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ジーンズが嫌いだった私~10年越しに買ったジーンズ(前編)~

私が愛してやまない作業着を由来としているにも関わらず、ジーンズは長らく嫌いだった。
かつて数本持ってはいたが、いつも全然似合っていないような気がしていたので、十数年前に思い切って処分して以来、履かなくなった。

ジーンズは一般的には身近なものなのだろうか?
私は小さい頃から履いたことがなかったのだが、今はかなり小さい子供も可愛らしく履きこなしている。
しかし、私は未だに他の洋服に比べてジーンズはとても特殊な服だと思っていて、なんとなく敷居が高い洋服なのである。

ジーンズを一度諦めた私が、この度50代に差し掛かろうとして再度また買った。
私のジーンズに対する思いがどのように変化したのか前編後編に分けて記録してみる。

またもし、これを見てくださった方もジーンズに対する考え方をぜひ聞いてみたいので、コメントくださったらとても嬉しいです。

ジーンズなれそめ

私がジーンズを初めて手に取ったのは、大学生になってからだった。
ジーンズを着ている友達を見て、なんにでも合わせやすく、カジュアルなアイテムとしてジーンズは大学生に必須な気がしていた。
そこで、半ばイニシエーションのような心持ちで、買いに行くことにした。

自宅から地元の大学に通っていた頃、最寄りの駅ビルに入っている店をよく覗いて服を買っていたが、その中にジーンズ店もあることは知っていた。

*ヌーディージーンズ ラフォーレ原宿店HPより

写真のようなたたずまいのお店だった。壁際に設置された四角い棚にジーンズがきれいに折りたたまれているのである。一見すると全部同じに見えるジーンズの群れの中からこれという一本を探さなければならない。
基礎知識のない私にとっては、結構ハードルが高かった。

ジーンズが嫌いになった4つの理由

1.サイズがわからん

本当に恐縮だが、私はこれまでS, M, L表示から適当に自分の体形にあった洋服を買っていたので、まずジーンズのサイズ展開に面食らってしまう。

*LEVI'Sの中でクラシックなストレートジーンズ 501のサイズ展開

店内の表示で、ほどなくウエストのサイズだと知り、いくつか選んで試着してみる。

*入らん…..。

が、思ったよりもゴワゴワしていて、まずお尻が入らない!試着室でモタモタ焦っていると、店員さんが「どうですかー?裾合わせしましょうかー?」と聞いてくる。

どうもこうも、まだまともに履けてない。
「なんか…サイズが…合わないので…」と答えると「サイズ持ってきましょうかー?」と言うので、カーテンの隙間から「これなんですが…」と試着していたジーンズを見せると、ワンサイズ大きいのを持ってきてくれた。

なんとかお尻は入ったが、今度は腰がブカブカだ…。
ここで再び「どんな感じですかー?」と店員さん…。
ここは、もう一度恥を忍んで出ていくしかあるまい。

恐る恐るカーテンを開けると、店員さんは「似合ってますよー」とか言ってくれる。しかし、自分的には、本当に?なんか腰が余ってるけど…と思いつつ、「これはこんなもんなんですかね…?」と聞くと、ルーズに履きたければこれで良いとのこと。

ルーズに履こうとは思っていないと伝えると、であれば、最初のサイズでも全然アリとのこと。

そこで再び、最初のを履いてみると、まあジッパーは閉まるけれども、やはりパツパツなのだ。
仕方なく、また恥ずかしい姿を店員さんにお披露目し、「これは、こんなもんなんですかね…」と聞く。店員さんはニッコリ笑っている。

....本当にこれでいいの? サイズ感がわからない。

2.最初から馴染んでいて欲しい

なんとなく自分の描いていたイメージとだいぶ違うので、うーん…と唸っていると、店員さんは
「履いているとだんだん馴染むんで、多少きついぐらいで大丈夫ですよー」と…。そんなもんなんですかね…

一方、ルーズな方も「洗濯すると縮むんで、多少緩くても大丈夫ですよー」と…。え?さっきと矛盾してませんか…?

最初は印象悪いのに段々好印象になるというような効果を別にジーンズに求めていなかった。

3.形が色がデザインが...細かすぎて選べない

本当にややこしい客だったと思うのだが、かいがいしく他のジーンズもいろいろ持ってきてくれる優しい店員さん。
女性らしいラインの…とか、メンズライクの…とか 裾広がりの…とか、ストレッチの…とか、着ると明らかにダサい私にはToo much。
上級者向けのように感じる。
結局、先程のお尻が入って腰がブカブカなストレートジーンズを選んだ。

*ご存じの方には当たり前の図かもしれませんが... LEVI’SのHPより抜粋

さらにこれらの基本的な形に加えて、股上の位置も、ハイライズ(ハイウエストのこと)、ローライズなどがあり、

色も加工方法も....。これらが案外重要で、選択によって、イメージが異なってくる。

*ちなみにローライズジーンズは今あまり見かけないが、当時結構流行っていた。おへその下でジッパーが終わるという不安感と、後ろのお尻がスースーしてなんとも心許ないので、即却下した。

最終的に私が選んだのは、少しウオッシュ加工されているようで、少し太モモにかけて色が薄くなっており、これによって目の錯覚で足が若干細く見えるとのこと。

4.裾を切ってもらうのが面倒くさい

ここまででもうお腹いっぱいの私は、代金を支払って一刻も早くこの場から去りたいのだが、当初から裾を折って履いている状態。そのままでは袴である。
この状態をなんとかせねばならない。つまり裾を切ってもらう必要がある。
あぁ、もうメンドクサイ.....。

例の店員さんに裾を折り曲げてもらいながら、「どこらへんにしますかー?」と聞かれる。
え? 適当にして欲しいのだが…と思いつつも「普通はどこらへんがいいんでしょうか…?」と聞くと
ヒールのある靴を履く場合は長めにするとのこと。また、やはりここでも洗濯で若干縮むということも言われ、悩む。
ヒールは履かないので、縮むことを考慮して「普通の」丈で切ってもらうことにした。

ちなみに今調べたら、以下のような基準があるらしい。あくまで自然なのはハーフクッションらしいですよ。

*図を拝借していますが、詳細はこちらに。ロールアップについてなども記載されています。ロールアップって策略的無造作だったんですね....。

裾上げを待ちながら、疲れ果てている自分。なんか、よくわからないまま結構な値段で初ジーンズを買ってしまったな…と思った。

買ったばかりのジーンズの入ったカッコいいブランドの紙袋を見ながら、大学生になったんだと自分に言い聞かせながら家路に向かった。

...そんなジーンズはやっぱり持て余していた。ベルトをすると腰回りがモタモタしてしまうので、ベルトをせずに腰の余りをトップスで隠すようにして履いていたが、着心地も見た目も満足できなかった。
しかも洗濯しても特にサイズは変わらず、馴染んでいくような感覚もなかった。

そんな訳で、ジーンズはメンドクサくて、好きになれなかった。

私がジーンズともう少しポジディブに向き合うことができたのはそれから20年間以上後のことだ。


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