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歓喜の白波、そして私達

勝った日の夜の我が家は、会話が多くなる。DAZNであれ現地であれ、大体は夫と一緒に試合を見ることが多いのだが、試合中はほとんど話さない(というか私が話しかけてもスルーされる)のに勝った試合の終了のホイッスルが鳴った瞬間に堰を切ったように会話が始まる。
昨日だったら『藤本はすごい』『タクミ、茶髪になったからどこにいるか分からなくなるね』『それはしょせも同じ』『やっぱりうちはサイドからのチャンスメイクが多いな』『藤本はすごい』『田中いいねえ』『五領よく走って偉いねえ』『チャーリーのゴールも近くなってきた』『やっぱり藤本はすごい』などの会話がなされていた(我が家がどれだけ藤本に信頼を寄せているかが分かる会話だな)

非常に失礼な言い方だと理解しつつ言うと、『ジェフには敵わないだろう』と思っていた。もう少し詳しく言えば、『この間のカップ戦は勝ったけどあれはカップ戦。リーグ戦は互いにメンバーを変えてくるだろうから勝てるかは分からない』と思っていた。
だってジェフはオリジナル10、昨シーズンのプレーオフ進出チーム、元日本代表も外国人選手も多く在籍している。何より資金力がある都会のクラブで、地方クラブである我々からすると『勝てる!』と確信できる要素はあまりにも少なかった。
実際、前半の15分はジェフの押せ押せな攻撃に圧倒されて『今日何点取られるんだろうか…』と気落ちしてしまったし、小森選手の1点目は鮮やか過ぎてちょっと心が折れた。というかジェフは当たり前に強かった、過去だったら通ってただろうパスやクロスにも絶対足が出てくるし、球際に強いし、めちゃくちゃシュート打ってくるし。

それでも、藤本選手の1点目から立て続けにぽんぽんぽーんと3点入って、気がつけば2点差で前半終了。ちなみに我が家では勝ってハーフタイムに入ると一時的に口数が多くなるが、あまりそういうことがないチームなのでそのようなケースは多くない。笑
個人的にはこんなに時間が過ぎるのが遅いゲームは初めてだった。後半が始まって時間を見るたびあと30分、あと25分、あと20分…『時計止まってない?』と言いたくなるのは、一刻も早く逃げ切りたいからだ。そしてそういう時は往々にして押し込まれるし、昨日も1点返されて空気が重くなった。
それでも、西堂選手のダメ押し恩返し弾で突き放して、そこからまたジリジリと時計とにらめっこしながらどうにか逃げ切り。スタジアムの『カンパーイ!』の声をBGMに聞くヒーローインタビューはいつもいつも最高だけど、昨日はホーム戦かつ逆転からの今期最高得点ということもあっていつにもまして最高だった。そして西堂選手J初ゴールおめでとう!!

勝った日の食卓はどこか声が弾むし、いつも以上に口数が多くなる。『負けたら"#鹿児島ユナイテッドFC"のタグも見ないしハイライトも公式のツイートも見たくないけど、今日は見ちゃうな』と夫が言っていて、まんま自分と同じで笑ってしまった。
サポーターなんて現金なもので、勝てば我が事のように喜ぶし負けたら『もっとできるだろ!』と大変さも知らずに言ってしまう。自分がやろうとしたら足の一本も出ないだろうにな!
それでも、やっぱり勝ちは嬉しい。選手がニコニコしているのも、サポーターが楽しそうにへべれけを歌っているのも、それに合わせてスタッフも肩を組んで飛び跳ねているのも、すべてが最高だと思える。『だから勝ってほしい』と言いたいわけではなくて、そんな最高の気分をくれるユナイテッドの選手たちに感謝と尊敬しかないし、さあ次も応援しよう!と思わせてくれる彼らを全力で応援したいと思うのだ。

さあ、次戦は中3日のアウェイ大分。こんな過密日程すらも、J2に上がったんだなあと実感できるのが嬉しい。

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