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上に政策あれば下に(芸術的な)対策あり〜服飾から見る日本史〜

先日もお伝えした通り「ふくよかな方向けのランジェリーショップ」を始めたkina。
ミニマリストを志願しておりますが、布に関してはどうにもミニマムになれないσ^_^;

たぬきねこに認められるくらい着物が似合わないので着物はあまり着ないのですが、着物は地味に好きなので、そういう話は何となく興味を持って調べちゃいます。

こんな顔して驚かれたら、さすがに似合わないの認めるよねぇ…

それを見ていて思うのは、「布や織物に関して、日本ってすごい」ということ。
それを聞いたら「きっとkinaは今治タオルの話をするんだ」と思われるかもしれませんが、今治タオルが世界に認められる高品質なのは誰もが知っていること。
誰もが知っていることを改めてnoteに書くほど、kinaも野暮ではありませぬ。

特に江戸時代は「贅沢は推奨されない時代」だったと言えるかと思います。
江戸時代では一般庶民は赤や紫という色を使うことを禁じられ、染料は藍・柿渋・泥を原料としたものに限定されました。
「奢侈禁止令」(徳川禁令)と言われるものだったそうです。
これは「庶民の贅沢と、そこから来る反乱を抑える」という意味合いだけではなく、赤色を作る紅花や茜、紫色を作る紫根といった原料の絶対的不足という背景もあったのではないかと思います。
赤色に関しては「コチニール」と呼ばれる染料も外国から入ってきて、織田信長はコチニールで染めた鎧を持っていたのですが、輸入品は幕府の管理下にありましたので、コチニールが庶民に流通するのも普通に考えたら難しいかと。

そんなわけで幕府からのお達しを「「「「へーい」」」」と唯々諾々と受け取った無抵抗な江戸時代の庶民…

…とはなりませんでした。

藍・柿渋・泥の3種類しか使えないなら、それらから使える色を増やしてしまえ」と言わんばかりに藍・柿渋・泥の3種類から何百・何千という色を編み出します。
さらに岡山藩は表面な無地ながら、裏地はド派手な着物を作っちゃったりしてます。
江戸でも、「江戸小紋」という模様があります。
下記のページをご覧いただいても分かるように、この「どうやったら派手にできるんだよ?!」と言いたくなる江戸小紋の模様にも規制が入っていたりしたそうです。

でも、そんな規制を上手く使って作り上げたのが江戸小紋。
幕府の禁令に対して遊び心を武器にして反発し、より良いものを作っていく庶民の攻防は、見ていて中々面白いです。

さらにはこぎん刺しですね。
弘前・津軽・南部といった、今の青森〜岩手県の地方でも、冬は寒いのですが庶民が自力で賄えるのが麻布しかないため、冬の耐寒性と補強を兼ねて麻布に綿糸で刺繍をして着用していました…が、これがまたとんでもなく芸術的。
幾何学的な模様なのですが、裏と表の模様が一緒なんです!
実際に見たら圧倒されてしまいました。

こういう話を見たり聞いたりするにつけ、「日本の染色や織物の技術ってすごい」と思いますし、こういう技術が後世にも残っていってほしいと思います。

拙い文にサポートしていただくとしたら感謝しかありません。家を買う費用とたぬきねこの福利厚生のために使わせていただきます。