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90人が織りなす圧巻の“ハモり”。共鳴する仲間と追い求めて――

混声合唱団名古屋大学コール・グランツェ

コロナ禍が落ち着いた今年度、混声合唱団名古屋大学コール・グランツェが精力的に活動しています。グランツェの強みは、国内の大学で有数の団員数を生かした声量と繊細な表現を実現する歌唱力。10月下旬、日本有数のオーケストラである名古屋フィルハーモニー交響楽団と共演し、11月25日には第76回全日本合唱コンクール全国大会で大学ユースの部の銀賞を獲得するなど、「日本に冠たる大学合唱団」を目指して存在感を高めています。

ホームカミングデイで、憧れの名フィルと共演。プロとのリハーサルに「全集中」

大人数合唱団ならではの強みを生かし、弱みを克服

グランツェは1977年の結団以来、数々の演奏会を主催する他、日本の合唱界で最も権威のあるコンクールの一つとされる全日本合唱コンクールで幾度も金賞を受賞するなど実績を積み重ねてきました。結団時に10数名だった団員は現在約90人。大人数の強みを生かした合唱に磨きをかけています。
団長の後藤駿介さん(文学部3年)によると、団員数は中部地方の大学合唱団で最も多く、国内でも有数の規模。この“大人数合唱団”がソプラノ、アルト、テノール、ベースといった音域に応じて4パート、ところによって8パート以上に分かれながら織りなすハーモニーは圧巻の一言です。

11月下旬、全日本合唱コンクールを前にキャンパス内「山の上音楽ドーム」で最後の練習

一方、大人数の強みである大きな声量は、ともすると「大きくなるだけ」になりやすいのが弱点。「音楽に強弱をつける」「声質をそろえる」といった繊細な表現を実現させるため、個々の団員が合唱の中で周囲の声を聴きながら声を合わせ、そろえていくという高度な技術が求められます。
「どういう流れで声をそろえていくかなど、大人数の合唱団として脈々と受け継がれてきたメソッドがある」(後藤さん)というグランツェ。日々の練習では曲の練習の前に1時間程度の発声練習を欠かさないのもこだわりです。「良い声であることが、自ずと良い歌につながる」(後藤さん)と信念をもって練習を重ねています。

全日本合唱コンクール出場をかけた中部大会に向け、パートごとの練習に集中するメンバー

名フィルと共演、声と管弦楽との調和に手ごたえ

グランツェは10月21日、名古屋フィルハーモニー交響楽団との共演を果たします。名大が全学を挙げて主催するイベント「ホームカミングデイ」の目玉企画となるコンサートという大役でした。
共演した曲はブラームス作曲「運命の歌」。名フィルの演奏が厳かに進む中、グランツェの歌声がまるで楽器の音のようにオーケストラと重なり、一体となったハーモニーが聴く人の体の中から共鳴するような錯覚と心地よい感覚にいざないます。悲しみや苦悩、それを乗り越えた後の平穏と幸せ――。そんな物語を想起させる楽曲があっという間にフィナーレを迎えると、会場から割れんばかりの拍手が沸き起こりました。

豊田講堂ホールで“あの”名フィルと共演。会場から満場の拍手

国内最高峰の1つ、全日本合唱コンクールで銀賞

そして11月25日、新潟市で開かれた第76回全日本合唱コンクール全国大会で、長野、富山、石川、福井、愛知、岐阜、三重の中部支部7県の代表として大学ユースの部に出場しました。
グランツェは同部門に出場した全国10団体の中で最も大人数となる88人の大合唱団を編成。白ブラウスと黒ロングスカート、黒スーツに身を包んだ団員がステージいっぱいに立ち並び、“ビジュアル”でも聴衆を魅了しました。
今年の自由曲として選んだ曲は〔 Chris Artley作曲「O magnum mysterium(おお偉大なる神秘よ)」〕と〔 Jake Runestad作曲「Alleluia(アレルヤ」)〕の2曲。コロナ禍を経て、「歌うことができる喜び」を表現する明るい曲調を歌い上げ、銀賞を獲得しました。

全日本合唱コンで銀賞を獲得。さらなる良い演奏を目指すコール・グランツェ

声でハーモニーを作る感動を仲間と共に

今年度は団員が昨年と比べ30人ほど増えた、混声合唱団名古屋大学コール・グランツェ。入団前に合唱の経験がない団員も多く、今でこそ団長を務める後藤さんも未経験でした。「新入生歓迎イベントで合唱を聴いて魅せられました。楽器ではなく声でハーモニーを作ることに感動しました」と語ります。
全国大会を終えた1週間後の12月3日も、名古屋大学吹奏楽団の定期演奏会に“友情出演”するなど、精力的な活動は続きます。次の目標は、2月23日に開催する第46回定期演奏会。後藤さんは「今年度の集大成としてさらに良い演奏をし、多くの人にまた聞きたいと思っていただけるように一層練習に励んでいきます」と、先を見据えます。

6月の名大祭には他大学や社会人と有志合唱団を編成して参加!

混声合唱団名古屋大学コール・グランツェ

ホームページ https://chor-glanze.jimdofree.com/

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