傘をさして植物園へ行った話

9月下旬に京都府立植物園へ行った話をします。
植物園はいいぞ、という話です。

はじめに植物園の地図を貼っておきます



植物園に行った経緯

休日に北山周辺をぶらぶら歩いていました。
さっきまで降っていた雨がやんで、差していた傘を閉じました。

少し疲れて、どこかに座って休みたいと思っていたら、コンサートホールを少し南に行ったあたりに開けた場所がありました。奥にあったベンチに、吸い寄せられるように向かっていきました。

ベンチは少し雨でぬれていましたが、座っても大丈夫そうな場所を探して座りました。そこからは比叡山がよく見えました。その日は雲がずいぶん低いところまで下がってきていて、なんだか魅力的でした。

これがその時の比叡山の写真です。

座っていたベンチの近くに、植物園の東側の入り口がありました。
家に帰るために北山駅の方に出たかったので、ついでに行ってみるかと思って門をくぐりました。

傘を差した

門を入ってすぐ、傘を差しました。
雨は降っていませんでしたが、生えている木々が葉っぱに雨水を溜めこみ、風が吹くと大量の水を投下してきます。せっかく傘を持っているんだから、使ってやった方が傘も喜ぶだろう、と傘を開きました。

傘を開いて、そういえば雨の日に植物園に来たことはなかったな、と思いました。植物園にはこれまでも何度か行っていましたが、私は休日も家の中で過ごすのが好きなので、普段雨の日は無理せず家に籠もっています。傘をはさんで見る植物園の風景は、いつもの植物園と少し違って見えました。

それに気付いたのが嬉しくて、蓮の葉っぱに向かって「おそろいだね」とつぶやいてしまいました。いつもとは少し違う植物園散歩のスタートです。

彼岸花との出会い

さて、どこに行こうかと考えながら、くすのき並木の方へ歩いていると、芝生の広場につづく方に、彼岸花が咲いているのに気付きました。鮮やかな赤色の花に目を奪われ、近づいて写真を撮りました。


撮った写真を確認し、前を向くと、もう少し先にも彼岸花が咲いているのを見つけました。そうだ、今回の散歩では彼岸花を追いかけていこう、と決めました。

広くて誰もいない芝生広場を見て、なんて静かな場所なんだろう、と思いました。さっきまで雨が降っていたので他の人の姿はほとんど見えず、鳥の鳴き声と自分の足音だけが聞こえていました。

落ち穂拾いと木彫りの熊

芝生を横切るとき、3羽の鳩が並んで地面に落ちている何かをつついているのを見ました。3羽の並び方や、下を向いて地面をつつく姿勢がミレーの『落ち穂拾い』という絵に似ているなと思って、写真をとりたくて追いかけました。
すぐに鳩は追いかけられていることに気付いて、私から離れようと落ち穂拾いをやめて早足になりました。飛んでいけばいいのに、羽が雨で重たくなって飛びにくかったのか鳩たちは並び方を変えずに早足で逃げました。

諦めの悪い私は、それを見て「まだチャンスはあるかもしれない」と鳩たちを追いました。鳩からしたら結構怖かったと思います、ごめんね。

鳩を追いかけて、気付いたら「森のカフェ」の入り口まで来てしまっていました。カフェの入り口には「WELCOME」を持った木彫りの熊さんがいました。植物園にはこんなのもいたんだ、と見ていると、下の方にラミネートされた張り紙を見つけました。張り紙にはこう書いてありました。

「平成30年 9月の台風21号で倒木した
園内の樹齢 約50年の杉から作りました。
これからも長く来園の皆さまをお迎えします。
末永く可愛がってください!!」

愛を感じました。また来るね。

2か所目の彼岸花

ここで2か所めの彼岸花を発見。
隣の花も含めてきれいに写真が撮れました。

いい写真が撮れたので、満足して北山門へ向かいました。
途中で像と彼岸花がいい感じに並んでいる所があったので、もう一枚。

守りたい、この環境

とても満たされた気持ちで北山門を出ました。
京都府立植物園に行くと、いつも植物や植物に寄ってくる動物に癒やされます。本当にいい場所だ。定年退職したらここの近くに住んで、年パスを買って毎週通いたいと本気で思っています。

しかしこの植物園は今、京都府がこっそり進めている「北山エリア整備基本計画」によって変えられようとしています。私の老後の計画が早くも崩されかけています、、それはどうでもいいか。

植物園のすぐ南にある京都府立大学の体育館を、なぜか国際大会を誘致するような規模のアリーナに建て替えて、人とお金がたくさん集まる「にぎわいの拠点」にしようとしています。そんなことほんまにできるんかいな。

この計画には植物園を愛する人たちから強い反対の声が集まっています。
「なからぎの森の会」さんが始めた見直しを求める署名には、電子署名だけで6万筆が集まっています。


京都府の計画は、京都府立大学の学生からも課外活動の場を奪いかねないものです。
学生からも見直しを求める声があがっています。


京都府がこの計画について発信しているHPのリンクと、「なからぎの森の会」さんのブログのリンクも下に貼っておくので、よかったら見てみてください。

〈京都府のHPリンク〉

〈「なからぎの森の会」ブログ〉

https://nakaraginomori.com/

おわりに

植物園に行って楽しかった話を書くつもりが、なんか途中から話が違う方向に飛んでしまいました、、
でも、北山エリアの計画を知って、考えていくことは今の植物園の魅力・北山エリアの環境を守るために大事なことだと思っています。
はっきり言うと私は、この計画について声をあげている人たちの声を「一部の住民の声」と言って切り捨て、方向転換しない今の京都府に怒っています。

もうすぐ100周年を迎える京都府立植物園は、長い間地域の人に愛され、守られてきました。植物園の魅力はその人達がいちばん知っています。

ここまで読んでくださったみなさんも、ぜひこの計画について知り、考えていただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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