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「自分でも読める!」という達成感が味わいやすくなる、早期リテラシー期の子どものためのオンライン読み物リソース

先日、ある学会に参加した際に、日本語の早期リテラシー期の子ども向けのオンライン読み物リソースが紹介されていました。

その中でも特に、ひらがなを学び始めたお子さんがいる家庭で役に立ちそうだと思ったのが、この無料のオンラインリソース、1) Hiragana mini booksです!下のJapan Foundation, Sydneyのサイトから無料でプリントアウトしたり、デジタルで読んだりできます。

このHiragana mini booksでは、ひらがなの数と種類がコントロールされて、段階的に導入されており、かつストーリーの中で何度も同じ字が繰り返し表れるため、定着を促すようデザインされています。また、かわいい絵柄と内容がマッチしており、ひらがなを習い始めた子ども達にとっても「自分でも読める!」という達成感が味わいやすくなっています。

早速我が家の5歳児と、家庭用プリンターで印刷し、本を作るところから一緒に始めてみました。折ってハサミで切り込みを入れるだけと、作り方はごく簡単でした。いわゆる「お勉強」が好きではなく、フラッシュカードやプリントなどを使ったひらがな学習には幾度となく拒否反応を示していた次男ですが、Hiragana mini booksは短く、可愛く、簡単といった点が気に入ったようで、初日に、一気に5冊読み進むことができました。

なお、声に出して見本を示す時は、文字を一つずつ指差しながら(または子どもに指差しさせながら)、聞いている音と見ている字形をマッチさせると効果的かと思います。(日本語の一拍と英語の音節は違うため、明示的に教えた方がいい場合があります。例えば「ん」が一拍というのは我が家の子ども達にとっては衝撃だったようです!)

嬉しいことに、同じJapan foundationのサイト内にカタカナ版もあります!

我が家ではまだ試していませんが、ひらがな、カタカナ(+拗音、促音)が読めるようになれば、いずれ以下の2)、そして3)に進められればと思っています。

2)日本語レベル別読み物(早期リテラシー期)のコレクションのサイト

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のダグラス先生が手がけられたプロジェクト。目的は、初めて読みを学ぶ子供たち向けの早期リテラシー期の日本語の読み物を作成することで、現在、レベルAからJまでの10レベル、各レベル約10冊ずつアップロードされているとのことです。
https://sites.google.com/view/j-readers/home


3) 日本語学習者用の多読教材(段階的読み物教材)
https://tadoku.org/japanese/free-books/#l3
https://yomujp.com/
https://tadoku.info/stories/chottostories/

*注意:上の(3)のサイトは必ずしも子ども向けに特化したものでないため、内容は事前に各家庭でチェックしてください

上の2)や3)のような「段階的読み物」は、アメリカの学校で英語の読みを習う際にも使われているのですが、読み物の中で使用されている単語や文章の難しさが意図的にコントロールされており、また挿絵が文章の内容と合うように作られているため、子どもたちが初めて本を自分で読み始める時にも、圧倒されることなく達成感を持って進められるようになっています。

近年、日本語を外国語として学ぶ大学生の学習者にも3)のような段階的読み物を使っているのですが、学生からは読むスピードが速くなった、読むのが楽しくなったと概ね好評です。このような学習者は、段階的読み物で読む習慣と練習を積んだ後、やがては自分の興味に合った漫画や小説、ウェブ記事などを読むようになっていきます。

ご参考になれば、幸いです!


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