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【名大URA通信】vol.26「企業からの華麗なる転身!?」

[1]【URAコラム】企業からの華麗なる転身!?

渡邉豊之(わたなべ・とよゆき):愛知県一宮市出身、慶応義塾大学大学院理工学研究科修士課程修了。株式会社豊田自動織機に技術職として入社後、知財部で知財業務の経験を積み、弁理士資格を取得。2017年本学URAに着任。週末は愛車のプジョーで食料をまとめ買い。最近はヘルシオで肉料理に挑戦中。

渡邉 豊之・主任URA

ー知財・技術移転部門のURAは、企業から転身された方が多いですが、渡邉さんもその一人ですね。

ー(渡邉)はい、技術職として入った会社で、自ら希望して知財部に異動しました。知財部は会社の技術情報が集まる場所で、面白いと思ったからです。材料や電機関係の技術を中心に、約15年間、企業で知財の仕事をしました。弁理士資格をとったことが契機にもなり、名大に転職して6年目です。

ー渡邉さんは、天野浩先生のプロジェクトの知財担当URAとして入りましたよね?

ー(渡邉)そうです。ちょうど天野先生を中心としたGaN(窒化ガリウム)研究プロジェクトが始まる時で、URAを募集しているのを知って応募したところ、運よく採用されました。

ー企業の知財部と、大学の知財部署とでは、どんな違いがありますか?

ー(渡邉)噂に聞いていた「年度使い切り」ルールには、やはり驚きました(笑)。企業では無駄なお金は使わず、余ったお金は次年度に持ち越しますからね。それから、仕事の進め方も違います。企業では1人がたくさんの案件を抱えてスピーディーに処理していきますが、大学では1つの成果を時間をかけて大事に扱います。1つの案件にかける熱量が違いますね。

ー渡邉さんにとっては、どっちが良かったんでしょう?

ー(渡邉)大学での仕事は、契約からライセンスまで一貫して担当したり、省庁とのやりとりが多かったりと守備範囲が広いので、僕は大学での仕事の方が面白いと感じています。

ー渡邉さんは著作権についても詳しくて、学内のセミナー講師をされたこともありますね。

ー(渡邉)著作権は弁理士資格試験の範囲でもあるので、弁理士資格をもっているURAなら誰でも知ってるんですよ。ただ、以前、論文引用問題などが話題になったときに、GaNプロジェクトの先生方から依頼されて、著作権についてレクチャーしたんです。それ以来、なんとなく「詳しい人」というイメージがついているだけです(笑)。

オフィスでもテレワークでも愛用しているキーボード。
機密情報を扱う知財・技術移転部門ではオフィスのPCを自宅に持ち帰らない。

ー現在もGaNプロジェクト専任ですか?

ー(渡邉)いいえ、今はGaNプロの先生方が主に所属するCIRFEや、その上位組織のIMaSS、理学部や工学部の一部など、担当範囲が広がっています。今は若手の先生の知財の発掘や起業支援にも注力しています。

ーこれからも仕事の守備範囲が広がりそうですね。

ー(渡邉)そうですね。実は昨年、特許庁の「特許出願技術動向調査報告書」の作成に参画したんです。省庁って毎年、いろんな報告書をまとめてますよね。あれって役人が自分たちでテーマを決めてると思ってたんですが、特許庁では一般からテーマを提案することもできるそうなんです。そこで、GaNパワーデバイスに関する動向調査について自分で提案書を作って、当時特許庁から名大に出向していた小林さんを通じて提出してもらいました。
 それが無事採用されまして、1年間かけて調査がおこなわれて、分厚い電話帳みたいな報告書ができたんです。名大のお金を使わずにこれだけの大規模な調査ができて、自分たちが欲しいデータも手に入れることができた、という成功事例になりました。

ー通常の業務をこなしながらではできない大規模な調査を、うまく国の力を借りて、お金も手間もかけずにやってのけたんですね。賢い!

ー(渡邉)最近は知財業界紙に論説も執筆しました。自分のキャリアが広がっている実感がありますし、URAの専門性を活かして活躍する場が、どんどん増えてきていると思います。

ー企業から大学へ転身された渡邉さんが、さらに華麗なる実績を上げる日があるのかもしれませんねー。

[2] 令和5年度科研費公募説明会 開催

令和5(2022)年度科学研究費助成事業の公募が7月1日から開始されたことを受けて、科研費の制度や変更点につき簡単な説明を行うほか、日本学術振興会学術システム研究センターのプログラムオフィサー(PO)から科研費応募の対策などをご説明いただきます。東海国立大学機構として、名大・岐大合同のウェビナー方式で実施します。
・日時:2022年8月10日(水)15:00 ~ 16:00
・説明:
「科研費の概要及び令和5年度公募について」(岐阜大学 教学事務部門研究推進部 小山拓実)
「最近の科研費の動向と申請書の書き方のコツ」(名古屋大学 理学研究科 教授/日本学術振興会 学術システム研究センター 主任研究員 宮崎州正)
・事前登録制、先着500名。以下のzoom登録フォームより申込ください。

