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【キミノグラム】企画書

キャッチコピー


人間を人間たらしめるものって、
      死んだときに軽くなる数グラムの重さって、一体何だ。

あらすじ


2058年、日本に多くの光が降った。
出雲大社含む5大社周辺以外は謎の生物“WHO”が住まうようになり、日本の安寧は崩れ去った。

―この国が滅びんとするその時、神殿の鏡が光を放ち、眠り続けた神社が蘇るー

各神社の御柱となったナギたちは、“WHO”と戦いながら 眠れる神社 を目指す。

“WHO”の正体とは…
なぜ沢山の光が日本に降ったのか…
研究者・ゼンマイたちから明かされる謎の計画、ボクノグラムとは一体…。

ナギたちは、“WHO”を抑え 眠れる神社 にたどり着けるのか。

1話目ストーリー

―古くよりの言い伝え。この国が滅びんとするその時、熊野速玉神社、伊勢神宮、熱田神宮、石上神社、出雲大社、5社の神殿の鏡が光を放ち、眠り続けた神社が蘇る。その鏡が映し出した者を御柱(みはしら)としこれを任せよ。5つの鏡が集いし時、この国の永遠の幸を手にするであろうー。

2058年、彼岸の入り、日本の上空には、隕石とも流れ星とも言えない沢山の光が降った。その瞬間、多くの人間が消滅、日本の人口は4分の1ほどにまで減少。同時に、外界には謎の物体“WHO”がはびこるようになった。生きながらえた人間たちは、神社の地下やその周辺に集落をつくり、紙垂で結界を張った。

出雲大社では、ナギとトミィが御柱となって 眠れる神社 を蘇らせるべく旅へと出発した。道中“WHO”と戦いながらも戦う術を身に着けていく二人。倒すたびに、既視感を覚えていく。一体その光景は何なのか…倒しても倒しても襲い来る“WHO”たちに疲弊したナギは、一体の大きな“WHO”に襲撃されて深手を負う。ナギを担いで必死に近くの小さな注連縄と紙垂の残る神社にたどり着いたトミィ。小さな神社にも紙垂があれば数人が凌ぐ結界の効力は存在する。しばしの休息を取り傷を癒した二人。

戦いの最中ナギはあることに気づく。 “WHO”は周囲の仲間の受けた攻撃などを探知して集団学習をし成長していたのであった。形状を変え、攻撃方法を増やしていく“WHO”に立ち向かいながら、どこにあるかもわからない 眠れる神社 を目指すことになったナギとトミィだった。

2話目以降ストーリー

怪我をして小さな神社の結界で休んでいたナギとトミィは再出発をする。二人は敵の生態を知るべく仮説を立てながら戦っていた。できるだけ“WHO”が単体でいるとき、もしくは気配の届かないであろう場所で戦い、集団学習のできる範囲を探り、弱点はないかなどを模索した。しかしその努力も虚しく二人はピンチに立たされていた。

一方、石上神社からもまた幼い御柱、リンとヤタが選ばれたのだった。八咫烏の護衛のもと、二人も“WHO”と戦いながら 眠れる神社 を目指していた。

道中、ナギたちとヤタらはトミィたちと出逢い、共に 眠れる神社 を探すこととなる。

共闘しながら進んでいくと城下町が見えた、しかし、そこは“WHO”が作り出した城下町であった。そこには、確かに彼らの生活があった。人間のように生活する“WHO”の姿に衝撃を受けていた四人。そこへ襲い掛かってくる黒い人間がいた、それはまぎれもなく“WHO”だった。四人の窮地に現れたのは一人の少女、セン。しかしその助けは間に合わずトミィは深手を負う。ナギたちはトミィを背負い、センの基地まで行く。基地に着くと、センの祖父ゼンマイが出迎えてくれた。ゼンマイによる懸命な治療も及ばず、トミィは命を落とす。

命を落とすとき、人間は体重が数グラム減る。それは、魂の重さと言われており、人間の数多ある細胞に刻まれた記憶の重さ。現在の技術では彼女の基礎構造しかチップには入れることができなかった。
ゼンマイはトミィの数グラムをICチップに閉じ込め、これらの発端である ボクノグラム計画 を語り始めた。

ボクノグラム計画は、亡くなった人の記憶や性格を集め、再生成を可能にするための計画だった。センとセンの双子の妹テンの両親は、この研究に携わっていたが、クローン生成だ、悪魔の実験だとののしられ、自らの命を絶った。しかし、これは残された人々のエゴに対しての緩和剤としてこの研究が役立つのだとゼンマイたちはひっそりと続けることにした。

