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ポケモンカードが高騰しているので私も波に乗る

究極的に無気力でうんともすんとも動かないカビゴンでさえ「なみのり」を覚える

どれだけ怠惰なデブでも時代の波に乗ることはできるんだぞ。


というわけで、

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持ってるポケカの値段を調べてみることにしました。

画像は子供の頃に持っていたすべてのカード入れ。この後デュエマで丸二日間遊べた。なんかラブライブ!っぽい絵柄が見えるけど気のせい。

一つ一つ箱を開けて懐かしんでいたら、こんなものをみつけた。

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神羅万象チョコのカードだ。(※今回やけに写真が暗いが直すのがめんどかったのでそのままにしてある。目には優しいのでOK)

しかもご丁寧に袋から出さずに置いてある。

この「雷迅剣リュウガ」、見るからにレアカードである。

それもそのはず、リュウガは神羅万象チョコ第二章の主人公である。そのリュウガに仕えていた守護獣「震電」と聖獣合身した姿が、「雷迅剣リュウガ」なのである。しらんけど。

これを引き当てた小学生のくまもり少年。どうやら子供心にもコレクター魂があったようで、このカードを袋から出さずに保管することを決めたようだ。「寝かせておけば金になるんじゃないか?」と。

くまもり少年は、今日という日を15年前から見据えていたのだ。ありがとう、くまもり。お前の魂、俺が継承するぜ!うおおおおおおおおおおおおおおお


駿河屋で見たら買取10円だった。悲しい。


今回の記事では以降駿河屋の買取価格を参照して進めていく。ちなみに駿河屋で商品を頼むときは冗談抜きで一ヶ月後に届くと考えておいた方がいい。

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というわけでポケモンカードを引っ張り出してきました。

保存状態も思ったよりはいい(あまり遊んでないから)。

適当に買って適当に入れてたこの箱がまさか宝箱になりうるなんて思わなかったよなあ。

くまもりの小学生時代はデュエマ・遊戯王・ポケカの3大カードゲームをどいつも持っていた。でもポケモンカードはルールがちょっとだけ複雑で、しかもダメカンをはじめ持っていくものが多く外で遊ぶには適さなかったため、デュエマ7:遊戯王3くらいの割合で遊んでいた。友達とポケカで対戦した記憶が無いのだ。

しかし最近ポケカはとにかくプロモーションを頑張り、再びカードゲーム界のトップに躍り出た。その矢先の「コレクターズアイテム」化である。

初代ポケモン世代が続々とコレクターになったことで、初期版リザードンを皮切りにポケモンカード全体が高騰していったらしい。しらんけど。

私の持っているポケカは所詮10年前程度のものではあるが、それなりに価値のあるものも混じっていると思うので、大きな期待が持てそうだ。

まず一枚目は適当に目に付いたこれ。

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とりあえずピカチュウなら人気がありそうだ。

右下の番号は「113/DP-P」。

品番で調べてみると、これは「ポケットモンスタープラチナ」の発売記念で各店舗で行われたクイズラリーの参加賞として配られたものらしい。
プラチナは殿堂入りまで進めなかったということだけは覚えている。たぶんどうぶつの森にハマってた。

というわけでこのピカチュウの買取価格を駿河屋で調べてみる。


1400円


!?!?!?!?!?

マジで!?適当に手に取ったこれが!?!?!?

これは……本当にこの手持ちのポケカだけで年収稼げるかもしれん

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とりあえず遊☆戯☆王のファイルに入れておくことにした。


続いてはこちら。

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ポケモナー入門編ともいわれるサーナイト。サーナイトは人だろ(ポケモナー過激派)

たぶんこれが収録されているパックのCMでも映っていたはずのレアカード。いくらか弾むことが期待されるが……。








400円






さっきのピカチュウがこのパックで一番強いカードの3.5倍の価値!?

