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貴族、ラブ、ヒッピーの果てに。




最近なんだか、お店でアクセサリーを見ているお客さんが多い気がします。


毎年決まってこのくらいの "春なの?梅雨なの?夏なの?くらいのシーズン" になると
お洋服の動きが少し鈍くなってアクセサリーや靴などの小物類が動き始めたりします。

CASIOのシルバーウォッチなんかも、もっぱら人気。



IORIのアクセサリーの展開ですが
数年前からメキシコのハンドメイドジュエリーである
XOLO JEWELRY(ショロジュエリー)をメインに扱っています。


わたしが働き始めた当初は新品のアクセサリーは扱っておらず、
vintageのシルバーアクセサリーをメインに展開していた記憶があります。



なぜXOLO JEWELRYを扱い始めたかというと、
本当に全然vintageのシルバーアクセサリーが見つからないんです。


もちろん、魅力を感じたからこそオーダーしているので
vintageの代用品としてXOLOを置いてるわけではありません。

それでもごく稀にvintageのシルバーが入荷すると、やっぱり心躍ります。



今回ご紹介するのは、
そんな希少で心踊るvintage silver cutlery spoon ring




こちらは50~100年前の銀食器を加工したリングです。
年代で言うと1900年代の前半〜1970年代くらいまで。ゴリゴリのvintage。


アメリカのアーティストがひとつひとつ、手作業でアクセサリーに加工しています。



サイズは、デザインや個体によってそれぞれ異なるのもご愛嬌。

今回は勝手ながら13〜17号(わたしの人差し指サイズ)でチョイスしているので
これよりも大きなサイズをご希望の方はDMからお問い合わせください。





銀食器というと、発祥はヨーロッパ。

貴族が使っていたということもあり
どうしてもそちらのイメージが強いですが

今回入荷したものはそこから派生したアメリカの老舗メーカーの銀食器をベースにしたものです。


貴族が生んだアフターヌーンティーの文化の延長線で
長い間愛され、受け継がれてきたアンティークシルバー。

アフターヌーンティーを境に、それまでよりもより美しく華やかな魅せるためのデザインが主流になったとか。

そこから、婚約指輪を買えない貧しい男性が富裕層の自宅からシルバースプーンを盗み出し
アクセサリーとして加工してプロポーズをしたのがスプーンリングの発祥と言われています。

これだけ見るとおとぎ話のラブストーリーみたいでドキドキしちゃいますが
実際自分の家のお気に入りシルバーカトラリー盗まれると思うとたまったもんじゃないです、、、





時は流れて1960年代。
時代的にはちょうど、今回のスプーンリングが作られていた頃。

アメリカではヒッピー文化が誕生します。
(わたしなんかが説明するよりWikipediaのほうがよっぽど分かりやすいのでリンク貼ってます)


既製品よりも、手作りのリメイクを好んだヒッピーは
身近なスプーンをリングに作り替え、身につけました。


その後もスプーンリングをはじめとするシルバーカトラリーを用いたアクセサリーは
世界的に愛され、デザインとして引き継がれてくことに。


マルジェラやティファニーでも、
スプーンやフォークをデザインとして落とし込んだシルバーアクセサリーが出ています。




気になる素材は925silver、もしくは純銀のメッキ(silver plate)です。


素材表記がないものもあるため断定はできませんが、
純度の高いシルバーが使用されていることは確かです。

高級感のある彫刻と、重圧なボディの存在感はやはりvintageならでは。

特にくすみなんかは、こんなにかっこよく出てこないです。

あ、もちろん磨けばピカピカにすることもできますよ!





前置きが長くなりましたが、今回のラインナップはこちら。

❶"1847 ROGERS BROS" vintage silver cutlery spoon ring.

❷ "WM Joseph ROGERS & SON" vintage silver cutlery spoon ring.




❸ "WM Joseph ROGERS & SON" vintage silver cutlery spoon ring.




❹ ”COMMUNITY PLATE” vintage silver cutlery spoon ring.


長くなるので軽くですが、各リングについて。


❶"1847 ROGERS BROS" vintage silver cutlery spoon ring.
❷ ❸  "WM Joseph ROGERS & SON" vintage silver cutlery spoon ring.

どちらもROGERS(ロジャース)社というイギリス発祥の老舗メーカーが関わっているブランドのもの。

ROGERS社は数あるカトラリーブランドの中でも代表的なブランドです。

1821年には銀細工の素晴らしさから、英国王室の公式カトラリーにも選ばれたほど。

花模様の彫刻は美しく、目を惹きます。


❹ ”COMMUNITY PLATE” vintage silver cutlery spoon ring.

”COMMUNITY PLATE”(コミュニティプレート)とは1899年〜
オナイダコミュニティ社で生み出された銀メッキのこと。

オナイダ社もまた、ロジャース社同様に銀食器の主要メーカーのひとつです。

4点の中だと唯一重めのくすみが見られる個体。

くすみといったらくすみなんですが、これが結構可愛くて。

そのままつけるだけで辛めの手元に仕上がるので、ぜひこのままおすすめしたいです。

細かい彫刻にそれに沿ったくすみ。歳月が生み出す美、最高。



そんなスプーンリングたち、online storeからもお買い求めいただけます。(しれっと掲載しました)




つけてみたいよー!と言う方はぜひ店頭でお試しください。


店頭には大きめのスプーンで作られたバングルも数点ご用意しておりますので!


ではまた、おすすめがあれば書きます!


IORI clothing by Utah フナツ

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