ジェンダーのこと、”みんなで考えよう”っていうけど、どうやって?
男女格差が先進国で最低レベルといわれる日本ですが、最近かつてないほどジェンダー問題が取り上げられていますね。
SDGsでも「ジェンダー平等を実現しよう」を目標に掲げ、さまざまな機関や団体が「みんなで考えよう」と訴えています。
でもどうやって!?
大事なことだとはわかっているけれど、なかなか具体的なアクションに踏み出せていないなぁ、という方におすすめできるイベントを見つけました。
名古屋大学ジェンダー・リサーチ・ライブラリー(GRL)で、今年1月からスタートしたブックトークです。
「GRLは、ジェンダーにまつわるトピックに特化した図書館です。ジェンダー専門の図書館は国内にいくつかありますが、日本の大学の中で、ジェンダー研究専門図書館を持っているのは、名古屋大学だけです。」と話すのは、専属司書の坂川万理子さん。
GRLは、学生や職員でなくても申請すれば誰でも利用できるとのこと。全面ガラスで山手通りの人の行き交いを眺めながら読書できる窓がわ席が、坂川さんのおすすめです。
「これまで研究会やシンポジウムは開催してきたんですが、専門家ではない方々も気軽に参加できる場を作りたくて、ブックトークを企画しました。」(坂川さん)
本を紹介する大学院生スタッフは現在4名。次回2/7を担当する大貫尊弘さんは、理系スタッフ第1号です。
GRLに参加した経緯については、
「実は学内アルバイトを探していて…。研究テーマは、ジェンダー問題とは遠い光触媒なんです。」(大貫さん)
ただ最近は、ジェンダーの考え方を工学などさまざまな分野に取り入れて、新しい視点を見出していこうする「ジェンダード・イノベーション」という概念が唱えられているそうです。
「例えばシートベルトの開発で、妊婦さんにとっての使いやすさを考える、といったような動きがあるんですよ。」(坂川さん)
なるほど、調べてみると、足の間にアジャスターを設置することでお腹を圧迫しないようにする製品がありますね。もしかしたら、光触媒もジェンダーの視点で画期的な成果が生まれるかもしれません。
さて、次回のブックトークで大貫さんが取り上げるのは「体育会系女子」の話題。強靭な身体と精神力が求められるエリートスポーツの世界で活躍する女性アスリート達に着目した本だそうです。
「レスリングや社会など男性重視のスポーツで、女性アスリートが社会の期待とのミスマッチにどう対処し、どのように自分らしさを勝ち取るか、みなさんと話題を深めたいです。」(大貫さん)
GRLブックトークは、今後も月2回ほど開催されていくそうです。ぜひ足を運んでみてください。ランチには、併設する「カフェ・ブラン」(サンドイッチが美味しい😊)もおすすめです。
トップ画像:Monster Ztudio/Adobe stock
文:丸山恵
◯関連リンク
・名古屋大学ジェンダー・リサーチ・ライブラリー(GRL)
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