JJFCSルーチン解説【予選通過編】

僕、なごつきこと矢口のJJF2018CSルーチンの解説シリーズです。

本戦動画↓
https://www.youtube.com/watch?v=Kp7UexF1tWc

【CS予選対策編】
CS予選について、僕の経験に基づく、特に特化型ジャグラーの方向けの対策、プラスアルファで関連した話を綴ります。

今回のルーチンは「自分らしさと過剰な満足感」が主題です。これはJJFCS予選通過の傾向と対策を考えた時に上がったテーマになります。1番参考にしたJJF2017CS男子個人部門準優勝、僕の大学同期貫井くんの動画を置いておきます。

https://vimeo.com/235222686

そもそも貫井くん本人が相当に傾向と対策を練っていたので、教科書として非常に有用な動画です。
さて、ではJJFCSの予選に通りやすいのはどのようなルーチンか、僕の考えを(貫井くんと同一かはわからないですけど)述べます。

僕は、予選通過するルーチンは

しっかりジャグリングを見せるパフォーマンスとして穴の無いように見えるルーチン

だと思っています。例年の予選通過者を見てもそうですし、CS予選審査が、審査員がチャレンジャーに対しルーチンに◯×をつけ◯の多い人から予選通過させる方式を取った、落とすための審査であることを考えても明らかだと思います。そのため、例えば
・個々の技は難易度が高そうに見えるけど、技の並びが合理性を欠いていて見にくいルーチン
・技術力はあるが、身体の動きがあまりにも汚いせいで雰囲気が台無しになっているルーチン
・雰囲気は良いが技の魅力が伝わってこないルーチン
なんかは、予選に落ちます。「なんでこの人が予選落ち…?!」ってなる場合は大抵この内のどれかに引っかかっています。突出しているルーチンよりも満遍なく完成されたルーチンの方が◯がつきやすい気がしますよね。予選の通りやすさは

すごいルーチン < 文句の言いようのないルーチン

となっています。これが本当に正しいことなのかという議論はいくらでも出て来るとは思いますがそれは置いといて現実にはこの傾向がありますし、審査員の方々はしっかりこの傾向で筋を通していらっしゃっています。とにもかくにも予選に通るためにはいかに×をつける言い訳をさせないかが肝になります。

それで、どうやったら「しっかりジャグリングを見せるパフォーマンスとして穴の無いように見えるルーチン」を作れるかなんですが、特に僕と同じタイプの特化型のジャグラーであれば(なお全部上手いジャグラー(武くんとか工藤さんとか)にはまた別のノウハウがあるとは思ってますが、話が逸れるのとあんまり自信がないのでここでは割愛します。でも、満遍なく上手い方も特化型用のノウハウは活かせるはずです。満遍なく上手いというのは満遍なく特化してるとも言えるので)、僕は

無理なく丁寧にジャグリングの満足感を出す

方針が早いと思ってます。これが正解、というよりかは、早い、が正しいです。

「無理なく」というのは、曲やキャラクターがその人自身やその人の技と相性が良い、ということを指します。例えばオタク顔の僕が荘厳でカッコいいパフォーマンスしたら、似合わないじゃないですか。単純に。たくさん練習して演技力をつけたり身のこなしを矯正したら別ではありますが、それならそれで、僕の得意技であるアルバートは曲の雰囲気を乱すとして採用できなくなるでしょう。JJFCSはあくまでジャグリングの大会ですので(ちなみにおそらくJJFCSは他の大会の何倍も、あくまでジャグリングの大会であるということを意識されています)、キャラクターのために自分の得意技を殺してしまっては本末転倒です。
じゃあどうするのが早いかというと、曲選びです。自分の技と自分の動きのクセに対して相性の良い曲を探します。先ほどの貫井くんのルーチンを思い出してください、頭に玉乗せて突っ立てるだけで絵になるじゃないですか、理想的です。人にもよりますが、特に、僕のアルバートや貫井くんのヘッドストールのような、ある程度色の濃い技を魅せたい場合は(特にJJFCSを目指す方はそういうことをしたいジャグリングオタクが多いでしょうし)良い曲を選ぶことがマストになります。僕の場合、放っておけば×をつける要因になりうる動きのダサさを逆に上手くパフォーマンスとして活かせるような曲を選ぶことで、×を回避するだけでなく自分の味にしました。

よりJJFっぽさのあるのは「丁寧にジャグリングの満足感を出す」の方です。ここは僕の趣味が混ざってるので納得できなければ読み飛ばして頂いて構いません。
どんなに魅力的な技をルーチンに組み込んでいたとしてもその技の魅力が伝わらなければマイナス評価になります。技自体が高難易度であったり希少性が高かったりしても、上手く使えていなければ技構成に問題があるとして審査員が×をつける理由になってしまいます。繰り返しますが予選に通りたいなら審査員に×をつける理由を与えてはいけません。
そこで僕は「満足感」を重きに置いて技構成を考えています。ある要素(フィッシュテイルとかボディスローとかバランスとか)やあるパート(シングルパートとかデュアルパートとか)はルーチンに組み込んだからにはその要素、パートについては必ずお客さんを満足させます。構成上や技術上の問題で満足させるに至らないならその要素やパートはルーチンから抜きます。一方で多少構成上浮いてる技でもそれ単体で魅力が十分以上にあり満足感が得られるならルーチンに組み込む価値があります(僕の場合、シングルのホリゾンタルバランスからのマリオカートレイボーループみたいなアルバートとか)(この辺の塩梅、特化型は分かりやすいんですけど万能型は悩むと思うんですよねえ……上手い人どうやってるんやろ)。
満足感を出す手法は色々あります。基礎技を披露した後本当に見せたい応用技を披露することで相対的に応用技の価値を上げる、なんてのは典型例ですね。僕が実際にどうしたのか、具体的なところは、いつかどこかで述べようとは思いますが、ざっくりとしては
シングルでお客さんにフィッシュテイルやボディースローはこれが最高だ!と思わせ満足させる

シングルを凌駕するデュアルで、フィッシュテイルやボディースローについて満足のその先を目指す
という構図になっています。

各要素やパートの満足感さえ担保されていれば、×をつけにくいルーチンになるはずでしょう。自然と技を見やすいルーチンになる上、審査員自身が満足して、この系統のジャグリングにこれ以上はない!完成されている!と思ってくれるからです。予選がビデオ審査でありパフォーマンスの魅力が生よりも伝わりにくいことを考えると、満足感を与える作業は丁寧なくらいがちょうど良いと思います。
さらに、JJFCS出場者は多くのお客さんにとって憧れと尊敬の対象であることを考えると、随所で満足感を得られるルーチンは本戦でもお客さんの高い期待感に応えることのできるJJFらしいパフォーマンスになるはずです。本戦のことも考えると満足感ベースでのCSルーチン構築は有効な手法であると思います。

長くなったり話が前後したりしましたが、以上を踏まえてJJFCSルーチンは、自分らしさに素直になれる曲を使いムチムチの満足感ベースで構成を組みました。細かいことは【構成編】に続く…かも


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