演になるんだろうとドキドキしていましたが、あっという間の二時間爆笑しっぱなしでした!こんなに笑ったのコロナ自粛後初でした。涙出るほど笑いました~
これを機に都内でも楽一さんの会、定例でやって欲しいなぁ。師匠の正楽師匠はクリスマスに池独演会やっていらっしゃるので、そんな感じでぜひ。

2020.9.26

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?