いま・ここ
考えているとき ぼくは何を考えているのかを考えてみた たとえば家を考えるとき ぼくは小人になる。 目の前には、少し前にぼくが引いた朧げな線の集合体があって その集…
高校生になり、行動範囲の広がった息子。 自分の生活圏外にある公園で友達と会う約束をした息子。 ルートを知りたいというので、自転車でナビゲートした帰り道。 イヤホ…
2024年1月1日。 朝、目が覚めて、一つの気づきがあった。 おそらく、昨日落とした未来への一雫によって、脳裏に静かな波紋が広がったのだろう。 心に鎧をまとい、感情に蓋…
何気ない、ひとこと、 ささいな、ひとこと。 そこに顕在化しているのは、単なる言葉。 発せられた、あるいは綴られた文字列。 でも、 その瞬間瞬間に存在している事象は…
裁判に関わっている。 とある現象を目の当たりにしていた原告側の証人として。 もうすぐ丸3年が経つ。 その間に裁判官が3人変わった。 人事異動だそうだ。 この裁判では…
「ダンバー数・150」 人間同士が安定的な関係を維持できるような集団を形成する時、 その人数には認知的な上限があるという。 その呼び名や数値自体自体にはあまり意味は…
何かの問いに対して答えを見出すという目的的思考構造は 脳にプリセットされている仕組み そんなストーリー理解を欲する脳構造ゆえに、 人は目的を欲するのかもしれないけ…
何かを見て 何かを感じること この時点では この現象はまだ「ある」とも「ない」とも言えない状態なんだろうな と思う この感じたことを伝達する手段が 言語 この…
(帯) 宙ぶらりんの独白。 これは創作か否か。 ひとつの出来事だ。 出来事は、創作か。 この問い自体が、ナンセンスかもしれない。 (まえがき) これは、或る男の、…
「最近、ガーって言うこと多いよね」と彼女が言う。 言語過敏の僕が、普段使用している言語に対して、その極端に画素数の低い表現が面白いのだそうだ。 確かに。ガーとい…
また、写真で伝えにくい家を設計してしまった。 2023年8月に完成した、とある住宅地にひっそりと佇む住まい。 リビングからゆるやかに伸びていく天井は、2階床に近づくと…
2006年の習作。習作Aのバリエーション いびつな地形にふさわしい、いびつな間取りを考えた 直線はあるが、直角のない建物 習作Aでは繋がっていた個々の空間が 習作Bでは…
2006年の習作。 いびつな地形にふさわしい、いびつな間取りを考えた 直線はあるが、直角のない建物 なにかのしっぽのように、くねくねと伸びる廊下 廊下の幅もばらばらで…
便利なものは良い。それはその通り、と思う とすると、不便なものはよくない、となる。 でも、ふしぎふしぎ。 便利だなと感じる前は、そのことを不便とも思っていなかっ…
昨日と今日と 6つの心が山の中に集まった 集まって、優しく整えられた自然を内臓に取り込んだ 喜んだ内蔵たちは, 心のままに口唇をゆらし、声帯を震わせる 次第に, …
樹は太陽に向かって伸びる 伸びる分だけ、地中に根を張る 本当は、地上に伸びる幹と同じくらい深く潜れればいいのだろうけれど、 地球はそれほど柔らかくない だから、水…
2024年2月11日 21:37
考えているとき ぼくは何を考えているのかを考えてみたたとえば家を考えるときぼくは小人になる。目の前には、少し前にぼくが引いた朧げな線の集合体があってその集合体が脳内にミラーリングされると同時に小人のぼくはその集合体の住人になる。 そこでぼくは 歩いたり 座ったり 寝転んだりしていくつもの「へり」を感じながら、朧げだった集合体が鮮明になっていくのを感じる。鮮明になってき
2024年2月4日 16:41
高校生になり、行動範囲の広がった息子。自分の生活圏外にある公園で友達と会う約束をした息子。 ルートを知りたいというので、自転車でナビゲートした帰り道。イヤホンから流れてきた音声に身体が突如反応した。意識よりも先に。ある夜、一人暮らしをしていたぼくのところに母が電話をしてきた。出かける予定だったぼくは早く電話を切りたくて、話し続ける彼女に向かって「うっせぇな」と言って受話器を置いた
2024年1月1日 23:55
2024年1月1日。朝、目が覚めて、一つの気づきがあった。おそらく、昨日落とした未来への一雫によって、脳裏に静かな波紋が広がったのだろう。心に鎧をまとい、感情に蓋をする。ぼくはいつのまにか、そうやって生きてきていた。なぜなら、そうしないと心が壊れてしまいそうだったから。そうやって、自分を守らないと生きていけないと思っていた。だけど。この鎧も蓋も、自分の中で自然に湧き起こる意思の
2023年12月31日 09:45
何気ない、ひとこと、ささいな、ひとこと。そこに顕在化しているのは、単なる言葉。発せられた、あるいは綴られた文字列。でも、その瞬間瞬間に存在している事象は、森羅万象。文字列は、そのほんのわずかな断片。声色、挙動、表情。気づき、綴るタイミング、そこに透けて見える行間。事象は無論、ひとことを交わし合う相手だけではない。その場にいる他者の存在。その場にいない他者の存在。
2023年12月16日 02:37
裁判に関わっている。とある現象を目の当たりにしていた原告側の証人として。もうすぐ丸3年が経つ。その間に裁判官が3人変わった。人事異動だそうだ。この裁判では、少なくとも。異動が近くなると、裁判官は判断保留にするか、強引な和解を迫るかの2択だった。友達の弁護士に聞いた話だが、なぜこうなるかと言えば、裁判官のノルマ評価、スキル評価に直結するかららしいのだ。もちろん、世の裁判官全てが
