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【名大ニュース】名大と岐大が「量子」で連携/「量子フロンティア産業創出拠点」を新設

東海国立大学機構は、名古屋大学と岐阜大学の連携強化を図る支援事業として、「量子フロンティア産業創出拠点」(Q-BReD)を新たな連携拠点として認定しました。
「量子」は物質を形作る原子や、さらに小さい電子、中性子、陽子といったものの総称。これらの活用技術はコンピュータやセンサーなどに応用され、液晶パネルなどに用いられる「量子ドット」の発見と活用が2023年ノーベル化学賞に選ばれるなど、未来社会に欠かせない技術として世界中で研究が活発化しています。

新拠点について会見した、(左から)岐大の吉田学長と松尾教授、機構の松尾機構長、名大の清中教授と杉山総長

本拠点は、4月に新設される「名古屋大学未来社会創造機構量子化学イノベーション研究所」と「岐阜大学医学部附属量子医学イノベーションリサーチセンター」を連携・拠点化するもの。
名大では、発光特性を応用した生体現象の可視化や病理診断、レアメタルに頼らない高性能な触媒の開発、次世代太陽電池の開発など、化学の視点を入れた研究に力を入れる方針です。
岐大では、従来の数万倍の感度を持ったMRIの開発、体内の機能・代謝を可視化する技術など医学分野の研究を強化する方針です。

報道関係者と関係者が集まった記者会見

機構が21日に名大広報プラザで開いた記者会見で、松尾清一機構長と、拠点長に就任予定の名大工学研究科・清中茂樹教授、副拠点長に就任予定の岐大医学系研究科・松尾政之教授が、新拠点の概要や研究内容を説明しました。

記者からの質問に応じる松尾機構長(中央)と松尾教授(左)、清中教授

清中教授は、量子技術の主流とされてきたコンピュータや情報通信分野などの研究だけでなく、化学の視点を入れた研究に注力する点を説明。「化学を中心に扱う国内唯一の拠点。機構の強みである化学を生かし、東海地方での産業応用を担う」と意義を強調しました。
松尾教授は、体内を断層撮影するMRIの感度を上げることで、これまで困難だった生体の機能や代謝の可視化が可能になることを紹介。「創薬や診断への展開につなげ、産業創出につなげたい」と抱負を語りました。

拠点の取り組みについて報道陣から囲み取材を受ける清中教授
拠点事業の内容や方針を報道陣に説明する松尾教授

【リンク】

・東海国立大学機構 NEWS
 「量子フロンティア産業創出拠点」を認定

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