しかしある日、テンとボクノグラム計画の資料たちが消えてしまっていた。ゼンマイとセンはあたりを探したがどこにも見当たらなかった。そして日本を襲ったあの光が出現した。すぐにゼンマイたちはボクノグラム計画と関係があると確信して、バックアップデータを呼び起こして関係性を調査したのだった。

日本に降った光の正体はこのICチップに込められる体内粒子に引き寄せられた星々だということ、光と融合した人間が“WHO”へと変化を遂げたということがわかった。

“WHO”の正体が人間であるということにショックを受けながらも、ナギは“WHO”を人間に戻す方法をゼンマイに問う。しかし、研究不足であり、それより先の研究は進んでいないと告げられた。そして、テンは、それを悪用したのかもしれない…星を降らせて人口を減らしたのも、“WHO”の増殖も、双子のテンが首謀者ではないかという。

ナギはトミィのICチップを胸に、ヤタとリン、センと共に 眠れる神社 へと出発した。

途中の村でセンは、“WHO”の中に死んだはずの母親を見つける。しかしそれは学習した“WHO”が形を変えていたに過ぎなかった。
 
幾千の彼岸の花は 紅い路繋ぎ 眠りへ続く
いつつの此岸の花は 白い路繋ぎ 眠りへ続く
みこころのままに いざ ゆかん
 
センは、悲しみに暮れながら母を思い出し、歌を歌った、彼岸時に必ず母と歌っていた歌。それは 眠れる神社 のカギとなっていた。いつつの此岸の花は御柱を示すものだと思い、他の3つの神社へ向かい、御柱と出逢っていくナギたち。

“WHO”が人間であるとわかったナギたちは、なるべく殺めない戦い方をした、その分疲弊しながらも熊野速玉神社、伊勢神宮、熱田神宮にたどり着きそれぞれの御柱と共にそれぞれに伝わる言い伝えを集めていく。
熊野速玉神社の御柱がセンの唄には続きがあるという。
 
ひのいづるはじめのところ 高嶺のお社 目覚めへ続く
いつつの光たづさへて ふじのお社 目覚めへ続く
みこころのままに いざ ゆかん
 
それは富士山の浅間神社をさしていた。浅間神社に行くと、神殿には5つ御鏡を置く場所が用意されていた。ここに各神社の御鏡を置くことで、紋章が神殿の床に浮かび上がった。皆は手をつなぎ、祝詞を唱えた。
瞬間、大きな地震が起こり、外を見ると、崖下の景色は一変し大きな穴が開いていた、まるで世界の終りのような大きな穴…。八咫烏に乗ってそこまで行くと、そこには大きな基地があり大量の“WHO”たちが蠢いていた、そしてそこには“WHO”を統率しているようなものもいた、その統率者こそが双子の妹テンであった。
テンは、センたちの研究を盗んだ後、体内粒子に反応する量子センサーを空気中にばらまき、日本全域に浸透させた。そして星が降る彼岸の入りに、それを発動させたのだった。

“WHO”になった人間たちはいわば終わった人間。使命を終え、必要とされず、生きる気力のない人間。それに新しい生き方を提供したに過ぎない。誰でもない“WHO”という新しい自由な環境を。

テンは量子センサーを開発中に2種類の体内粒子が存在することを発見し、それを利用したのだった。
テンはセンやゼンマイとボクノグラムを研究中に、自分の劣等感にさいなまれ、センに嫉妬し、そして研究のすべてを自分のものにすれば…そう考えて盗んだのだった。

テンは量子センサーを散布して、自分も“WHO”になることを望んでいた、必要ではないものだったから。
嫉妬に染まってしまったテンは“WHO”たちで攻撃を仕掛けてくる。殺めないように戦う御柱たち。

「残された俺たちが希望を持ってる奴らだっていうなら、お前らだって希望を預けてくれよ。嫉妬や後悔で希望をつぶすなよ。」ナギたちがセンを援護し、テンと戦う。

その瞬間、ナギの胸のICチップからコノハナサクヤヒメが現れ、草薙剣でテンを貫く。テンの体内で何かが弾ける音がし、日本に金色に光る雪が降り注いだ。“WHO”だった人たちがもとに戻っていく。テンはセンの胸で穏やかな表情で眠っていた。

時は過ぎて、ナギはトミィの基礎構造ICチップに感情や記憶の欠片、人々に希望を与える構造を組み込む新しい研究 キミノグラム の計画をゼンマイたちと一緒に作り上げていく決意をしたのであった。
                             完



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