[3] カーボンニュートラルに関するシンポジウム 開催

カーボンニュートラル推進のために東海国立大学機構ではカーボンニュートラル推進室を設置しました。カーボンニュートラル社会の実現のために必要な「分野を超えた知の結集」と「総合知の提供」についての基調講演、シンポジウムを開催します。
・日時:2022年9月6日(火)13:00~15:30
・会場:名古屋大学アジア法交流館アジアコミニティフォーラム
・記念シンポジウム基調講演:小林傳司(RISTEXセンター長)
・パネルディスカッション:「多様な知の協働による課題解決を目指して」
・詳細・申込等:未来社会創造機構 脱炭素社会創造センターHPで、8月上旬にお知らせします。

[4] 「名大発アカデミック・フラッシュ」第13報

若手研究者による若手研究者のための「アカデミックフラッシュ」第13弾!
・日時:2022年8月23日(火)12:00~13:00 *オンライン
・発表:名古屋大学理学研究科・菊地真理子 助教、名古屋大学高等研究院/人文学研究科・杉山美耶子 YLC特任助教、岐阜大学工学部・佐野栄俊 助教
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員も参加いただけます
・詳細・申込:http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/detail/0005434.htm

[5] 夏休みあいちサイエンスフェスティバル2022参加企画「米国ボストンでの脳科学国際共同研究を経験して」

夏休みあいちサイエンスフェスティバル2022。愛知県各地で開催中!★


おとなになっても、好きな仕事に就いていたとしても、新しい環境に身を置いて新しい出会いを経験することは、これまでの生活を振り返り成長する有意義なきっかけになります。

コロナ禍の中、本学で研究室を主宰しながらハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院にも所属し、1年間の国際共同研究に従事した講師が、環境の異なる日米で研究を進めた経験や、ボストン生活を通して感じたことなどをお話しします。さらにボストンの日本人コミュニティで活躍する実業家・広本ケビン氏を特別ゲストに招き、日本人留学生等を支える活動などについても紹介いただきます。
・日時:2022年8月28日(日)10:00~11:30 *オンライン
・講師:辻村啓太(名古屋大学理学研究科 特任講師)
・特別ゲスト:広本ケビン(EBISUYA GROUP CEO、九州大学非常勤講師)
・対象:主に中・高校生~ポスドクですが、どなたでも参加いただけます。
・詳細・申込:https://aichi-science.jp/event/detail.html?id=2670

[6] 夏の、Tongaliアントレプレナーシップ教育イベント

■ Tongaliイノベーターズチャンネル「失敗から学ぼう~3つの失敗と楽しむメンタル~」

株式会社Scrumyは2021年4月に設立して1年ほど経ちますが、これまでに何度も事業内容を変更してきました。何度も失敗し、そこから学びを得て次のステップに進みました。どのようして今の事業にたどり着いたのか、何を考えてきたのかなどについてお話しします。
・日時:2022年8月8日(月)18:30~19:30 *オンライン
・講師:笹埜健斗(株式会社Scrumy代表取締役、等)
・対象:どなたでも
・詳細・申込:https://tongali.net/events/tic2022-4th/

■ Tongaliイノベーターズチャンネル 海外編<5>イスラエル編

Tチャン海外編、第5回目はイスラエル編。問題志向型の思考方法、価値の創造、そして市場を賢く選択することについて、ゲストのNimrod氏の個人的な経験とベストプラクティスを紹介していただきます。
・日時:2022年9月7日(水)15:00~16:00 *オンライン
・講師:Mr. Nimrod Kramer(CEO and Co-Founder of daily.dev)
・使用言語:英語
・対象:どなたでも。特に大学生・大学院生
・詳細・申込:https://tongali.net/events/tic2022-intl-5th/

■ 女性起業家育成ワークショップ Ⅰ アイデア創出体験

最先端の「流行」と、現代人の「感情」を捉え、まだ世の中にない新しい商品を生み出していくアイデア創出ワークショップです。日々、皆さんが感じる「わくわくする!」「なんだか切ない」といった繊細な感情を紐解き、プロダクトを設計します。また、実際に起業された女性起業家の方もゲストにお迎えしてお話を伺います。
・日時:2022年9月12日(月)、16日(金)15:00~18:30
・会場:星が丘テラス トド(TT” a Little Knowledge Store) 
・講師:丸本瑞葉(株式会社SciEmo代表取締役 CEO)
・対象:東海地区の女性の学生・大学院生
・詳細・申込:https://tongali.net/events/women-entrepreneurs-hoshigaoka/

[7] 名大研究フロントラインPodcast&読みもの

#64 - “見る”ことのできない宇宙の始まり。重力波でその証拠をつかめ!
・理学研究科 川村静児 教授

#65 - 巨大翼竜は空を飛べなかった!? 力学計算から見えてきた新事実
・環境学研究科 後藤佑介 特任助教、依田憲 教授

最後までお目通しいただきまして、ありがとうございました!
■発 行:名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部

■問合せ:企画・プロジェクト推進部門 情報発信ユニット  
■メール:outreach@aip.nagoya-u.ac.jp  電話:(747)6790


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