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世界とつながり私は変わる 4

2020年9月30日まで、本ページの動画及びテキストを全て無料公開します。
新型コロナウイルス感染症の影響で海外への移動はまだ制限され、おうち時間も長い今年の夏。ぜひ無料期間中に、少しでも国際交流の醍醐味を味わってみてくださいね。

「#世界とつながり私は変わる」プロジェクトは、毎回、NAGOMI VISITに参加されている方々2名が登場しお互いの経験を語り合う動画コンテンツです。

世界中の国々で、皆が同じ課題に直面している今だからこそ。


「国を超えて個人同士がつながること」の大切を肌感覚で実感しているNAGOMI VISITのホストの皆さんと一緒に、私たちの価値観を発信していきます。

各々が紡ぎ出すストーリーを聞くことで、「国際交流」をぐっと身近に感じていただければ嬉しいです。

プロジェクトの主旨はこちらのページでも詳しくご案内しています。

さて、第4弾は過去にホームビジットで交流しその後も友人関係を続けている杉本さんとデンマーク在住のDanさんご家族。

2015年にNAGOMI VISIT で友人となった杉本さんとDanさんですが、今回のチャリティートーク企画に合わせてオンラインでつながり、改めてお互いの近況やDanさん親子が日本に抱いていたイメージ、そして現在のコロナ禍における両国に違いなど、親しい友人だからこそのお話をシェアしてくださっています。

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英語での会話ですが、内容と雰囲気を把握いただけるように日本語字幕を付けています。

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会話の内容はもちろんのこと、もしもあなたが「海外に住んでいる友人と英語で会話を楽しむのってどんな感じ?」という部分にご興味があれば、とても参考になると思います。

ぜひご覧くださいね。


杉本
じゃあ、始めましょう。
Hello! ダンさん!アダム!

Dan
Hello! こんにちは、たいしさん!

Hello! お元気ですか?

僕たちは元気、アダムもSo(とても)元気だよ。

杉本
ダン、アダム、今日は時間をとってくれて、本当にありがとう!

Dan
もちろんだよ!調子はどう?

杉本
みんな元気でやっているわ。けんすけもここにいるわよ。

Dan
僕たちはこのコロナ騒ぎで、コロナヘアになっちゃったよ(笑)

杉本
コロナヘアって! それってデンマークで流行っているスタイルなの?

Dan
みんなやっているスタイルなんだ。

杉本
そうなのね。たしかにあなた達2人、似ている髪型かも。

Dan
そうだよ。こっちはみんなこの髪型なのさ(笑)ところで、たいしは何歳になったの? たしか5歳だったよね?

杉本
5歳になったのよ!

Dan
もう5歳だったよね。大きくなったね!僕たちが初めて出会った時は、たしかまだ1歳だったのに。


杉本
そう。この子は当時、1歳だったよね。1歳3ヶ月か4ヶ月。

アダムは?もう何歳になったの?

Adam
僕は11歳だよ!

杉本
もう11歳なのね!
あれ、もしかして、もう声変わりしているんじゃない?

Adam
そうかもね。

杉本
少し低くなってる?

Dan
そうだね、少し声変わりしてきたよ。

杉本
身長はどのくらいになったの?

Adam
えーと、1m61cm・・・

杉本
えー!もう161cmまで伸びているの!?

驚いた、去年はたしか私達、同じ身長だったでしょ?
私達155cm同士で。

でも、もうあなたのほうが大きいのね?

Dan
たいしは? 今何cmくらい?

杉本
えーと、100・・・、1m12、13cmくらいかな。

Dan
大きいです !

フェイスブックの君たち家族の投稿、いつも楽しみにしているよ。ハイキング旅行の様子だとか、ご両親の畑の様子とか。

杉本
ありがとう。でも最近は、
このコロナウイルスの影響で、なかなか遠出できなくて。

近くの公園で、子どもをちょっと遊ばせるぐらいかな。30分前まで、彼は公園にいたのよ。

Dan
そりゃ、子どもの体力が有り余ってしまうね。元気!だね。

杉本
アダム、あなたはどうしている?今はホームスクール(オンライン学習)?