やっぱ……プロモの希少性ってあるんだな。

それもそのはず、需要と供給は商品の総量で決まる。パックを買っていけばいつか出るカードと違い、プロモカードはある特定の期間・場所でしか手に入らないので、流通量は少なくなるのが当然だ。あのピカチュウが高騰しているのも、プラチナのクイズラリーというマイナーイベントが他のイベントの参加者に比べ少なかったからであろう。

というわけで、先にプロモ以外のカードの値段を調べてみることにした。

100円以上の値を付けたのは以下の通りだ。

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ミロカロス高っ。どうした。調べてもなんも分からんかった。どうした?あとやっぱピカチュウは高い。


さあ、ここからだ。

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プロモカード28枚。これらのカードの値段を調べていく。

特に下段右から6枚は、愛知万博の会場に設営されたポケモン遊園地「ポケパーク」で配布されたプロモカードだ。全国配布でないだけに期待が高まる。

さあこちらのプロモカードの内100円以上の値が付いたカードは……!?


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意図せず一番最初に調べたピカチュウだけが群を抜いて一番高価という記事として一番最悪な形になってしまった。

ただポケパークカードが6枚で1600円というそれなりに見られる買取価格だったのが救いだ。いや想い出に価値を付けるな。


というわけで。

今回ファイルに入れたカードの(保存状態を考慮しない)合計金額は……

7150円


全然だった。


普通に働けばすぐ手に入るよ、こんなん。ていうか、職探せってな。内定無いんだから、さっさと定職見つけろや、ってな。

ポケモンに夢見てんじゃねえよって。お前株式会社ポケモン一次面接で落ちてんじゃねえかと。「ポケモンという存在を人々にとってもっと身近にしたい、まさにポケモントレーナーのような仕事をしたい」っつって滑って落ちた人間が何を言っても無駄だ。「ポケモンブリーダー」って言ってたら通ったかな?



カードはすべて見終わった。

だが、ポケカアイテムがまだ一つだけある。

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ポケモンカードゲームDP エントリーパック’08DX」だ。

商品名通り2008年に発売された、ダイヤモンド・パール御三家+ライチュウのハーフデッキ4種類とアクリルのダメカン30個にコインにプレイマット、おまけに遊び方を記載した「はじめてブック」まで入った、まさにエントリーパックの決定版である。

しかし、私はこれを……

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一度も開けなかったのだ。

マジで新品同様である。


これは、今は亡き祖母が、私の少し早い誕生日プレゼントに買ってくれたものだった。

祖母の住む実家に帰るや否や、DSでダイパをやり込み、食卓ではアニメのポケモンを叫びながら見、まさにいつでもどこでも生活がポケモン一色だった少年。そんな私に祖母が選んでくれた、たしか最後のプレゼントだった。

翌年の夏に祖母が亡くなった。
病院の一室で息を無くして眠る祖母に対して、泣きじゃくる私はもう何を言おうが手遅れだった。思えばあのプレゼントを貰った時に「ありがとう」と言った記憶もない。

開けなかった理由の第一は「もうやってなかったから」である。
冒頭に示した通り、そもそもポケカを友人とプレイしたためしはなく、自分が持っていたカードは既にただ持て余しているだけに過ぎなかった。「コレクター魂」はその理由の次に出てきたもので、もしそのエントリーパックが自分に必要なら、当然コレクションする気など起きるはずもなく、クリスマスの赤い包み紙をビリビリに破くように、すぐさま4種のデッキを開け、試し、混ぜ、小学生の頭で自分だけのデッキを作り上げていたことだろう。でも、そのデッキを作る理由が無かった。

葬式の最中、「いつ終わるんだ」という自問自答をただ繰り返していた私は、最後の贈り物に一切手を付けないということの罪の重さにさえ気付いていなかった。
いや、気付いていた。気付かないフリをしていた。子供特有の無知と純粋な悪意を貫いていた。それが「子供特有」であることを自ら理解して、使っていた。私は自分に、そしてそんな自分を見る他者に、子供騙しの嘘をついていた。

