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花いけのキホンのキ、花びんと花の長さの比率&国による美意識の違い

かびんと花とのバランスのルールなんて、あってないようなものなので、気にしなくていいとは思うのですが、やっぱりルールから入るのも、1つの方法なのかもしれないな、と思ったので。

★花びんと花の比率 
花びんの高さを1とした場合、花を含めた全体の高さは2。
花びんの横幅を1とした場合、花を含めた全体の横幅は3。

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ざっくりいうと、この空間に、ふわっとまるくおさめてあげるとバランスよく見えます。
(もちろんこれ以外の考え方もたくさんあります)

ただし、このような法則的なものを守りすぎていると、少しイイコちゃんすぎる感じになるかも。
ここから、バランスを見ながら少しずつ高さを出したり、かびんの口元から葉っぱをたらしたり、
まんまるではなく余白をつくったりしていくことで、色気や味が出てきます。(くるはず!)

そのあたりのバランスは、花の色や、組み合わせ、本数、重みなどで、調整をしていくことになるので、テキストで言葉にするのは、少し難しいかも。もちろん、かびんの形などによっても、変わってきます。
(それが難しいって、言わないでーーー。そこが楽しいので、いろいろ一緒にトライしていきましょう)

★西洋的なフラワーアレンジメント
そもそも、西洋のクラシックなフラワーアレンジメントは、左右対称、規則的に並べていくのが
基本的な考え方のベースにあったそうです。
規則的に、たくさんの花を、順番に並べていく感じです。多くの本数の花が豪華に重ねられ、全体として、深みのあるアレンジメントになります。どんどん足していくイメージ。
現在では、西洋のフラワーアーティストでもミニマムな方もいますが、やはり、その人の根底にあるオリジンの美意識は、スタート地点、人の根底には根付いているのかなと思います。

イギリスの庭は沢山の植物が盛りだくさんに植えられていたり、フランスの宮殿の庭は左右対称に整えられていたり、国ごとのガーデンや、庭の作り方をみると、その国の人のもっている植物に対する美の考え方の基本がわかったりするので、おもしろいなと思います。

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★ところで、日本はどうなの?
日本の庭園は、自然の景色を凝縮してつくられています。
水・石・植栽・景物(灯篭や飛び石などの人工物)が、左右非対称、不等辺三角形に配置されてつくられます。

日本庭園と同じように、日本の生け花も、左右非対称、三本での不等辺△をつくる考え方が基本にあります。
また、日本の美意識として、よくいわれるように余白の美やワビサビ、など、日本では、余計なものを省いたミニマムな1本の枝のラインの中にも美を見出します。
そういう美の感覚は、日本で暮らしていると、無意識のうちにふれることになり、なんとなくわたしも身の中にある気がします。

日本に住んでいる私たちにとって、この非対称、余白の美などの考え方は、心のどこかにしみついているので、最初の方に書いた、花をいける時に色気や味をだすことは、きっとあなたもできるようになります。

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★デジタルの恩恵

現代は、インターネットなどで、様々な国・人種のひとたちの情報に手軽にふれることができます。
特に「花」は言葉が必要ない分野。自分の好きな花の飾り方をしている人のアカウントなどをフォローしたりして、いろいろな花や、そのいけ方にふれてみてください。

西洋的なものも東洋的なものも、どちらの感覚も持ち合わせて楽しめる現代ですので、どのくらいのバランスで、どのようにいけるのが、その日の自分にとって心地いいのか、色々な方法を自分ででためしていく中で、自分の美のセンスもアップデイトしていけたら楽しいのではないかな、と思います。Enjoy your life with flowers.

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