Adam
ううん、今は違うよ。
今日は日曜日で、実は月曜日から学校が再開するんだ。これまでは、ビデオホームスクーリングをしてたよ。あと、たまにはちょっとサッカーもしているよ。

杉本
そうなのね。
それにしても、アダム、あなた英会話がとても上手くなっている!

素晴らしいわ! オンラインビデオの英語レッスンとかも受けているの?

Adam
ううん、英語はデンマーク語や算数の授業ほど多くないよ。

あと、YouTubeをよく見るけど、ほとんど英語の動画だから、それが役立っているかも。

Dan

最初に僕たちがホームビジットで君たちの自宅を訪れて、会話していた時のこと覚えてる?

全て英語の会話だったよね。

アダムはその頃、英語を習い始めたばかりだったのに会話をすべて理解していて、僕はすごく驚いたんだよね。

それはYoutubeのおかげだったんだ。Youtubeから多くの英語も学べてるのはすごくいいよね。

杉本
たしかに、YouTubeは英語を学ぶのによい方法よね。

Dan
けんすけはどう?英語の練習続けている?

杉本
けんすけは、うん、ちょっとだけ練習しているよ!(笑)

Dan
そりゃ良かった!練習を続けてくれよ! 頑張れ-!

杉本
彼は最近、英語のゲームを毎日してるのよ。

Dan
それは良い取り組みだね!(笑)

そういえば、これ覚えているかい? 愛用しているんだ。

杉本
わーっ、使ってくれているのね!嬉しいです。

今日は改めて伝えたいことがあって、今回の企画に賛同してくれて、
私たち、とても感謝してるの。本当にありがとう。

Dan
こちらこそ!

杉本
このビデオプロジェクトは、資金調達のためだけじゃなくて、

「全ての人がグローバル市民として暮らす日本社会」というNAGOMI VISITが目指すビジョンとか、この活動の楽しさ・ワクワク感をみんなに拡げていきたい、そんな想いからはじめたの。

だから今回は、あなたのNAGOMI VISITの思い出を振り返って、ぜひ、あなたの体験の感想や意見を聞かせて欲しいと思っているのだけれど、協力してくれますか?

Dan
もちろん協力するよ!

杉本
ありがとう。では最初の質問です。

日本を最初に訪れる前って、どんなイメージを持ってたの?あなたが日本を初めて訪れたのは、たしか2014年だったよね?

Dan
そうだね。

杉本
初来日は1人で、そして2回目の訪日の際に、NAGOMI VISITに参加したのよね?

Dan
そうそう。NAGOMI VISITに参加しようと思ったのは、アダムが一緒だったからなんだ。

初来日した時は、何をするにも1人でしたけれど2回目の来日の時は心温まる人と交流がしたいと思ったんだ。

だから、アダムのためにNAGOMI VISITを見つけたんだよね。たぶんGoogle検索か何かしたんじゃないかな。

そしてリクエストを送ってみたら、計5家族からオファーをもらった。

様々なホストの中からあなた達を選んだのはね、たいしがいたことももちろんだし、しかも、剣道の覚えがある、というあなた達のプロフィールを見て、よし!ここだ!って。

杉本
剣道ね! 

剣道が決め手だったとは!あなたも空手をやっているものね。

Dan
その通り。武道つながりだよね。これがあなた達をホームビジット先に選んだ理由だよ。

杉本
ありがとう! 今、初めて知りました。

Dan
あなたが竹刀を見せてくれたこと、すごく印象に残ってるよ。

杉本
それは光栄だわ!

でもあの時、私の防具も竹刀もだいぶ汚れてくたびれていたよね(笑)
きれいにしておくべきだったよね(笑)剣道やってたのだいぶ前だからね。

Dan
それと、駅での待ち合わせもとても良かった。僕たちは危うく迷子になりかけてたから(笑)

杉本
彼(息子のたいし君)にも説明したわ。
うん、いいね。

もう1つ聞きたいのだけれど、来日する前の、日本のイメージってどんな感じだったの?


