見出し画像

ナカさんの寄席日記 聖徳大学オープンアカデミー 雷門小助六 ※2度目

先月に引き続き「SOA寄席B~松戸出身の噺家による落語の楽しみ方~」今月も受講してきました。初めて参加した10月の様子はこちらです。

今回は前回と教室の中の配置が換わっていました。かなりの改善です!
教室の拵えに難あり・・・と私のnoteでも書きましたが、小助六師匠も同じように思っていらっしゃったようで、前回講義の後に大学側に直接掛け合ってくださったとの事。飛沫防止シートは透明度低くて見づらいしこれじゃ生徒さんに申し訳ないですよね、と(笑) で今回は椅子の並びの向きを変え教壇・高座と受講生の間の距離を5メートル位とり、小助六師匠はマスクや飛沫シートなしでした。とても快適に受講出来ました!ありがとうございます。しかしコロナで大学の授業も本当に大変だ!

今回は「職業としての噺家のはじまり」について。江戸時代、元禄の頃に京・大坂・江戸とほぼ同時に三人の落語家が登場しました。京に露の五郎兵衛、大坂に米沢彦八、江戸に鹿野武左衛門。この三人が落語家の祖と言われています。京と大坂の落語は元々は大道芸、江戸はお座敷芸から始まっています。上方落語は路上の大道芸が発祥なので、道行く人の注目をひくため、机を前に置いて小拍子で音を出しながら語りました。その形は今でも引き継がれています。バンバンとバナナのたたき売りみたいですね。百面相のような物まねや「大坂俄(にわか)」と呼ばれるコントのような芸もやっていたそうです。それに対して江戸の落語はお座敷で文化人の趣味道楽の為に語った芸でした。のちに山生亭花楽(初代三笑亭可楽)が下谷神社に寄席を開きます。先日歌奴師匠の落語会を訪れた神社です。『ぴりりと可楽!』という小説、面白かったですよ、と小助六師匠から紹介がありました。後で読んでみよう。

休憩をはさみまして、落語まず一席目は「親子酒」。この噺はなんと初代露の五郎兵衛が作ったのだそう!!Wikipediaによると『原話は上方の初代露の五郎兵衛が宝永4年(1707年)に出版した笑話本「露休置土産」の一遍である「親子共に大上戸」。』300年前ですよ~昔から酒飲みは同じなのね(笑)江戸時代の人々も聴いていた噺が面白く感じるのって不思議な気分ですね~
小助六師匠は地方のお仕事に行くと、チェーン店などではない、小料理屋や居酒屋に独りでフラっと入ってお店の大将などに土地のお話を聴いたりお喋りしながらお酒飲むのが好きなんですって。渋いですね。若いのに落ち着いた雰囲気の小助六師匠。カウンターでお酒ちびりちびりやってる姿想像すると、カッコイイし粋ですね~。渋い色合いのお着物姿も三つ揃えスーツ姿もどちらも素敵な若き名人。親子酒のような軽い噺もお上手です。
それから先日北海道にお仕事で行った時に、ご当地名物「くま笹茶」を頂いた話も面白かったです、「名物に旨いものなし(笑)」と思ったけど、そのまま飲むより焼酎割にすると美味しかったそうです。旅のお話は面白い!

二席目は「御神酒徳利」お酒繋がりのネタでしょうか。元々は上方の噺ですが今はやる人がいなくて、桂文珍師匠くらいだそうです。ちょっと長めの噺なので東京の寄席ではトリでよく聴きます。
大坂に行くことになってしまった亭主、身ごもっている女房を気遣います。(あれっ?そんなくだり聴いたことないけど?)神奈川宿と大坂、そろばん占いも上手くいき無事に江戸に戻る亭主。帰ってくると赤ん坊が生まれています。そしてサゲが「おまえさんが算盤をもっていっちまったから安産(暗算)でやった」というセリフでした。これはっ!初めて聴きました!今まで聞いたサゲは「なあに、嬶大明神のお陰」でしたが、いろいろなバリエーションがあるのでしょうか。このサゲも面白いですね!小助六師匠の御神酒徳利はちょうど30分でしたが、長さを感じさせず無駄のない、朗らかで楽しい一席でした。小助六師匠はどんな噺でもそつなく巧いなーと感心します。

気に入って2回受講しましたが、なんとコロナの影響で一旦終了なのだそう。自宅から近いし午前中サクっと受講出来て良いな~と思ったのに残念です。来年五月頃から復活の予定、年末か年始にリモートでの講座も計画されているようです。聖徳大学のサイト、要チェックですね!
すごいのが聖徳大学関係者様限定サービスと言うのがあり、ダイエーなどの近隣のお店が学生証・会員証や職員証を提示すると割引になるという。超地域密着の大学なんですね!小助六師匠も住んでるし、松戸市良い街です。

2020.11.16
SOA寄席B~松戸出身の噺家による落語の楽しみ方~
雷門小助六
親子酒
御神酒徳利


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?