途轍もなく大きくて美しいものが動いている【エッセイ】
最近は早寝早起きの生活だ。別に健康に気を遣っているわけではない。もっぱら4時頃に南の夜空を眺めるためだ。
この時期、夜明け前の星空はとても綺麗だ。空気が澄んでいるのもあるだろう。その時間帯にはもう南の空に高くオリオン座が昇っている。その足元には兎座もハッキリと見える。そして何よりそのオリオン座を追いかけるように小犬座のプロキオンと大犬座のシリウスが南東の空からグググッと上がってくるのだ。とにかく美しくて壮大だ。
この歳になって初めて実感したんだけど。夜空の星の動きはとても速い。若い時は星の動きは遅いと思っていた。でも観察するとよく分かる。彼らはめちゃくちゃ速い。
青白い光で一等明るく輝くシリウス。天狼とも呼ばれるその星が南東の空に見える頃、昴(プレアデス星団)がオリオン座を挟んで南西の空に見える。私が就寝する前までその昴は東の空に浮かんでいた。それがもう南西の空まで動いている。いつの間にそんなところまで移動したのかと驚く。
振り返り北の空を眺めると就寝前は北極星の東側にあったカシオペア座の位置に北斗七星が輝いていた。
途轍もなく大きくて美しいものが動いているのを感じ畏敬した。この驚きは夜空を観察した者に与えられるご褒美みたいなものと思えばいいのだろうか。
この歳になってバムとケロに出てくるカイちゃんの気持ちが分かるようになったよ。
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ここのコメントを目にしてくれてるってことは最後まで読んでくれたってことですよね、きっと。 とっても嬉しいし ありがたいことだなー