Adam
僕にとっては、日本のイメージってあまりなかったかな。

Dan
私は、やっぱり「空手」かな。

空手の歴史を学び、本を読んだよ。その後、日本の建物や、日本家屋にも興味が拡がって僕にとって、すごく新鮮だったし興味を持ったんだよ。

だから日本へ行ってみることに決めたんだ。

それと、「日本の多様性」についてとても興味をもっていた。

例えば、ピカピカの超高層ビル群の隣に、歴史あるお寺が残されている風景、近代化された賑やかな通りから1本奥に入れば、緑の静けさが広がる街並みなど、

たくさんの正反対なものが共存しているっていうのが日本のイメージだった。

杉本
なるほど、それは鎌倉とか京都のイメージ?

Dan
そうだね、それもあるけど本当にすぐ隣同士に正反対なものが共存してるよね。本当にすぐ隣同士に正反対なものが共存してるよね。

杉本
真新しいビルと、昔ながらの建物が隣あっている面白さ?

Dan
その通り。それに日本人はとても働き者で、ストレスが多い生活だよね?

杉本
ええ、そうですね。笑

Dan
でもその一方で、子どもと公園で過ごす時間や、花見を楽しむ文化があったりするよね。

忙しい生活と、リラックスする時間を共存させる、多様性がある暮らし。日本にはそういうダイバーシティがたくさんあるんだなと思ったよ。多様性だね。

杉本
多様な暮らしを共存させる、日本人のバランス感覚に、興味をもっていたのね。
なるほど。それでは、実際に日本人の我が家にビジットした感想を聞かせてね。

アダム、あなたに聞いてみたいんだけれど、日本の家庭に来てみて、何か驚いたことってある?家のなかとか、習慣とか、デンマークとどんな違いがあった?

Adam
えーと、やっぱり、スリッパかな。

杉本
え?スーパー?

Adam
そう。

杉本
スーパー、日本のスーパマーケットのこと?

Dan
君たちの家にあった「スリッパ」のことだよ。

杉本
(混乱中・・・)スリーパー、たいしが着ていたのかな?

Dan
玄関にスリッパが並べられてあっただろう。デンマークとは違う習慣で、あれが印象に残っているよ。

杉本
おお、なるほど「スリッパ」ね!

他にはありそう?

Adam
うーん、もっと思いだしたいけど・・・もう忘れちゃった。

Dan
もうだいぶ時間が経ってしまったからね。アダムはまだ5歳、いや6歳だったかな。今11歳だから、もうその後の人生が半分だよ。(笑)

杉本
確かに、難しい質問よね。アダム、ありがとう。

Adam
新しい友達が出来て嬉しくて、もう一度会いたいな、
また日本に行きたいって思ったよ。

杉本
我が家に初めて来た時に、何を食べたかは覚えている?

Dan
僕はもちろん覚えているよ!アダムはどうだろうか、聞いてみよう。

Adam
・・・えっと、餃子?

Dan
「餃子かな?」って彼は応えたけど、それは2回目。
君のお母さんやお祖母さんにもお会いした時に作ってくれたメニューだね、って。

あの時のことは鮮明に覚えてるよ。その時は、娘のアマンダも連れていったんだよね。

杉本
そうそう、アマンダも来てくれた時ね。

Dan
2017年だね。 

その時にみんなで撮った写真を僕たちはとても気に入っていて、友達にNAGOMI VISITのことを話す時は、その写真を見せるんだ。すごくいい思い出だよ。

杉本
まあ、そんなことを聞けてとても嬉しいわ。 私の祖母は、今は老人ホームにいるのよ。

Dan
おお、そうなのだね。
もうだいぶ高齢だったけれど、変わらずお元気かい?

杉本
ええ、老人ホームでも元気に過ごしているわ。もうすぐ90歳よ。でも、身の回りのことは全部ひとりで出来るのよ。シルバーカーは必要だけど、自分で歩けるし。

Dan
それは良かった。

杉本
ただね、私の母も働いているし、日中は祖母がひとりでしょう。それがちょっと心配だったの。だから去年、老人ホームに入居して安心した。祖母も第二の人生を楽しんでいるわ。

Dan
それは良いね。もう新しい友人も出来たのかな。

杉本
ええ。デンマークでは、老後を老人ホームで過ごすことは普通なの?

