【名大URA通信】vol.19 産学連携における「知」の価値付け
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■ 先生方の研究を全力支援! http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/
■ 【名大URA通信】 発行:学術研究・産学官連携推進本部
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名古屋大学の教職員の皆様、明けましておめでとうございます。今年もURAから皆様へ、学術研究・産学官連携に関する情報をお届けします。今月のURAコラム(と呼ぶことにしました!)は「産学連携における「知」の価値付け」がテーマ。共同研究に対するコミットメントを価値付けする本学のしくみを紹介します。今月は起業関連のトピックも多彩に揃いました。
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[1] 【URAコラム】産学連携における「知」の価値付け
[2] 大好評シリーズ「名大発アカデミックフラッシュ」第6報
[3] PI育成セミナー「英文書籍出版」&「大学発ベンチャーの創り方」
[4] 起業ノウハウを10分で身につける! 起業マニュアル動画公開!
[5] 第12回Tongaliイノベーターズチャンネル
「ディープテックが熱い!~文系出身者がバイオサイエンス分野に挑む~」
[6] 女性のためのソーシャルビジネスワークショップ開催!
[7] 名大研究フロントライン イベントアーカイブ動画&新作Podcast
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[1] 【URAコラム】産学連携における「知」の価値付け
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企業との共同研究において、大学では、企業からご負担いただく対価を「コスト」としてのみでなく、新たな価値への投資と位置づけ、「知」の価値付けを行うケースが増えてきています。この流れは、文部科学省・経済産業省における「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」(2016年策定)の追補版が2020年6月に出され、知の価値付けの手法が整理されたことにより加速されました。企業との共同研究で言うコストとは「直接経費」とそれに伴う管理経費等の「間接経費」のことを指し、知の価値とは①研究者の価値、②研究成果の価値、及び③研究マネジメントの価値に大別されています。今回は「研究者の価値」に関する本学の取組みを説明させていただきます。
本学では2016年から組織対組織の本格的産学連携制度として「指定共同研究」を施行・運用しています。この制度では、参画する教員(研究者)の価値分として、直接経費等のコストとは別に「教員共同研究参画経費」を企業に負担していただいております。この制度を拡充し、2020年12月より一般共同研究にも「教員共同研究参画経費」を適用可能にしました。
本経費は、承継教員等の共同研究へのコミットメントを知の価値と捉え、「人件費相当額」の標準単価を、10%エフォートを基準として、職階に応じて設定しています。例えば教授1名が共同研究に参加した場合は160万円/年(10%エフォート)を知の価値として計上させていただきます。承継教員等は、本経費をインセンティブ(次年度手当)もしくは研究室整備費(当該年度)として活用可能できます。本経費は昨年12月からの施行ですが、多くの一般・指定共同研究で適用されております。
一方で、本学の「学術コンサルティング」も、コストでなく、知の価値を対価として企業に負担いただく制度となります。本制度は教員が専門知識や知見を活用して、企業に対して、課題を見極め、必要な情報・指導を提供するといったコンサルティングを行うもので、共同研究とは異なり、新規の研究成果を求めない制度となります。なお、本コンサルティング経費は自由度の高い研究室整備等として活用が可能であります。近年、本制度の利用件数は増加しており、さらに対応分野が人文社会系にも拡がってきています。2020年度において本学の企業からの学術コンサルティングは90件以上、総額6,600万円の受入金額に達しています。
「知」の価値付けにより、企業との共同研究に対する教員のメリットも増えつつあり、今後の産学連携活動がさらに拡大することが期待されます。
(産学協創・国際戦略部門 産学協創ユニットリーダー・主幹URA
長島正明 問合せアドレス sangaku[at]aip.nagoya-u.ac.jp)
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[2] 大好評シリーズ「名大発アカデミックフラッシュ」第6報!
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若手研究者による若手研究者のための「アカデミックフラッシュ」第6弾!
