重いジャグリング
これちょっと、気持ち悪い話なんですけどね、でも自分の中で大きな転換点だったしせっかくだし。ね。
今年の7月16日、母が亡くなりました。
ウォークインクローゼットってあるじゃないですか、上着を沢山かけられるようになっている小さな部屋。その日たまたまお腹の調子が悪かったんで、朝母に内科を勧められ、行って、帰って来て、そしたらいるはずの母がいない。あれーって不思議に思っていたら、いらっしゃったんですよ、うちのウォークインクローゼットの中に。そこ、ハンガーを吊るす収納スペースであって、あなたが吊るされるべき空間じゃないんだけどな、母さん。
更年期障害って結構キツーいみたいです。太陽のみたいな母だったんですけど、最近いくつか悩みがあって、更年期障害のせいで必要以上に悩んで悩みすぎたっぽいです。遺書ないんでしらんけど。いい薬見つけて元気になり始めたところだったんですが、逆に行動力増し増しになって、ウォークインクローゼットに駆け込んじゃったみたい。遺書ないんでしらんけど。
そんで、母の発見後、それはそれはもう一家揃ってテンヤワンヤするんですけど、テンヤワンヤし終わって、夜8時くらいに帰宅して、母さんの最後の作り置きの料理を晩御飯に食べながら思いました。「色々疲れたけど、流石に、ジャグリングの練習くらいはしないとあかんわなあ。」その日はマイブームのバランス技を中心に軽く30分間くらい自室で練習しました。
本当に、ジャグリングには多方面で助けられました。亡くなった日も含めてジャグリングの練習だけは毎日続けました。練習中は身体も頭も使うので、ストレスから解放されます。その時はヘッドバランスをしながら下のスティックを操作する系統をよく練習していました。こんなんです。
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マルチタスクトリックは意識を全部技に持っていっても足りないくらいなので前代未聞の圧倒的ストレス下では最適でしたね。バランス系を中心に新技をちょこちょこ開発して、9月にはMJFやAffareに出演しました。加えて、まあこちらももちろん大きいのですが、ジャグリングで出会った仲間たちが大きな支えになりましたね。
ただ、それでも、ダメな時がありました。とにかく将来に希望がない。なんだか面白くなさそう。将来に希望がないだけならなんとでもなるのですが、その時は、生きるのが面倒臭くなってました。ちょっと嫌なこと、例えばオーストラリアの学会で大恥かいたり、があったくらいで、もう人生終わりでいいかなーって極端に考えてしまっていたんです。びっくりです。そういう破滅的な発想に陥ってしまってる自分自身に、ガラルサニーゴが進化したときくらいびっくりしました。
…これじゃあかん!僕らしくない。他人に引かれるくらい自己肯定感高いのに。これまでクソガキ扱いされて育って来たのに。
思い立ったら急いで行動。プラスドライバーを片手に家族に内緒で早速リフォーム。件のウォークインクローゼットのハンガーをかける鉄パイプの部分を、エイヤソイヤと取り外しちゃいました。だいたいデビルスティック2本分くらいの長さで、10本分くらいの重さの鉄パイプです。自分で自分の命を絶つって選択肢を人生から排除したくて、打ち勝ちたくて、僕にとっての自殺の象徴たる鉄パイプを、いやこれやっぱり言うの恥ずかしいんですけど、おでこに乗せて、ヘッドバランスをね、しました。なんなら動画も撮りました。世界一(?)不謹慎なジャグリング動画です。
鉄パイプ、やっぱり結構重たいんで、おでこが痛ーくなりました。ウルトラセブンみたいに円形の跡がついて、皮膚がヒリヒリ痛んで、ちょっと泣きました。
ただ、不思議なことに、これまたお恥ずかしいことに、それ以降死のうとは全然思わなくなったんですよね。多少嫌なことがあっても、辛くはなろうとも生きるのが面倒とは感じなくなりました。いったいどういう思考メカニズムなんですかね?僕は、自殺の象徴たる鉄パイプを、最も扱い慣れてて咀嚼しやすい"ジャグリング道具"にしてしまうことで自殺を受け止め乗り越えたのではないかと解釈してるんですけど、どうなんですかね?まあ、あれだ、どんな事象も安易にジャグリングワールドへ持ち込む気概は、ノートパソコンをジャグリング道具だと思い込んでる一味に叩き込まれたものですので、彼らには感謝した方が良さそうですね…
現在、母の命日から4ヶ月以上経ちましたが、徐々に徐々に自分が元気になっているのを感じます。よーやくジャグリングと家事以外の活動(ポケモンとダイエットのランニング)に取り組めるだけのエネルギーも溜まってきました。この調子で元気になって、またまた懲りずにジャグリングコンペティションに出場していきたいと思ってます٩( 'ω' )و
……ん?
修士論文……???
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