Dan
そこは日本とデンマークのとても違う点だね。日本は老後も自宅で過ごすことが一般的なようだけど、デンマークでは、老後はケアホームで暮らすことのほうが一般的かな。自宅で両親や祖父母の面倒を見るということは、すごく稀なケースだと思うよ。だからほとんどの場合は、必要な時期になったら施設で過ごすことになっているはず。

でも、僕自身は日本のやり方もいいと思うんだよね。だって、もっと家族と近くにいられるんだから。デンマーク式と比べてね。

杉本
なるほど。でもデンマーク式だと、家族みんなが自分の人生を楽しめる、という利点がありそうね。

Dan
それはそうだね。

杉本
そういうバランスは大事ね。

Dan
何事にも、いい面とよくない面があるよね。

杉本
そうだね。

Dan
ところで、僕はもちろん、最初に君たちの家で振る舞ってもらった食事を覚えているよ。

たしか、「たこ焼き」じゃない?

杉本
大正解!覚えていてくれたのね。

もちろん。
ケンスケがたこ焼き作りの才能を披露したことも覚えているよ!

杉本
実はあの日、私達も初めて、家でたこ焼きを作ったのよ。

Dan
え?本当に?

杉本
関西ではお馴染みのたこ焼きパーティーなんだけど、関東出身の私たちには馴染みがなくて。で、ちょうど良い機会だから試してみたの。

Dan
とても美味しかったよ!

杉本
それは良かった!アダムに楽しんで欲しくて、準備したから。

Dan
一緒に料理したのは、とても楽しかったよね。

杉本
「いなり寿司」も準備したけれど、覚えている?甘く味付けされた、油揚げの・・・

Dan
何だろう? うーん、覚えていないなあ。

杉本
覚えてない?
ダンさん、「これは綿あめの味に似ているねえ」って言っていたわ。

Dan
もしかして、金色の皮に包まれたごはんのこと?

杉本
そう、それ! 油揚げを、醤油と砂糖で、甘辛く煮ていて・・

Dan
ああ。思い出した。あと、「納豆」も試したような…。

杉本
そうそう、「納豆」も試したわね!

Dan
悪くない味だった。

杉本
ほんとに?

Dan
うん。確かたいしも納豆好きだったよね。

杉本
あなたはきっと前世で日本人だったんじゃない?(笑)

Dan
あと、アダムに強烈だったのが、梅干し!口に入れた瞬間の顔ったら、こんなだったよ!

Adan
餃子の作り方を何かで見て知っていたから、梅干しを見たときに「これは餃子だね」と思って口にしたんだよ。

Dan
餃子だと思ったんだって。小さい餃子に見えたんだね。彼にとっては忘れられない経験だね。

杉本
あのリアクションは、私達が以前、リコリッシュを初めて食べた時にそっくり!

スウェーデンからのゲストにリコリッシュをお土産で頂いたんだけど、一口食べた時の反応が、正に一緒だった。食文化の違いって、本当に面白いよね。

杉本
じゃあ、ちょっと話題を変えてみようかな。他の国にも友人や知り合いがいるって、どんな気持ちですか?どんなところが良い点だと思う?

Adam
僕はすごく良いことだと思う。だって、こうやって別の国に住んでいても、

お互いに相手の国のことを知ることができるよね。そしてあなた達に会える。それって、すごく素敵だよね。

杉本
その気持ち、よく分かるわ。

Dan
お、たいしが僕らを狙っているよ(笑)
※発泡スチロールのピストルを画面に向けている

あと、Facebookであなた達をフォローできることもすごく良いと思ってるよ。

あなた達の投稿から日常生活を知ることが出来たり、こうやって日本とデンマークの違いについて話すことが出来たりすることかな。

例えば前にも、デンマークと日本それぞれの保育園事情について話したりしたよね。話を聞くと、やっぱりいろんな面で違いがあるなって実感する。

そういう面で、この友人関係から色んなことを学んでいるなと感じるよ。

杉本
私も全く同感だわ。

Dan
あともちろん、僕たちが日本に行く度にあなた達と会えることもすごく嬉しいよ。もう4回は会ってるかな?

