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かまいたち漫才「ボウリング」バージョン!!

濱:「人に自慢できる事ってあったほうがいいなと思うんですけどね」

山:自慢できる事?

濱:「ええ、なんかあったりする?」

山:まあ、1つはありますよ

濱:「ありますか、何が自慢なん?」

山:ぼく、ボウリング一度もやったことない

濱:「いやなんにも自慢になってない」

濱:「ボウリングやったことないことが自慢?なんなんそれ」

山:いやオマエ、ボウリングやったことあるやろ?

濱:「もちろんありますよ」

山:みんな1回はボウリングやったことあるんやから

濱:「そりゃそうですよ、ねえ」

山:でもオレは学生時代、友達と行った事ないし、会社の飲み会の二次会のボウリングもぜんぶすり抜けて、
生まれてから37年間、1回もやった事ない

濱:「沸いてへんねん、沸いてへんのよさっきから」

山:すごない?

濱:「37年間1回も見たことない?オマエ39やないかい、なんの2年やねん」

濱:「やってないことなんて自慢にならへん、やってた方がいいんすよ、ねえ」

山:ほなオマエどういうんが自慢やと思てんの?

濱:「いやたとえば、オンリーワン的なことね。人ができないこと、「ボク手品得意なんですけど」そういうのが自慢ていうねん」

山:ほな、オマエのほうが自慢になってへんで。

濱:「いやなってますよねえ」

山:手品うまい人なんて他にもいっぱいおるし

濱:「いや、少ないやん」

山:でも今からでもみんなががんばったらオマエに追いつく可能性あるやん

濱:「いや、難しいんですよ」

山:ほなもうオンリーワンちゃうやん、

濱:「いや、」

山:その点!その点な!

濱:「なんやねん」

山:オレの「ボウリングやった事ない」は、もう今からじゃどうにもなれへんねん、わかる?

濱:「わかるよ」

山:もう、投げちゃってるんよ

濱:「投げちゃってるけどなんやねんとしか思わへんけどな」

山:だからみんなががんばってこれから「ボウリングいかんとこう」としても、意味がないわけ。だって、投げちゃってるから

濱:「おいやめろそれ、小馬鹿にしたような感じのヤツ」

山:みんながオレの自慢に追いつく方法がもうないやろ?
じゃあ追いつける?追いつける?追いついてみてよ?
追いつかれへんやろ、なんで追いつかれへんか教えたろうか?
それはオレが時間という壁に守られちゃっているから。

濱:「うるさいよオマエ」

山:もう守られちゃったんですよ

濱:「守られちゃってるし、もう目がキマッちゃってるやん」

山:もうワタシとアナタがたとは、立ち場が違うんです。
やってないって事は、これからやる事もないできるし、やらないって事もできるんです。ワタシにだけ、選ぶ権利が与えられているんです。

濱:「宗教っぽいのよ。宗教っぽいのよ何か」

山:選ぶ権利っていうのは、わかりやすくいうと、自分だけジャンケンで2回出せるようなもんやん

濱:「わからへんけど」

山:じゃあやってみて、やってみて
ジャンケンほい、ほい!

濱:「負けてるやん」

山:この権利は、ワタシにしかないんです!

濱:「いやいや、みんな手品のほうがスゴイ思てんのよ」

山:いや、オマエの自慢は道具に頼ってんのよ。
自慢する時にトランプいるやん、コインいるやん、モノが。

濱:「そりゃ手品やもんね、」

山:いや、その点!その点!

濱:「なんやねん」

山:オレの「ボウリングやった事ない」は、ピンすらいらんのよ

山:ピンにも頼ってないのよ、な?

濱:「ボウリングなんて絶対やった方がいいしね!」

山:いや、ボウリングなんて、絶対やってた方がエエねん!

濱:「どないやねん」「やれをほんなら」

山:だからみんなやってんねん、それをオレがやってへんねん

山:見ろよ!

山:ふつう、やらなアキマヘンヤン

濱:「すごい関西弁しゃべってる」

山:それをやってないから自慢にナリマンネン

濱:「出身島根やのに」

山:すごいでっしゃろー

濱:「やってないのが自慢になるんやな?」

濱:「オマエじゃあビリヤードやった事ある?」

山:ビリヤードやったよ

濱:「オレやった事ないねん、じゃあこれ自慢やな?」

山:でもスゴさが違うから

濱:「何が違うねん」

山:室内競技やったら何でもええわけちゃうやん

濱:「ビリヤードだって奥深くて楽しいですよねえ」

山:オマエ、ビリヤードやった事ないやん、じゃあ何をもって奥深くて楽しいってゆったの?

濱:「たしかにね」

山:こっちはビリヤードをちゃんとやった上で、ボウリングのほうがスゴイってゆってんねん。

濱:「オマエ、ボウリングやってないやないか」

山:たしかにたしかに

2人:でも聞いて!聞け!

山:老若男女が!楽しめるという点において!ボウリングのほうが他の室内競技より!オリジナリティがある

濱:「どこで息吸うてんねん!」

山:そうやろ?

濱:「そうやろちゃうねん、聞け、聞け、」

山:だから!朝から晩まで!お客さんいっぱいいてて!誰もいてない(スゥー)、ことがない

濱:「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬよそんなとこで息吸うたら」

濱:「じゃあオマエ、ほかにボウリングやった事ない人おったら自慢にならへんな?」

濱:「聞いていいですか、お客さんの中で、人生で1回もボウリングやったことないという人、正直に手を挙げてください、正直に!」

濱:「1、2、3、4、5、6、…めっちゃおるやん」

山:…………ボクね、「ダーツ」もやった事ないんです。

濱:「もうええわ!」

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