・日時:2022年1月12日(水)12:00~13:15 *オンライン
・発表者:創薬科学研究科・辰川英樹助教、岐阜大学医学系研究科・堀井和弘助教、ITbM・八木亜希子特任助教、高等研究院/工学研究科・藤本和也YLC特任助教
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員も参加いただけます
・詳細・申込:http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/detail/0005282.html
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[3] PI育成セミナー「英文書籍出版」&「大学発ベンチャーの創り方」
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PI育成セミナー 研究成果発信における英文書籍の役割から出版に至るまで
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英文書籍の出版は、ジャーナル論文と並んで有効な研究成果の発表手段の1
つとなってきています。本セミナーでは、近年の国内外の英文書籍出版の動
向、具体的な効果、企画書作成から出版までの具体的な手順や準備、企画書
作成のポイントなどについてご紹介いただきます。
・日時:2022年1月18日(火)14:00~15:00 *オンライン
・講師:小泉真一 氏(Springer Natureシュプリンガー・ジャパン書籍編集部
シニア・エディター)
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員も参加いただけます
・詳細・申込:http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/detail/0005276.html
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PI育成セミナー「大学発ベンチャーの創り方」
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「起業」は研究成果を社会に役立てる手段の1つです。起業を選択するメリ
ット、起業までの経緯、ベンチャー設立のための学内支援プログラムなどに
ついて、名古屋大学発ベンチャーを起業した本学研究者などが紹介します。
・日時:2022年1月25日(火)14:00~15:30 *オンライン
・講師:野田口理孝(生物機能開発利用研究センター 准教授/グランドグリーン株式会社 取締役)、秋山真一(医学系研究科 特任講師)
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員も参加いただけます
・詳細・申込:http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/detail/0005289.html
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[4] 起業ノウハウを10分で身につける! 起業マニュアル動画公開!
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東海発起業家育成教育プロジェクト「Tongali」では、学生や教職員らが起業
をする際に手軽に参照できる動画マニュアルを作成しました。留学生にも理
解しやすいように英語の字幕も付けてあります。各テーマの専門家による解説動画を、ぜひご活用ください。
・テーマ:会社のつくり方(法人登記)、資本政策・ストックオプション、
特許・知的財産権、兼業届と利益相反、法人税務など、全10テーマ。
・動画視聴はこちらから:https://tongali.net/program/kigyou-manual/
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[5] 第12回Tongaliイノベーターズチャンネル
「ディープテックが熱い!~文系出身者がバイオサイエンス分野に挑む~」
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名古屋大学発ベンチャーのCraif株式会社は、3年半に及ぶ研究開発を経て、2022年2月に早期のがんリスクを尿より高精度で検出するサービスの提供を開始します。事業概要、起業に至った経緯やプロダクトを出すまでの苦労話、そして事業を起こすとはどういうことなのかをお話しいただきます。
・日時:2022年1月19日(水)18:30~19:30 *オンライン
・講師:小野瀨隆一氏(Craif株式会社代表取締役社長(CEO)・共同創業者)
・対象:どなたでも参加できます
・詳細・申込:https://tongali.net/events/tic2021-12th/
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[6] 女性のためのソーシャルビジネスワークショップ開催!
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昨今、女性の課題を解決するスタートアップ(Femtech:フェムテック)が世界的に注目を浴びています。本ワークショップでは、身近にある課題からのアイディア/ソリューションを考察し、ソーシャル・ビジネスを構築する手法を学びます。ビジネス構築を通して、女性としての自尊感情の向上や社会生活におけるキャリアとしての視点も入れてワークを進めていきます。
・日時:2022年2月14日(月)~18日(金)全5回 *2/9申込〆切
・講師:原健太氏(株式会社AfricaScan ゼネラルマネージャー)、
林宣伶氏(NPO法人Sharing Caring Culture理事/Imusha代表)、他
・会場:名古屋大学東山キャンパス NIC大会議室
・対象:東海地区の大学に所属する「女性」の学部生・大学院生
・詳細・申込:https://tongali.net/events/women-social-business2022/
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[7] 名大研究フロントライン イベントアーカイブ動画&新作Podcast
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あいちサイエンスフェスティバル2021サイエンストーク アーカイブ動画
「2030年の自動車像を予測する~電気自動車の世界市場展開と新材料半導体」
・未来材料・システム研究所 山本真義 教授 https://youtu.be/A835-ruWo5o
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・教育発達科学研究科 五十嵐祐 准教授 https://youtu.be/EYbgc0qFEdU
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Podcast #35 患者さんに届け!光と免疫の新がん治療
・医学系研究科 佐藤和秀YLC特任助教 https://youtu.be/7plFI0F_STU
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Podcast #36 AIが強力にサポート!脱炭素時代のパワー半導体材料
・未来材料・システム研究所 宇治原徹 教授 https://youtu.be/3h_UAdRv5gs
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Podcast#37 森林火災が北極を温暖化!?
・宇宙地球環境研究所 大畑祥 助教 https://youtu.be/kyXOu6UJgZw
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・医学系研究科 平山正昭 准教授 https://youtu.be/0eKMazCAkzI
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*noteマガジンで、Podcastの内容を、文章でもお読みいただけます。
・https://note.com/nagoya_ura/m/m1e09136b6f58
最後までお目通しいただきまして、ありがとうございました!
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発 行:学術研究・産学官連携推進本部 http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/
問合せ:人材育成・情報発信部門 情報発信ユニット
メール:outreach@aip.nagoya-u.ac.jp 電話:(747)6790
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