杉本
私達が去年デンマークを訪れて再会した分を入れたら、もう5回目になるわね。

Dan
そうか、もう5回目になるんだね。それに、君のお母さんや、お祖母さんにも会えたのは、とても嬉しかった。

杉本
ありがとう。あなたにとって、日本をとても近い国に感じてくれているのね。

Dan
その通りだよ。

杉本
もちろん、日本とデンマークは距離があるけれど、心と心の距離は近くいられる。

Dan
そうだよ。君たちと出会ったことで、例えば日本で地震があったと聞けば心配になるし、いつもどうしているか気になっているよ。

杉本
いつも連絡をくれることが有難いなと私も感じていて、例えば去年大きな台風がこの地方を襲った時にも、 あなたや他のゲストからも安否を心配してもらって、すごく勇気づけられたの。

海外にもそんな友人が居るって、私達にとっても心温まることだった。

Dan
そうだよ。そして、君たちは去年デンマークを訪れて、それとノルウェーのゲストにも会いにいったんだよね?

杉本
ええ、そうよ。

Dan
日本で歓迎してくれた君たちと、次は自分達の国で再会できた。今度は君たちが、個人ガイド付きで、違う国の日々の暮らしを体感出来るって素敵なことだよね。

杉本
そう、私達があなた達の家庭やノルウェーのゲスト宅で逆NAGOMI VISITをしてみて、デンマークやノルウェーの、リアルな生活を知ることができたわ。

デンマークの日常生活がとてもシンプルで理路整然としていることに驚いたの。合理的で無駄のない暮らしに感銘を受けた去年の旅行は、とても学びが大きかった。

Dan
それは良かった。またいつでも歓迎するよ。

杉本
ありがとう。私達いつでも、いいえ、私が、今すぐ行きたいくらいよ。(笑)

あなた達との交流があることで、デンマークについての話題、例えばコロナウイルス関連の報道や、最新の政府動向もチェックするようになったわ。

Dan
そうだね。僕たちも日本の最新ニュースや安倍首相の政策をチェックしてるよ。

杉本
アベノマスク、ね!あと1、2週間もすれば、アベノマスクが我が家に到着するはずよ。

Dan
そうなんだね。

杉本
あなたはデンマーク政府のコロナ対応に満足してる?

Dan
ええ。デンマークはこの状況をよくコントロール出来ていると思うよ。

早めにロックダウンを宣言し、国境を閉鎖したことで、大きな代償も払ったけれど、感染拡大を押さえ込んでいるんだ。月曜日にロックダウンが解除されることをうけて、明日(4月20日)からはアダムの学校も再開できる見込みだよ。

杉本
明日が、学校再開なのね!

Dan
ええ、有難いことに。経済はもちろん大打撃をうけたけれど、このコロナ騒動を乗り越えたように、割と早く回復できると僕は信じている。

杉本
コロナの影響による被害は少なくは無いけれど、深刻な状況にならずに済んでいる、ということ?

Dan
そうだね。一方で、国境封鎖をしていないスウェーデンのやり方では、正しい数字は覚えていないけれど、死者数はデンマークと比べてだいたい倍の数まで達しているようだよ。

杉本
たしかにスウェーデンは独自のコロナ政策を打ち出していて、ロックダウンや国境閉鎖が無いと聞くわね。

Dan
その通り。そして同じことはイタリアでも起きているよね。イタリアもやはり国境は封鎖していなくて、深刻な状況になってしまった。僕は、デンマーク政府はよくやっていると思うよ。

杉本
あなたが住んでいる地域はスウェーデンとも近いし、気になるわね。去年訪れた時、沢山のスウェーデン人があなたの街に居て驚いたわ。

Dan
それはかつての見慣れた風景だよ。国境が閉鎖された今は違うけれどね。今は、ここで働いていたり住んでいない限り、スウェーデン人は国境を超えることが許されていないからね。

杉本
そうなのね…このコロナ渦の影響で差別問題、特に外国人に対する差別が起きていると聞くけれど、あなたの周りでも、そんな話を聞いたことはある?

Dan
僕の周りや友人関係ではそういった話は聞かないけれど、建設現場でそういった問題が起きていると聞いたことはあるよ。

杉本
建設現場で?

Dan
外国人労働者が多くを占める職場だからね。デンマークはEUの加盟国だから、東欧などから仕事を求めて多くの人が国境を越えてくる。

でも国外から来る労働者の中には新型コロナウイルス感染者も含まれるのではないか、と不安が高まって差別感情が沸き起こるっていう状況のようだ。

杉本
それは悲しい話ね…。

Dan
そうだね。もちろん、国境を超えて最初の2週間、彼らは自宅待機が要請されるわけだから、それもハードだよね。

杉本
そういうことなのね。単純には解決できない差別問題…切ない話だと感じるわ。

Dan
日本はどう?何かそのような差別問題は起きている?

