音丸

Aスペクトラムなクィア

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    僕の恋愛観や「好き」についての小噺です。

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秘密裏ワクワク☆性別移行 【準備〜実家脱出編】

はじめに家族にすらカムアウトをせずに、誰にも知られずに性別移行を遂行する。それが当時大学1年生の僕の目の前に出現した喫緊の課題であった。 家族といっても主に母。父はいないし。あとはお年を召した祖父母がいるけど、母-祖母の仲は微妙で母-祖父の仲は地獄であり、家庭内は常にギスギス。僕が主に関わるのは母のみなので、ここでいう「家族にカムアウトしない」は「母にカムアウトせずに」という意味である。 なんでカムアウトせんの?という理由はここに。 んで、僕がカムアウトする予定の相手は

    • Aスペクトラムの行方 (ミニ版)

      拡張版を書いている途中だが、前からモヤモヤしていたこれらのツイートに対してのコメントを先にまとめておく。 ①不可視化されるAスペクトラム差別 この方が問題視している本文を抜粋した。 この記事の著者はなにも、「レズビアンだと間違われて最悪👎」という意味では書いていないことは分かるだろう。 恋人がいない=同性愛者?になる図式は「人は誰しも恋愛/性愛を他者に持つ」という暗黙の前提が世間にあるからである。だからこそ「恋人がいないってことはレズビアン?」と聞かれることは、その前提

      • 自分史的な何か、あと思い出とか

        はじめに これは、来たる日に向けての記事だ。 幼馴染ちゃんにカムアウトする日、である。 私は未だに『なんで私がトランスジェンダーとして性別移行をしているのか』について他者に上手く説明できない。 分かりにくいのを承知で言えば、《直感的にこのままじゃ死ぬしかない、と思った》から。 この一言に尽きるのだが、この一言の中身を上手く噛み砕いていき、少しずつ言語化していくことで、『なんで私がトランスジェンダーとして性別移行しているのか』を説明できるかもしれない。 それはきっと、幼馴染

        • 性自認はどこからくる?

          正直、私は性自認という言葉が苦手だ。 説明される時に「子供の頃スカートを履くのが嫌だった」、「同級生のメイクの話題についていけなかった」などと表されるからだ。 その感情から「自分は男/女/その他である」と導き出されるのは明らかに論理が飛躍している。 だけど、その(恐らく省かれているであろう)論理への道筋が言語化して説明できたのなら、私は性自認を別の意味合いとして受け取ることが出来るかもしれない。 暇つぶし程度に「性自認」について考えてみたので、子供のお遊びを見るような

        秘密裏ワクワク☆性別移行 【準備〜実家脱出編】

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        記事

          ゼロ地点へ

          『映画を見ている時だけ、僕は救われるのだ』 死生観について垂れ流した際に、この言葉で話を閉じた。映画、といっても便宜上一括りにしただけで作品全般を含む。だけど顕著に救われるのが映画だから映画と称した。 田舎住みなおかげか、映画館では前後左右が誰もいない時が多い。座る席は真ん中より少し前。首が痛くならない程度にスクリーンをまざまざと堪能出来る距離。ドーンと大きな音とともに映画が始まれば、もうそこは現実ではないのだ。 僕はもう映画の中にいる。 僕はスタートラインに立てていない人

          ゼロ地点へ

          向かい風

          現在大学2年生。 なんだか色々と見失ってしまいそうになる。 studyは大嫌いだが、learnは圧倒的に好き。 大学の勉強はそこそこ楽しい。 しかし僕が大学に通うのは、ただ楽しいからというのと一定水準の学歴が欲しいからという理由でしかない。 全く将来が見えない。 誰か灯りをくれ、真っ暗だ何も見えないんだ。 まず、大学3年生中には診断書を取っておきたい。 せっかく2月にジェンダークリニック初診に行って、年に3回ペースで行きたいなと思っていたのにこのコロナ騒動だ。 地方住み

          向かい風

          映画、そして死生観。

          映画が好きだ。 特に映画館で見る映画は格別だ。 僕が映画館を訪れる回数と精神の不安定度は比例する。ここ1ヶ月で4回行った。お金が無い。 最近見に行ったのはハーレイ・クイン。 ジョーカーの恋人という枠に収まるだけでは勿体ない、ハーレイちゃんは自分の物語を持つだけの力がある。それが今作品でまざまざと観れたのでとても良かった。 それはそうと、僕のストレスと精神状態の乱れの八割の原因となっているバイトはこんなご時世なので全て休みになった。やったね。 店長は普通に苦手だし、女性とし

          映画、そして死生観。

          ジェンクリ記録 R2 2/13〜

          まず問診票を書いた。 FTMかFTXか、どちらに丸を付けるのか少し悩んだ。でも僕は「自分は男だ」と強く思ってる訳では無いしXでいいかなと思い、そちらに丸。 あとはどんな治療を望むかとかで、ホルモン治療や胸オペ、子宮卵巣摘出に丸をつけた。 あとは適当に書いて看護師さんに提出。 「すみません、名前もお願いします」 どうやら名前を記入し忘れたらしい。 普通にめっちゃ恥ずかしかった。 担当医に会い、まずは一般的にFTM、MTFがどのように治療を進めていくのかを説明してもらった。次

          ジェンクリ記録 R2 2/13〜

          映画「his」感想 “補助輪から少しずつ”

          5泊6日の東京・神奈川遠征。 幼馴染ちゃんと落ち合うまで時間がある。 我が住んでる県では公開していない、ずっと気になっていた映画、「his」を見に行こう。 カプセルホテルで寝転びながら僕は近場の公開している映画館を検索した。 とても温かい映画だった。 僕はエンドロールで頭の中で物語を咀嚼して思いに浸るタイプなので、何故がエンドロールで泣きそうになってしまった。 詳しいあらすじは割愛させてもらい、ネタバレ込みで少しだけ考察を書いてみる。 2時間ちょっとの映画。 細かい感想は

          映画「his」感想 “補助輪から少しずつ”

          恋愛音痴

          僕の恋愛観は昔からズレていたらしい。 それに気づいたのは高校2年生と、もうちょっと早く気づけたんじゃねぇかという半端な時期だ。 僕は小学校から中学卒業まである1人の男の子に恋をしていた。 と、思っていた。 僕は友達が少ない。 幼少期はマシだったが、小学生に上がったあたりで何故かクソみたいに内気な性格になっていた。 その中で僕が唯一とてもとても仲良くしていた2人の友達は、僕と波動が合っていたのだろう、恋愛の話は全くしなかった。 それに加えて、僕は僕という人間にそれほど興味

          恋愛音痴