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偽善


六月三十日
掠れた声を引っ掛けて
鳴き続けている仔猫を
夕闇の中探しました

裏の畑は
長い茎が伸び切っていて
とうとう見つけることは
叶いませんでした

白い猫が
夢にふらっと
何を問いかけるわけでもなく
私をじっと見つめています

動けない私は
ぎゅっと瞼を瞑ります

はたっと目が覚めた
深夜三時
雨がさあっと降っていて
その雨脚の中に
幻を聴きます

裏の畑から仔猫の声が聴こえなくなって
この夜で二日



今日は珍しくちょっと深みのあるものを、どうぞ。

やらない善よりやる偽善。
だけど偽善は、ちょっとエゴ。

良いことしている自分が、好き。
良い子な自分が、好き。

それでも、目の前で救えなかったあの子は
今頃私を恨んでいるのでしょうか。

雨の降る夜、真っ暗闇で小さなあの子を探した私は
やっぱり偽善者だったのでしょうか。

放っておくと、後味が悪いから。
自分が悪者みたいに思えてくるから。

恋する自分に恋しているなら、
良いことしている自分に酔ってる。

それでもいいなら、私は今日も良い子にしてる。
自分のために良いことをする。

ちょっとブルーになってしまわれたでしょうか。
でも、今日はそれでいいことにしましょう。

何でもかんでも言い訳しちゃう自分も
汚い自分も
嫌いな自分も
たまにはこうして見てあげなくちゃ。

「私は人類の敵だけど・・・エレンの味方」
進撃の巨人の登場人物である
最低最悪の超悪い子、ヒストリアのセリフです。

このセリフ好きなんだよなぁ。


今日も独り言にお付き合い頂き、ありがとうございます。
素敵な一日をお過ごしください。

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