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脳腫瘍を1mLの尿で判定可能に! 【2】

今回は、たった1mlの尿で脳腫瘍を判定する技術を開発した、医学と工学のコラボ研究をご紹介します。

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脳腫瘍の診断といえば、CTやMRI検査が思い浮かびますよね。そのタイミングですが、手足が動かないなどの症状が出てやっと検査に行く、といった患者さんが少なくありません。脳腫瘍が見つかった時にはすでに進行していて、手術も難しいということも多いそうです。

いつでも簡単にできる検査があったら…と研究グループが着目したのが尿です。脳腫瘍から分泌される「マイクロRNA」という物質を尿の中に見つけられれば、脳腫瘍の判定ができると考えました。

ただ、尿に含まれるマイクロRNAは、遠心分離のような従来のやり方ではうまく集められません。そこで、「ナノワイヤ」という、とても小さなつらら状の結晶を使って、尿のマイクロRNAを効率的に集める技術を開発しました。

この方法で脳腫瘍の患者さんの尿を調べました。すると、健康な人の尿には見られない、脳腫瘍から分泌されたマイクロRNAを検出できました。なんと、99%の正確さで脳腫瘍を診断できたそうです。今後、早期発見への貢献が期待できそうですね。

研究を行った夏目敦至なつめあつし准教授は、「今後は人工知能を使い、機械学習によって診断精度をさらに上げたい」と意気込んでいます。
研究グループは、肺がんなどでもこの方法を応用できそうだとみて、研究中です。

詳しくは、2021年4月6日の名古屋大学研究プレスリリースもご覧ください!

ベーシック線

◯ 関連リンク

 ・夏目敦至なつめあつし准教授(脳神経外科学)

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