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名古屋大学 研究フロントライン

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名古屋大学のURA(リサーチ・アドミニストレーター)が、名大の最近の研究の話題を、柔らかめのトーンでお届けします
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2022年11月の記事一覧

78. 世論研究者、めざすはデータドリブン国際PR

名大の国際色の豊かさは以前にお伝えしましたが、国際社会に名大の魅力を十分発信できているか…というと、実は大きな課題を抱えています。 この課題に取り組むべく、2022年4月、名大にも国際広報室が開設しました。英語でのプレスリリースや、戦略的なSNS発信で、精力的に活動しています。その室長を務めるのは、Matthew Linleyさんです。 カナダのオンタリオ州出身で、名大での留学歴もあり、「マット先生」の呼び名で親しまれるマシューさんに、国際広報室の仕事内容やご専門の政治学

77. フグ毒って匂いがあるの?フグと毒の関係に、意外な発見

こんにちは。理学研究科修士2年、成瀬美玖です。 フグは毒を持っているという危ないイメージもありますが、私たち日本人にとって馴染み深い魚ではないでしょうか。今回は、そんなフグが持つフグ毒とよく似た物質の「匂い」に関する新発見を紹介します。 フグとフグ毒 フグが猛毒を持っているということはよく知られていますね。多くのフグはテトロドトキシンと呼ばれる、猛毒を持っています。このテトロドトキシン(tetrodotoxin, TTX)はフグが身を守るための役割だけでなく、フェロモン

76. スポーツ戦術の巧みさを、情報科学で魅せる

先日、フロントラインでは、スポーツの「戦術」の研究紹介動画を公開しました。 スポーツで勝つために必要な”戦術”。実は、個人の”スキル”ともチームの”戦略”とも違うようです。 「戦術とは、フィールドの中で相手と争ったり、味方と協力したりするチームプレーを指します。サッカーやバスケットボールなど、相手がいる競技では、完璧な作戦が立てられると、それを打ち負かす新たな戦術が生まれます。戦術に唯一の正解はありませんが、どんな動きをすると成功確率が高まるか、過去のデータから定量的に評