内緒の関係 ひとみ奥様のストーリー⑪
「また会いに来てくれたんですね!」
再びの夜10時、前と同じ駅。
白いタートルネックのセーターを着たヒトミさんと、再開していた。
嬉しそうに、ヒトミさんが腕に絡みついてきた。実に大胆極まりない。
その素直さに頬が緩む。かわいい子にこう出られて、悪い気がする男はいない。
「日記、読んでくれたんですよね?」
「ああ、読んだよ。俺も笑った」
「やっぱりー!」
夜の街を歩きながら、笑っていた。
「コースを店員さんから聞いて、笑っちゃいました~。
まさか、本当に合わせてくれるなんてねえ」
もちろん俺は、「お姉さんのS責め」コースを予約している。
あの、前回の終了間際に見せた魔性を、もっと味わいたくなったのだ。
「今日は……頑張っちゃいますよ!
前回、だいぶイジメられちゃいましたしねぇ」
そう言っている彼女の瞳は輝いている。
「ははっ、よろしくね」
やる気満々な彼女に手を引かれて、ホテルへ赴く。
今日は攻守を変えつつ、熱い夜になりそうな気配だった。
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