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ナカさんの寄席日記 第三十三回善立寺寄席

善立寺寄席。前回来たのは3年前。近くて遠い足立区梅田。日蓮宗の善立寺は東武線梅島駅から南へ徒歩20分位、荒川の土手のすぐ近くにあります。紙切りの初代林家正楽の菩提寺で10年以上続いている歴史ある落語会です。交通の便があまり良くないのですが、好きな噺家さんが出る時には足を運んでいます。今回も直前の小ゑん師匠のツイートで知って即電話予約しました。

まずは前座り助さんで寿限無。感心したのが「寿限無寿限無・・・」の言い立てがなんども続く後半、口元を手拭いで隠しながら演じていたこと。もちろん高座から客席までは十分に距離を保っていましたが、り助さんの気配りでしょうか、さすがスーパー前座だな!と思いました。落語もパンチが利いていて良かったです。我太楼師匠で「甲府ぃ」日蓮宗のお寺さんなので法華に因んだ噺で。とても良かったです!我太楼師匠というと色黒で大きなガタイ、ちょっと見コワイ職業の人みたいで落語も雑多なイメージあったのですが、とても優しく温かみの伝わってくる落語でした。我太楼師匠は善立寺と縁があるようでこの寄席には毎回レギュラー出演です。次も期待しよう!あずみさんで三味線漫談。ご年配多めのお客さん達に良く受けていました。
仲入りにお寺の広間でお茶とお菓子がいただけます。係の人がコロナ対策ちゃんとしていてくれてありがたいです。「しるこサンド」っていうお菓子が美味しかったです。親戚の家に遊びに行くと菓子盆の中に入っていそうな素朴なお菓子です。たまに食べると美味しいですね、あれ。甘じょっぱくて。

仲入り後は正楽師匠の紙切り。トークもいつもの寄席とはだいぶ違う感じです。紙切りもたくさん切ってくださっていました。初代の菩提寺ですから紙切りメインの会とも言えましょう。トリは小ゑん師匠。まさかの「ぐつぐる」でした!お席亭からのリクエストだったそうです。この日は初夏のような陽気で本堂は暑いくらいでしたが、そんな中でのぐつぐつ🍢いつもの寄席バージョンより具沢山で楽しかったです!ロールキャベツとか男爵いもとか初めて聴いたかも。ぐつぐつも夏のおでんバージョンとかやって欲しいですね。最近はトマト入れたりするお洒落おでんもあるようですよね。新作落語の名作「ぐつぐつ」は真夏を除けばいつでも出来るし入れる具によって長さも調節できて、寄席でも独演会でも重宝なネタですね!小ゑん師匠以外でもやる人増えているのできっと50年位したら古典化するのでしょう。

善立寺のご住職、新倉典生さんの本をご紹介します。
三代続く大名跡林家正楽の芸の100年が良く分かる素晴らしい本です。


2021/4/18 
第三十三回善立寺寄席
り助 寿限無
我太郎 甲府ぃ
あずみ 三味線漫談
 仲入り
正楽 紙切り
小ゑん ぐつぐつ


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