「ありのままでいいんだよ」と言ってくれるような島 〜小豆島旅行記〜
私は旅が好きだ。
旅を通して、新しいものに出会い、感情が揺れ動く。自分のことを発見して、自分をより深く理解していくことができる。だから私にとって旅は、人生に欠かせない存在だ。
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先日、家族で小豆島に行ってきた。旅に出かけるとき、私は直感で行き先を決める。そして、あまり下調べをしない。だけど、旅先でいつも自分との隠れた縁を感じることがある。
今回訪れた小豆島でも、そんな出会いがあった。その時のエピソードを今日は少し残しておきたい。
DAY1 高松空港〜フェリーで小豆島へ
ソウル在住の私たち家族は、仁川空港からまず高松空港に向かった。仁川空港から高松空港はなんと1時間20分!近い!
飛行機の着陸する瞬間がいつも好き。ずっと変わらない海の風景だったところから、一気に街並みが見えてくる。いよいよ、旅のはじまりのワクワクを感じられる瞬間だ。
飛行機の上から見る高松の風景が、まるでお茶畑かのように、緑に溢れていて驚いた。
緑の色が、こんなにも地域によって違うのか。飛行機の上から見る高松の山の色は、優しく包み込んでくれるような、そんな魅力があった。
空港で、先に日本入りしていた夫と長女と合流し、レンタカーを借りて高松港へ。高松港から車を乗り入れて、小豆島へ出発した。
昔、旅客船に関連する仕事をしていたことがあった夫は、車を乗せて船に乗ることが人生の夢だったらしい。
出会ってもう17年も経つけれど、夫にそんな夢があったのを、今回初めて知った。夫の人生のバケットリストを一緒に一つ消費できた気がして、嬉しかった。
小豆島に到着。すでに17時を過ぎていたので、この日は何もせずにレンタカーでホテルへと向かった。
温泉とバイキングディナーを食べ、浴衣の貸し出しに長女と共に興奮して、アメニティの充実さ、子連れ客への配慮のあるサービスに心が温まり、私はもう小豆島を好きになっていた。
こうして、小豆島での1日目は終了した。
泊まったホテルはここ👇
DAY2
朝からホテルステイを満喫する母娘
朝型の娘たちのせいおかげで、朝5時半に起床。せっかく早起きしたのだから、もしかしたら、朝日を山の上の露天風呂から見られるかもと思い、再び長女とともに最上階の温泉へ。残念ながら、時間が遅く見られなった。
ホテルの山の上にある温泉は最高だった。夜は星空が露天風呂から見られて、朝は瀬戸内海の絶景に包まれる。
その後は、朝ごはんのバイキング会場へと向かった。醤油の街と言われる小豆島ならではの、いろいろな醤油を味比べしながら試食できるコーナーや、だし巻き卵、小豆島の名物「ひしおどん」。朝ごはんに大満足!!
二十四の瞳映画村へ
そして、2日目の始まり!向かったのはホテルからアクセスがいい「二十四の瞳映画村」。
瀬戸内海の海沿いにある当施設は、映画「二十四の瞳映画村」の撮影セットを改築したもので、昭和初期のような雰囲気の楽しめる場所。
撮影セットに使われた学校の校舎が海沿いにあり、ここから見る瀬戸内海が最高だった。
瀬戸内海の海は、おだやかで、ありのままの私を受け入れてくれる。無理なく、ゆっくりと過ごす。そんな時間を与えてくれる海だと感じた。
👇詳細はこちら
オリーブ公園〜オリーブ園を散策
お昼をオリーブ公園駐車場付近にあるカフェですませ、小豆島の代名詞であるオリーブ公園へ出発。
小豆島オリーブ公園は魔女の宅急便の実写版の舞台にもなった場所(だったらしい)。キキが働いていたパン屋さんのロケ地となった建物など、おしゃれなフォトスポットにも溢れる場所だった。
ほうきの貸し出しをしてくれて、園の中でキキになりきりながら、撮影することができる。
幼稚園時代ハロウィンでキキの仮装をして、一躍スターになったことのある娘は、魔女の宅急便が大好き。