杉本
そうね、この世界的大流行が始まった頃、中国人を憎んだり差別をする人達もいたの。 コロナの発生源の出身だ、ということで。

でも今は、医療関係者やその家族に対する心ない差別が起きているわ。

Dan
まさか?本当に?どうして、医療従事者に対しての差別なんて起こるんだ?

杉本
本当にとても愚かなことなのだけれど、病院で働く医療従事者は、新型コロナウイルスの濃厚接触者であり得ると考える人もいるようなの。

医療従事者が濃厚接触者だということは、その家族も同じだ、と考える人もいて、感染防止として、医療従事者の子どもの登園を拒否する保育園や幼稚園も出てきてしまっているの。

この現状に、心痛めている多くの医療従事者がいるのよ。

Dan
そりゃそうだよね。

杉本
本当に酷いことだと思う。彼らが、最前線で戦ってくれて、私達の国を守ってくれているというのに。 本当に愚かだわ。

Dan
そうだね。デンマークの状況とはだいぶ違うな。

こちらでは、看護師や医療従事者はヒーローとされているよ。もちろん、差別感情を抱く人はいるけれど、ほとんどの人が、医者や看護師といった医療従事者を応援している。

また、たとえ実際に新型コロナウイルス陽性の家族がいる子どもであっても、子ども達の登校や登園、就学を続けるのは大人の義務でもあるんだ。

現状はルール変更されて、登園や登校をさせるかどうかは各家庭の判断に任せられるようになったけれど、日本とはだいぶ違うアプローチだね。

杉本
そうね。だいぶ違うみたい。

たぶん日本では、テレビやインターネット上の報道に対して不信感があって、何が正しい情報で何がそうでは無いか、判断するのが難しくなっているように感じるの。

Dan
デンマークでは、政府の公式HPからも新型コロナウイルス最新情報を得ることが出来るし、どこにアクセスすれば確かな情報を得られるか、皆分かっていると思うよ。

それに警察からは、注意すべきポイントや 情報が、各個人の携帯に直接ショートメールで送られてくるんだ。デジタルメールボックス環境が整えられているから、政府からも直接メッセージが届くし。

デンマークの情報の信頼性はとても高いと感じているよ。

杉本
そうなのね。その情報システムへの信頼性、とても素晴らしいと思うわ。

それと、デンマーク首相が子ども向けにコロナウイルスに関する質疑応答を行ったと聞いたわ。

Dan
ああ、それもあったね。子ども達に対して、コロナ渦を怖がりすぎなくても大丈夫だよ、とメッセージを送ったんだね。

杉本
そうなのね。とても興味深いわ。

アダム、明日から学校が始まるのね? 友達に久しぶりに再会できるってこと?ワクワクしている?

あはは、ダンさんが大喜びしているかも!
明日は自由の身、ということね。

おめでとうございます(笑)

良かった。私達もなんだか嬉しい。

あなた、何か質問残っていない? 大丈夫?

今日は、あなた達とお喋りできて、本当に嬉しかった。

私たちと過ごしてくれてありがとう。

Dan
こちらこそ、楽しかったよ。

トゥーセンタック!
※デンマーク語で「ありがとう!」

Dan
セルタック!
※デンマーク語で「どういたしまして。」

「どうぞ」っていうんだっけ?

杉本
「どういたしまして。」難しい日本語ね。

また必ず、デンマークに会いに行きますね。このコロナ渦が収束したら、必ず。

Dan
もちろん、大歓迎だよ。

杉本
そして、我が家はいつでもあなた達を歓迎して待っているのを忘れないでね。
あ、もちろんコロナウイルスの件が落ち着いた後の話ね(笑)

Dan
ありがとう!子ども達はよく、「次はいつ日本に行くの?」って聞いてくるんだ。

だから、早めに行かなくては、と思っているよ。

杉本
その通り!必ず来なくちゃ。


Dan
そうするよ。


杉本
今日は話せて良かったよ。ありがとう。

Dan
じゃあ、「またね!」でお別れしよう。

全員
またね!ありがとう!

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