祖母のことは嫌いではない。は、嫌いなはずがない、自分に「愛」以外の感情を見せなかった祖母のことを、大好き以外の感情で表せるものか。

そもそも実家に帰ることを面倒臭いと思っている反抗期くさい自分のことが本当は嫌いだった。反抗期をするのは気持ちが良かった。自分を中心に世界が回っていた。だけどその世界は常に満ち足りたものではなく、自分の視界の外で常に何かが欠けているということにはまさしく気付いていなかった。

家にいるときと比べてやることが段違いに少ないなら、その空いた時間を祖母とのおしゃべりに費やすべきだった。祖母はまだまだ自分に言い足りないことがあって、それを心の内に残したまま逝ったのだ。博士が一度しか言わない大事なセリフを見逃した、だから最後のセーブポイントからやり直そう、そんな世界に私は生きていない。私はダイヤモンド・パールの世界のトレーナーではないのだから。

「人は10歳になるとポケモントレーナーとして旅立つことが許される」らしい。2008年、9月に誕生日を迎えた私は10歳だった。私はその誕生日プレゼントをゲットし、ポケモントレーナーになれるはずだったのだ。

アニメの中で同年齢のサトシが勇敢で誠実で責任ある行動をいくつも見せていた、その時々に私は何を考えていたのだろう。サトシは多くの人とポケモンを救った。私は、死にゆく人の手すら、握れなかった……。


今更ながら後悔が募る。

今、聞きたいことがたくさんある。
ねえ、おばあちゃん、僕どうやったら内定獲れるのかな……なんてキャリアセンターに聞けよ、と思われるかもしれないが、祖母は、母の次に、私のことを私より知っている人だったんだよ。

祖母はきっとこう言うだろう。言うだろうって、決めつけは良くないけど。

自分のやりたいと思うことをやるんだよ

そう思っていたから、ポケモン一筋だった自分に、ポケモンカードの豪華セットを与えてくれたのだ。

生前言葉にしなかったけれど、祖母がずっと自分に伝えたかったこと。

きっと、その言葉の本当の意味を理解できる歳になってから、話したかったんだろうなあ。

私は、私の想い出の中から生起した祖母の言葉を聞く。


ねえ、おばあちゃん。僕、今、やりたいことがあるんだよ。

それはね、



ポケモンカードのブームが収まらないうちに売り抜くことだ。

「想い出に価値を付けるな」。

さっき自分がいった言葉だ。

でも、


〔ポケモンカードゲームDP エントリーパック’08DX 買取価格〕 [検索]

駿河屋覗いちゃおっかな~……

ね、念のため、

念のため……

チラッ


550円


ミロカロス以下だった。


この箱は売らないと固く心に決めた。高騰しても売らない。

だって、自分にとって本当の宝箱とは、大切な人から手渡しでもらったこの、ポケモンカードゲームDP エントリーパック’08DXなのだから。


説得力がないよ。



結局ポケカも、もうちょっと寝かせておくことにしました。1枚目のピカチュウを見て「これ何万いくかな!?」と考えていた自分が恥ずかしい。
所詮10年前のカードなんてこんなもんなんです。

でも、それって……もう10年寝かせておけば「20年前のカード」になるってコト!?

ただ、これほどのブームが今後来るかも分からないし、なにより今ポケモンカードはカードゲームとしても世界的に注目が高まっているので、皆さんも家にねむり状態にあるポケカがあれば、一度引っ張り出してみてはいかがだろうか。

そうそう、何もかも、「気付いた時にはもう遅いことがある」ということは、決して忘れないでほしい。




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今度はポケモンシールが高騰するまで待とうかな。


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ほっそ。



本日のオススメ

前回東京駅行った時に売ってました。kawaii。

京葉線から歩いてきて1階上がったところ歩いて左曲がったNewDaysあるところに常時販売スポットができたらしいですよ。

今お読みいただいた文章にもれなく「価値」が付与されます