140文字ではなく1000文字で #3【高円寺にてライブ後】

高円寺の駅前で酒を飲んでいたら巨大な鼠が2匹走り抜けていった。それを囲むように鳩が群がっていて夜中でも鳩っているんだなって思った。

誰かが公園の外壁に沿って餌のようなものを撒いていたようだったから木の上から食事の為に降りてきたのかもしれない。

近くで若者たちが賑やかに酒を飲んでいた。
僕の頭は焼酎でぼんやりしていて。
既に少し頭も痛い。
時間は夜中の3時とかそこらだったと思う。
久しぶりに東京で演奏したんだ。

傍らには家から運んできたピアノが立てかけてあって。それはもう重たいものだから帰り道はタクシーに乗ろうと決めていた。

昔、この広場で友達とリレーをした事がある。
酒を飲んでから走るのが流行っていたのだ。
確か噴水のようなものがその頃にはあって。
そこを周回するように走り回った。
酒を飲んで走れば酔いも回るし
酷いことになったりもする。
それでも良かったし、それが良かった。

あの時、誰がいたっけな。と考えてみたら。
それはとても前の事のように思えた。

さっきまであんなに機敏に動いていた脳味噌は一時停止しているみたいで、頭の中にはずっしりと湿った綿のようなものが詰まっているみたいだ。それが血流を遅らせて鈍感になっているような気がする。それなのに、ぼんやりと始発を待つ事も出来ないような慌ただしい焦燥感は僕の背中を突っついて急かしているから、明日は特に予定がないから伊豆にだって、軽井沢にだって各駅停車に飛び乗ればいけるはずなのに、きっと昼過ぎまで眠って、それを取り戻すように夕方から日々を繰り返すように体は動き始めるのだろう。

もうすぐ夏が近いから、あと少しで空が白み始めるだろう。その時を待っている事は出来そうにないから最後に残ったジンソーダを飲み干す事は出来なかった。

昨夜、僕はピアノを弾いて、歌を歌った。

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