2023年12月14日 00:46
「ダンバー数・150」人間同士が安定的な関係を維持できるような集団を形成する時、その人数には認知的な上限があるという。その呼び名や数値自体自体にはあまり意味はないと思う。安定的という定義も、実はあやふやだ。それでも、確かに、人が集団の中で「自分以外の存在」を認識するには、一定の上限があるのは間違いないだろうとも思う。人は自分以外の存在と接触する時に、言葉を用いる。なぜなら、
2023年12月9日 18:15
何かの問いに対して答えを見出すという目的的思考構造は脳にプリセットされている仕組みそんなストーリー理解を欲する脳構造ゆえに、人は目的を欲するのかもしれないけれどもそもそも、「目的」という概念がなければ「答え」を見出すという思考も生まれないのかもしれないと ふと思いそして、「答え」という概念がなければ「問い」という思考も生まれないのかもしれないなと、とみに思うとすると、
2023年11月11日 01:27
何かを見て 何かを感じることこの時点では この現象はまだ「ある」とも「ない」とも言えない状態なんだろうな と思う この感じたことを伝達する手段が 言語この言語を他者に送って受容されたときに初めて この現象は「ある」と言える状態になる気がする つまりは自分の感じたことというのは 他者を介することなしには存在しえない側面も ある自分が感じている時点では まだそれはなにも固定化されてい
2023年11月4日 01:53
(帯)宙ぶらりんの独白。これは創作か否か。ひとつの出来事だ。出来事は、創作か。この問い自体が、ナンセンスかもしれない。(まえがき)これは、或る男の、脳が疲れた状態の時に無意識に綴られた文字列。数日漬け込んでいたが、そのまま過去として存在してしまう質量を持たないように、供養として世に出す。そのままではあまりにも無防備で、トゲトゲしていて痛かったので、その先端をヤスリで丸
2023年11月2日 23:57
「最近、ガーって言うこと多いよね」と彼女が言う。言語過敏の僕が、普段使用している言語に対して、その極端に画素数の低い表現が面白いのだそうだ。確かに。ガーという言葉で表現しているときは、かなり画素数を落としているなと、言われて気づいた。同時並行で仕事を進めている時、一般的には、タスク管理という名のもとに効率的に仕事をこなすためのフローを考えると思われる。だが、僕の場合は、それがあま
2023年11月1日 23:31
また、写真で伝えにくい家を設計してしまった。2023年8月に完成した、とある住宅地にひっそりと佇む住まい。リビングからゆるやかに伸びていく天井は、2階床に近づくと急勾配になり、わずかな吹抜を残してそのまま2階天井へと伸びる。「あそびラウンジ」と名付けた2階のプライベートリビングには、急勾配の天井に穿たれた天窓からの空が差し込んでくる。手を伸ばせば届く距離感から普通の窓のような錯覚を覚え
2023年10月31日 20:52
2006年の習作。習作Aのバリエーションいびつな地形にふさわしい、いびつな間取りを考えた直線はあるが、直角のない建物習作Aでは繋がっていた個々の空間が習作Bでは分離しはじめたすると個々の空間の間にあらたな境界線が生まれて、内と外を生み出すそうして分離した空間たちを、いびつな廊下が楽しげに繋いでいる実は、廊下といっても、半分は土間なのさそう、このお家は、おっきなおっきな玄関
2023年10月31日 20:51
2006年の習作。いびつな地形にふさわしい、いびつな間取りを考えた直線はあるが、直角のない建物なにかのしっぽのように、くねくねと伸びる廊下廊下の幅もばらばらで、そこにへばりつく個々の空間もまた、くねくね、くねくねみんなくねくねしてるから壁で仕切られているのに、なんだか別の空間がちらりと感じられる繋がっているけど、分かれている分かれているけど、気配が漂う
2023年10月30日 23:54
便利なものは良い。それはその通り、と思うとすると、不便なものはよくない、となる。でも、ふしぎふしぎ。便利だなと感じる前は、そのことを不便とも思っていなかったのに。「不」には、なんだか良くないものだと感じさせる魔法でもかかっているのかもしれないな。仏教の言葉に「不二」というのがある。対立しているように見える二元的な事柄も、絶対的な立場からみると対立なんてしていないということ。本
2023年10月29日 23:57
昨日と今日と6つの心が山の中に集まった集まって、優しく整えられた自然を内臓に取り込んだ喜んだ内蔵たちは,心のままに口唇をゆらし、声帯を震わせる次第に,どこからともなく、水の滴る音がする見渡せば、あっちの心からも、こっちの心からも、ぽちゃんぽちゃんと、滴り落ちるそしていつしか、そこは優しさの海になったかなしみという響きは、悲しみ・哀しみという鎧を纏っていたけれど
2023年10月28日 08:36
樹は太陽に向かって伸びる伸びる分だけ、地中に根を張る本当は、地上に伸びる幹と同じくらい深く潜れればいいのだろうけれど、地球はそれほど柔らかくないだから、水平に根を伸ばすその無数の根で地球を掴む氷山は海に浮かぶ氷水面から顔を出しているのはほんのわずか残りの9割は水面下にある重力はそれほど優しくないだから、自分のほとんどを沈めるその浮力で地球の重力から自分を引き剥がす講演