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名古屋大学 研究フロントライン

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名古屋大学のURA(リサーチ・アドミニストレーター)が、名大の最近の研究の話題を、柔らかめのトーンでお届けします
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2024年1月の記事一覧

大切なひともウイルスからまもる!あなたの鼻の粘膜抗体

新型コロナウイルスをはじめ、呼吸器ウイルス感染症を防ぐ一つの鍵となる「抗体」。鼻の粘膜の表面で、「分泌型IgA抗体」という抗体が早くつくられるほど、新型コロナウイルスを別の人にうつしにくくなることが世界で初めて示されました。 呼吸器ウイルス感染症において、分泌型の粘膜抗体がウイルスの広がりを抑えるかもしれません。 名古屋大学理学研究科の異分野融合生物学研究室 (iBLab)の大学院生の西山尚来さん、教授の岩見真吾さんさんらの研究グループと、国立感染症研究所 感染病理部の鈴

それって本当にグリーン…? 疑問からうまれた最小サイズの人工金属酵素

「最小」というワードがどうしても気になり、前回の訪問からそれほど日を空けずノックしてしまった石原一彰さん(工学研究科 教授)の研究室。 石原さんが取り組んでいるのは「人工金属酵素」。自然界の酵素はかなりの優れものです。これを産業にも活用していくため、自然界には見られない新規の化学反応を触媒する酵素の研究開発が盛んに行われているのです。 1990年代後半に注目され始めたグリーンケミストリーに構想を得て、長年の研究の末、昨年12月に発表した最小サイズの人工金属酵素についてお話