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初バレンタインチョコー小5

小学校5年生の時に初めて学校の帰り道に手作りクッキーを渡された。

そういえばバレンタインだった。
なぜかいつもの3人組「りょー」「けん」すら誰もいなくて、珍しく1人で門の坂を歩いてる最中だった。

女子「ねぇ!」
突然声をかけられた

「ん?」

と振り向いたら、確か、、、小5の4月から転校してきた「知ちゃん」だった。
知ちゃんは耳が聞こえなくて、補聴器をつけてる子だった。

知ちゃん「ハイ!」

「え?」
クッキーを渡された。

知ちゃん「じゃあね!」

ほんとに一瞬だった。一瞬の出来事すぎて本当にびっくりした。

女子の事は小学校4年生の身体測定を最後に中2まで全く意識することがなくなってた。

4年生の身体測定は男女合同で行われていた。
当時の俺は後ろの女子の裸が気になって仕方なかった。
なぜかは知らないけど、ほんとにチラチラ見てしまっていた。なんか胸がちょっと膨らんでいるような気がした。
自分でも見すぎていたのはわかってた、エッチなど言われることなくギリ小4は過ごした。

それ以降、性教育にも特にフーンって感じだし、女子の体の事を言われても全く想像がつかなくて、無関心だった。
バレンタインもタカとズーはいつも同じ人からもらってて「ハイハイ」って感じの雰囲気がクラスには流れてた。
誰が誰を好きだの全然興味がなくて、完全に友達だった。
ま、当時はそんなことより、完全に鬼ごっこと自転車とゲームに明け暮れてた毎日だった。

だからバレンタインの事なんてすっかり忘れていた、というかもはや母親からもチョコの話がなかったから、帰ってポケモンやろ。ぐらい思ってた。

だからびっくりした。

俺って、知ちゃんと絡んだことあったっけ?
そういえばナルトのヒナタっぽい印象があったような。

隣の直くんが確か好きなんだかでちょっかい出してたような気もするけど、、
俺喋ったことないぞ?って耳聞こえてるのかな?それすらわからん。

あ、でも親戚のにいちゃんが耳が聞こえなくて補聴器だったから多少偏見はなかった気もするけど、、、

ぶっちゃけ全く検討もつかない。。。。

「俺のこと好きなのか?」でも喋ったことも無いしなぁ、、

ま、、、いっか。と思いひとまず帰った

俺「ただいまー、なんか、、クッキーもらった。」

母「えーー!なにー!!!すごいじゃん!」
すげーニタニタして喜んでた。テストで80点取った時より喜んでた。

「うん、、なんか、、もらった。」

母「ちゃんと食べなさい、手作りね、お返しは?」

手作りか、思われてるって事なのか?お返しってなに?

マジでさっぱりすぎて、ひとまず知ちゃんとは仲良しって事だな!
と解釈した。

翌朝学校に行ったら、バレンタインの話になり、タカとズーくんはもらってたらしい。
ズー「ユウはもらったのかよ?」

「それが、、もらった。」

タカ、ズー「えー!!お返し直接渡せよ!俺はアヤのロッカーの中に入れたから」

「え、じゃあ俺もロッカーの中に入れる」

ズー「だめだよ!お前は直接渡せよ」
なんか咎められた。なんで俺は直接なんだよ、、恥ずかしいじゃん。。

でもどうしても断れなかったので、仕方なくお返しは直接渡すことになった。しかもみんなの前で。

ホワイトデー当日


20分の昼休み時間になった
アヤ「知ちゃーん、ユウが呼んでるよ!」
呼んでないっての!よんでんのお前だろ!声もでかい!
すごい恥ずかしかった。
なんで俺だけみんなの前でお返しなんだよ。みんなニタニタしてるし!集まってくんなし!

もしかして、みんなにハメられてる?それすら思った。
お返しとありがとう言うだけなのにこんなに緊張するのか

知ちゃんも俺に呼び止めて渡す時緊張したんだろうか。

ズー「俺もうロッカーの中に入れたし」

なんで俺はみんなの前で呼び出したみたいになってんの??

知ちゃんが来た。
心臓バクバク。

俺「あ、、クッキーありがとう。ハイ。。。」

もちろん目は見れない。母が買ってきてくれたクッキーを渡した。

知ちゃんは恥ずかしそうに頷いてた。

周りが、ニタニタ笑ってヒューとか言ってる。
マジで心臓が張り裂けそうだ。めちゃめちゃドキドキした。
ホッケーの試合よりドキドキした。

渡したら一瞬でみんな帰った。
意外とあっさり終わってた。

それ以降はやっぱり席が遠くて話すこともなくそのまま小学校卒業になってしまった。

知ちゃんは中学に入ってだいぶ遠いクラスになってしまった。
頭がよかったのは覚えてる。
俺より遥かに勉強できる。耳聞こえないのにどうやって先生の話聞いてるんだろ。って不思議だった。
中学のアルバム見たら載ってるかも。


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