髪への過剰な宣告

髪を切りに行くとき、自分の見た目に興味がなさ過ぎて「3~5センチくらい切って全体的に軽く」しか言わないからか、帰ってから家族にダサいといわれたことがある。

そのときの美容師が新人だったか、あまりショートヘアを切りなれていない人だったのかもしれない。そもそも幼少期から同じ美容室に通い続けていて、そこは安価な代わりにほぼカットとブローのみで指名料が高いタイプの店だ。

もし、そこの美容師が資格を持っていない子供の髪を切ったことがある親程度の一般人になっていても、同じようにオーダーして、されるがままに切られて、普通に正規料金を支払って、なんの疑問もなく帰る自信がある。

そのくらい髪型や見た目にこだわりがない。

「もう自分で切れば?」と言われたことがあるが、それこそ自分の見た目に興味のない人間がやることではない。
興味のない人間が自分の髪なんか切ってみろ、事情を知らない人から見たら「蛮族かなんかに襲われて髪を切られました? 警察呼びましょうか? とりあえず目立つんで美容院行きましょう」といわれるに決まっている。

それか丸坊主にするのも一つの案だが、同じく何かあったんだろうな、と距離を置かれる可能性がある。
あとバリカンって怖くない? カミソリ負けみたいなことにならない?

それこそカットにシャンプーやトリートメントが付いてくる1万円超すか越さないかの店になったら考えるが、なんか邪魔だな、と思ったら美容院に行って2千円程度を支払って、プロに頼むのが現状一番いい。

似たような話は化粧でもあって、一時期見た目に気を使った方がいいのではないかと思い、姉に眉を整えるとはどういうことなのか、どうすればいいのか聞いたことがある。

結論、もともとの眉の形が変でない限り、化粧をしないなら別に手入れの必要がないと言われた。

一応カミソリを貸してくれてはみ出た産毛を処理する程度はしたが、眉が濃くもなく、特に変な場所に毛が生えているわけでもないので、毎日気を付けるようなことはないらしい。

何故こんなことを急に書いたかというと、今日美容院にいった折に「こんな感じで大丈夫ですか?」と聞かれて見た己の髪が過去に「ショートヘアの市松人形」と言われたときを彷彿とさせて、なるほどね。と思ったからだ。

「(なんか大丈夫じゃなさそうだが)大丈夫です」と返事をして帰ったが家族が何か言ってくることはなかった。市松人形といわれたときは前髪を作っていたが今回はそうでないので言うなればちょっと髪が長めのタラちゃんといったところだろう。

あと、実家でファッションリーダーを気取っていた姉はとっくに家を出ていて先陣をきって弄ってくる人間がいなくなったというのも大きいと思う。

自分では上げないし書かない癖に人の写真や絵にいちいちアドバイスをしてた姉、元気かな。普通に嫌われるから家族以外にやらんほうがいいぞ。というか私もかなり嫌だったぞ。
姉は私とは違い、世間一般で言う陽キャに属すといって過言ではない人間なので家族でなければ接点がないまま一生を終えてたんだろうなと姉が話題になるたびに思う。

でもそういうコミュニケーションも世間ではあるんだよな。私は自分が髪を切ろうが他人が髪を切ろうがどうでもいいので特に触れないが、高校の時切るたびにクラスメイトが反応してくるのが苦手だった。
しかも会う人会う人全員だ。愛想笑いでどうにかしていたが、髪を切ってきた人がいたら褒めるまでいかなくとも話題にしなければならないという効果でもあるのか?

なんだそれは、過剰ではないのか? 誰が言い出したんだ? いつ発動する? 任意には出来なかったのか?

とりあえず髪の宣告打ちます。

主に①

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