私も魔女の宅急便は、長い海外生活の中で何度も見てきてた、私にとっては特別な作品なので、お目当てではなかったものの、この場所に導かれたような気がしていた。(詳しくはこちら)
オリーブ公園を散策しながら、隣接するオリーブ園へと向かった。オリーブ園には樹齢100年になる日本最古のオリーブの原木がある。
小豆島でオリーブが実をつけるまでは、官民一体の努力があったそう。今や100%小豆島産のオリーブオイルができるくらい、たくさんの実がなる小豆島のオリーブ。
木を植えて、環境の違いを克服しながら、実がなるまで試行錯誤の開発を続ける。そして、世代を超えながら栽培を継続していく。
「小豆島にはオリーブがある」っていう当たり前の事実の中に、きっとたくさんの人の知恵や想いや努力があるんだなと感じた。
オリーブを一つ一つ手摘み収穫している小豆島の人々を見ながら、そんなことを考えてて、オリーブの道を歩いていた。
疲れた体を癒すため向かった海沿いのカフェ
もう少し観光地を巡りたい気持ちもあったけど、夫婦揃って数日前から腰痛に悩まされていて、体が限界だった。次女も疲れて機嫌が悪くなっていたので少し休憩できる場所を探すことに。
少しドライブしながら、カフェを検索。すると良さそうなカフェが出てきたのでそちらに移動することにした。
行ったのはこちらの店👇
小さなキッズスペースが用意されていて、子どもたちもゆっくり遊べるのが嬉しい場所だった。
こういう旅先で出会う偶然のお店が好き。
島の梅とレモンでつくられたクラフトコーラがとても美味しくて、お土産に一つ購入。秋の食材を使ったパフェもとても美味しかった!
帰りにカフェの周りの海を少し散策して、この日はホテルへと戻った。
DAY3 妖怪美術館からエンジェルロードへ
ゆっくりかみしめるようにホテルステイを満喫し、チェックアウト。この日は小豆島の最終日。お昼頃のフェリーに乗るために、朝9時ごろエンジェルロードに向かった。
途中、妖怪好きの長女が行きたがったので、妖怪美術館に寄った。古民家を改装して、何件か巡るかたちの美術館で面白いコンセプトの美術館だった。
そして、エンジェルロードへ。
エンジェルロードは、干潮時に海の中から現れる砂の道。1日の中で、道を渡れる時間は限られている。
大切な人と手をつないで渡ると、願いが叶うと言われている。
私にはそんな大きな願いはないけれど、いつまでもこうやって家族で旅行に来られるような、そんな日常を過ごせたらいいなと思いながら、長女と手をつないで渡った。(このとき夫は次女の暴走に付き合っていたw)
小豆島最後のごはんは小豆島ラーメン。
エンジェルロードに行く途中に発見したこのラーメン屋さん。店の佇まいから絶対美味しい!と夫婦で最後のランチはここで食べようと決めていた。
小豆島はどこのお店に行っても子連れウェルカムな雰囲気があって、とっても嬉しい。ここも子ども用のお椀やフォークが用意されていたので、子連れでも気軽にいることができた。
ラーメン屋を最後に、土庄港へ。名残惜しくもフェリーに乗り、小豆島をあとにした。
小豆島から見る、瀬戸内海の優しさに包まれた3日間だった
あまり下調べをせずに、小豆島へ行き先を決めていたけど、行ってみたら私の好きなものと自然につながっていて、この場所に惹かれるものがもともと多かったことに気づいた。
そういえば、私が始めて小豆島を知ったのは「八日目の蝉」の小説を読んだときだった。
不倫相手の子どもを誘拐し、その子どもを育てた希和子が最後の行き着いたのが、この小豆島だった。
この小説で小豆島が最後の舞台になった意味がよくわかった。
小豆島から見る瀬戸内海の海は、とても穏やかで、優しかった。なんでも許してくれるような、そんな海の風景をしていてる。
子どもを誘拐するという許されない行為をした希和子だけど、きっと小豆島の海に許される気分だったんだなと。
「大丈夫だよ。」
小豆島にはそう話しかけてくれる海がある。
また一つ、私たち家族にとって、特別な場所が増える旅となった。