【感想】映画大好きポンポさん

上映期間終了間近でしたが、行ってきました。前情報ほぼ無しでしたので、原作との相違点とかはわからないのですが、この作品によって感情を突き動かされた履歴が脳から零れる前に急いで書かなきゃ!

・まさかの映像編集にスポットライトを当てた作品…!編集に着目した作品って初めて見ました。
どんな作品でも、間延びした瞬間に冷めてしまうもの。ながら見できないアニメならまだしも、劇場で上映するなら尚更ですよね。おそらく「お、この作品テンポいいな」って視聴者が思えるその裏には血涙を流しながらカットした誰かがいるんだって気づきました。
そういえば、シンエヴァもQ以前の空白の期間のシナリオはできてるけどシンジくんが出ないからカットしたそうで。確かに全部盛り込んだら体力あるファンしかついてこれないですね。

・上映時間やりおるなあ!!!!!劇中で撮影される『MEISTER』も90分。この『ポンポさん』も90分。でも90分には思えません。それぐらいの高密度でしかも序盤の説明シーンもガンガンブッ飛ばす。でもわかりやすい。つまり『ポンポさん』を制作する上でもカットするのに迷った人がいる!そういうことか!

・ポンポさん主役だと思ってた。師としてのポンポさん、映画を作る上での困難を解決してくれる舞台装置としてのポンポさん、そしてジーンくんの第一の観客としてのポンポさん。この作品にとって大切な存在。

・撮影には多くの人が関わっていることが強調される一方で、ジーンくんが編集するときはほぼ一人で行われる。確かにナタリーちゃんが一緒にいた時もファーストシーンがカットされて残念がる様子が見られました。ただでさえストーリーの繋がりを損なわない範囲で切らなきゃいけないのに、思い出が…って話になってくるとキリないもんな…

・(映像編集をやったことがない筆者が言っていいのか分かりませんが)ジーンくんが映像編集に惹かれた理由は、積み上げられた映像の山から、観客が想起して補う部分まで予測して1つの道筋を立てるという行為に全能感を見出したからではないでしょうか。
全体を俯瞰して、あれやこれやと悩むのは確かに楽しい。筆者が国際関係分野で研究活動をしていて、面白さを見出せる瞬間の一つです。国家レベルで地球儀を眺めるように考えたり、地域レベルの宗教や民族などのファクターに焦点を当てたり。
でもいつかは限界が来ます。手元のデータや知識だけで資料を作らなくてはならないタイミングは、締切が迫る緊迫感と相まって絶望が半端ない。
ジーンくんにとっては「90分」のラインがそれに当たるのでしょうか。そう考えると彼の苦悩が少しはリアリティを増して感じられます。

最後に

今原作調べたんですけど、結構な巻数が出てるんですね。読むか!何か気付いたらまた追記します。


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