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名古屋大学 研究フロントライン

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ポッドキャスト番組「名古屋大学 研究フロントライン」をテキストでお届けします♪ 名古屋大学の最近の研究の話題を、週に1回、柔らかめのトーンで紹介しています。
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2023年12月の記事一覧

2023年に紹介した名大の研究、どーんと集めました

「名大の研究ってほんとに面白いんです!」を伝えたくて、2021年にスタートした名大研究フロントラインnote。2023年も、個性豊かな研究者のみなさんに、バラエティ豊かな話題を提供していただきました!今回は、編集部がゆる〜くジャンル分けしたまとめ読みリストを作りました。年末年始のお休みに、ぜひお楽しみください。 世界も注目した研究プロジェクト国際的な学術組織や海外メディアが注目した旬な研究の、オモテには出ない部分を聞きました。 くらしに関わる宇宙のお話遠い宇宙のお話もロマ

生物が教えてくれる、1000年保証のものづくり

化石って、よく丸い石の中に入っていますよね。こんな風に↓ 主役の化石ではなく、その周りの「石」に着目し、1000年保証のものづくりを目指す研究者がいます。応用地質学が専門の吉田英一さん(名古屋大学博物館 館長/環境学研究科 教授)です。 「1000年なんて、地質学的には一瞬ですよ。」 壮大なスケール感とフレンドリーな笑顔のギャップにクラクラしてしまいそうですが…。吉田さんが着目する化石を包む「石」の部分は、「コンクリーション」と呼ばれ、とにかく硬い…金属ハンマーで叩いて

リハビリ界初、筋トレ効果をネットワーク解析

適度な筋力トレ―ニングが、健康づくりや老化予防にいいことはよく知られています。でも、なぜ筋トレっていいんでしょう?筋トレしている筋肉としていない筋肉では何が違うのでしょうか!? 「筋力トレーニングをすると、骨格筋に脂肪がたまりにくくなります。」 教えてくれたのは、飯島弘貴さん。理学療法士としてリハビリテーションの現場を経験したのち、リハビリテーション医学の研究者に転身。情報科学を駆使した新しい切り口の研究を展開しています。 「骨格筋に脂肪がたまると、筋力が落ちるだけでな

デンキウナギで遺伝子実験!未知の生命現象を探せ

鬱蒼としたアマゾン熱帯雨林で、他の生物の遺伝子を使えるようになった魚や微生物が人知れず生まれているかも…? そんなロマンを感じさせる研究が発表されました。 デンキウナギの放電によって、ゼブラフィッシュの細胞に外からDNAが入ることを確かめたのは、飯田敦夫さん(生命農学研究科 助教)。ユニークな生物研究を生み出す、その“ぶっとんだ”着眼点に迫りました。 ── いったいどうしてこんな実験を思いついたんですか? 2020年、新幹線で京都から名古屋へ移動している34分の最中の

GO ―極寒北極の夜空、飛び立つオーロラ観測ロケット―

オーロラ観測は、一体全体どのように行われているのでしょうか。夜のとばりが下りる頃、どきどきワクワクしながら、オーロラ研究のスペシャリストに観測の技術と研究の「今」を伺いました。12月4日の第98回名大カフェ「GO ―極寒北極の夜空、飛び立つオーロラ観測ロケット―」をレポートします。 ゲストに迎えたのは三好由純さんです。ナビゲートは、髙橋将太さん(しょーたくん)。 三好さん:専門は、宇宙空間プラズマ物理学や宇宙電気ですが、「オーロラの研究をしています」と紹介することが多いで

新型コロナなぜ進化?人の行動から探る

コロナ禍を振り返ると、新型コロナウイルスの流行は変異株の登場とともに進んでいきました。「デルタ株」や「オミクロン株」などは、記憶にも新しいですね。 今回ご紹介する研究からは、新型コロナウイルスの性質がどのように変化してきたのかを調べた結果、ウイルスがヒトの行動と複雑にかかわって進化してきた可能性が示されました。 研究グループの岩見真吾さん(理学研究科教授)に詳しく伺いました。 新型コロナウイルスは、どのように進化してきたのか?一般的にウイルスは、増殖や感染を繰り返す中で

触媒の匠、新作は薬の原料をつかむ“投げ縄”!

医薬品開発を加速するために、いかに新しい化学反応を見つけ、薬の候補を増やせるかが求められています。では、原子レベルの化学反応をコントロールするには、どうすればよいでしょう。石原一彰さん(工学研究科 教授)によれば、大切なのは「分子構造を五感で感じる」こと。 最近開発した触媒は、優れた医薬品になる可能性を秘めた「鏡合わせ」の分子を合成できる、と言います。新作と、それを作るワザについて教えてもらいました。 ── 鏡合わせの分子というのは…? 実は、分子によっては左右があるん