散歩をしていたら
後ろから50代くらいの女性が自分を追い越して歩いていった。
手に紐を持っており、紐の先にはピンク色をしたボウリングの球のようなものがくっついていたので、一瞬、ボウリングの球を犬と思い込んでいる人かなと思った。
しかし、女性は球に引っ張られるようにして歩いており、急に街路樹の根元のところで止まったりしている様子から、球を散歩させているようだった。
さっき抜かれたものの、そのうちまたこちらが追いついてしまったので、ペットロボットですかと話しかけると、怪訝そうな顔で「犬ですけど」と返されたので、気分を害されましたかと詫びると、「珍しいでしょ。全然ほえないし、いい子なのよ」と笑顔になったのでほっとした。
話しながら観察したところ球(犬)は地面から10センチほど浮いており、ムーという低い電子音を発していた。