全ての迷える書き手へ
仰々しいタイトルだが軽い内容なので気軽に読んでくれればいいと思う。
いい文章って一体何だろうなとずっと考えていた。
それで最近ようやく分かってきたのはいい文章と分かりやすい文章というのはそもそも別個のもんだってこと。
見た目にも読みやすく、情報を簡潔に伝えてくれて心に刺さるテキストがいい文章だと思われがちだけど、たくさん本を読んだ人ならそれだけが全てじゃないことを知っている。
改行も ろくすっぽにしない膨大な文字列なのに読み始めたら止まらなくなる様な暴力的な文章だって世の中に存在するよね。
文豪と呼ばれる人達の作品だ。
よく発禁にならずに今まで残ったなと思われるきわどいものも多いが、それも含めて押し通してしまうバカげた神通力みたいなものを持っている。
そんな豪腕な文章もあれば一方で、もの静かでそんなに主義主張もなさそうで一見軽い感じなのにずっと心に残り続ける文章もある。これもいい文章だ。
◇◇◇
いい文章っていうのはどこか物語的なものだ。
読み手の心は文字の上を歩いてゆく内にちょっとずつ熱を帯びる。やがて読み終わる頃には見える景色が変わっていたりする。
そんな文章に出会えたならきっと幸せだと思うな。
見える景色が変わるからもう一度読み直すと、初めての一回目に比べて別の物語の様に感じたりもするから不思議だ。
そして不思議な事にいい文章ってのは何十年後かにまた巡ってくるんだ。同じ本を別の機会に偶然読み直すことになったり、生きてる内に「これってさーあの文章の通りだな」って頭ん中でふと浮かび上がることだってある。
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対して分かりやすい文章ってのはどこか即物的だ。
必要に駆られて探して見つかることや、たまたまブームに乗って流れてくる様な印象が強い。
それが駄目って訳じゃないけど、時代のニーズに合わせて盛り上がって数日のうちに消え去る泡みたいな存在だ。
それ自体はとても良い情報なんだけどね。
手離れのよい道具みたいなもんだ。
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いい文章ってのは必ずしも道徳的で清廉潔白という訳でもない。
むしろ どうしょうもなくクズであったりすることも多い。ヒトが持つ汚い側面をまざまざと描かれていたりするから気分が悪くなることだってある。
それでも消えてなくならない。
そんな一見クズの様ないい文章や本っていうのは、たとえ発禁になってもグーグルの検索ページから消えたとしても世の中からは消滅しないしぶとさがあるんだ。
誰かの家の本棚にずっと残っていたり、いつかその文章を読んだ人が誰かに語り継いだりする様なそんなしぶとさだ。
でも本当のしぶとさはそんなことじゃない。
不思議な話だが、その文章を読んでもいない人がいつか時代をこえて その文章とそっくり同じモノを描いてしまう、、そんなしぶとさだ。
ヒトが持つ本質的なクズさや、いびつな美しさが時と場所を越えて誰かに書かせるのかもしれない。
そんな文章はやっぱりいい文章だったりする。
文章に限らないな。絵画だとか全ての表現がそうかもしれない。
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ところで冒頭から"いい文章"という表現を使っているが、"良い"ではなく"いい"という平仮名を使用しているのは、クズ的な要素も含めていい文章というのが世の中に存在しているからである。
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今のところ私が書く文章には露骨なクズ的要素はあまり露出させていない。隠しているというよりも本格的に描く勇気や狂気的なものがまだないともいえる。
残念な話だ。
でもそういった隠したりだとか、書けない中に私の本質的な弱さがあったりするのだから、行間から滲み出てくるクズ的なものを良かったら感じ取ってほしい。
◇◇◇
さてでは、いい文章を書くためにはどうしたらいいのかという話なのだが、これはまだ答えは見つかっていない。だから書けない。
ただ一つ言えるのは冒頭で述べた通り、いい文章と分かりやすい文章は別個のものだってことを知っておくという事だと思う。
私は職業として物書きではないので偉そうな事は言えないが、仕事として書く場合 やはり分かりやすく簡潔に書くことが求められるのは確かだと思う。
でも読んでると見えちゃうんだ。「この人が書きたいのはこれじゃないんだろな」っていう悲哀的なものが、その簡潔で分かりやすい文章の合間からね。
「本当はもっと別のモノを書きたいんだろ?」って肩を叩きたくなってしまう。
だから分かりにくくても何でも、どこかで人に見せられないような醜さだったりクズさも描く必要があるのだと思う。
メモ帳の切れ端に書いてもいいと思う。
まずはそこから始まるのだと私は信じている。
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そしてもう一つの要素として いい先生や師という存在に出会うということが大きい要素であると思うので次回はそんなことをお話ししたいと思う。
またね
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ここのコメントを目にしてくれてるってことは最後まで読んでくれたってことですよね、きっと。 とっても嬉しいし ありがたいことだなー