ビデオの中の彼女はカメラが宝物だと言った【エッセイ】
6歳、娘の宝物。
それはばあちゃんから貰ったお古のカメラだそうだ。今、ビデオの録画越しに娘の声を聞いている。
ビデオカメラを回しているのは妻だ。今日は幼稚園の参観の日だった。私は仕事で不参加であったので帰宅後こうしてゆっくりと動画を観させてもらっている。
みんなの前でしっかりと発表ができている娘の姿を見ると随分と成長したように感じる。
カメラの記録画像にはアジサイの花や、飛行機が写っていると言う。
そして、ビデオの中の6歳の娘は、、
「なかでもお気に入りはパパとママが二人で仲良く写ってる写真です。」
と、そう語っていた。
そうか、君の宝物の中にはパパとママが確かに写り込んでいるんだね。幼いながらに思い出がこうして大切なものとして重なっていっているのだと思うと急にしんみりした。
私は膝の上に座っている彼女をぎゅっと抱きしめ、そのふっくらとしたほっぺたに自分のガサガサした頬をくっつけた。
娘はくすぐったそうに「パパ、お酒くさい」と言った。
ふふ、今日は涙が出るほど酒がうまいよ。
ここのコメントを目にしてくれてるってことは最後まで読んでくれたってことですよね、きっと。 とっても嬉しいし ありがたいことだなー